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Chrome『プッシュ通知』でウェブマーケティングが変わる
マーケティング 2015.04.24
Android版Chromeブラウザ※にウェブサイトからスマートフォンへプッシュ通知を可能に機能が追加されました。
※Chromeの最新ベータ版となる「Chrome 42」
開発中であったこの機能をどのサイトが最初にサポートするか注目されていたが、Googleは2015年4月20日時点でeBay、Facebook、Pinterestなどがプッシュ通知機能を採用したと発表。
スマートフォンアプリで一般化したプッシュ通知。
アプリ提供者側が自由なタイミングで発信できるこの機能は、アプリの利用率を大幅に増加させ、すでにアプリ戦略の重要課題のひとつとなっています。
これがブラウザで実装できるとどうなるのか?
ウェブマーケティングにおけるサイト集客はどう変わるか?
スマートフォンアプリのプッシュ通知例
目次
Android版Chromeブラウザの利用者が対象
まず、この機能の影響範囲はAndroidユーザー且つChromeブラウザの利用者に限定されることが前提です。
これが限定的な影響範囲かと侮ってはいけません。
AndroidユーザーであればブラウザとしてプリインストールされているChromeブラウザを日常使いしているユーザーも大多数存在すると考えられます。
世界のスマートフォン出荷台数の85%以上がAndroid(日本だと50%程度)であるならばChromeブラウザをウェブマーケティング戦略上軽視するわけにはいきません。
Androidの標準ブラウザとChromeブラウザ
Android版Chromeプッシュ通知とは?
ユーザーのアクティブ率を向上させたり、休眠ユーザーの呼び起こしが可能なのでアプリ提供者にとっては非常に重宝されている機能です。
スマートフォンアプリのビジネス設計上、その配信タイミングや内容については各社戦略的に取り組む重要なポイントとなっています。
これと似たことがウェブサイトで提供されているサービスでも実装できるというのが今回の機能になります。
これまでユーザーのデバイスを直接呼び起こす仕組みはウェブサービスに存在しませんでした。
ゆえにウェブサービスの提供者はメールマガジンの登録やFacebook、twitterといったSNSのフォローを促すことでどうにかユーザーと継続的な接点を構築する努力がなされてきました。
このChromeプッシュ通知が実際どのような表現でユーザーに届けられるかGoogleが公開しています。
Android版Chromeプッシュ通知からウェブサービスへ
ウェブサービスの提供者はユーザーにリアルタイムでアップデートされた情報を送ることができるようになります。
このプッシュ通知によって、Androidデバイス上でこれまでのスマートフォンネイティブアプリで実現していたプッシュ通知とほぼ同様の表現でユーザーにコンタクトすることができます。
そしてこの通知を管理するのはAndroid OSでもアプリ開発環境でもなく、ウェブサービス内で設定によってになります。
どんなウェブサービスでも実現できるのか?
どんなウェブサービスでも、あなたのサイトでも実装できるでしょう。
そのための設計がなされているからです。
Googleはユーザー側が通知に対してネガティブな反応を示す場合を想定して、いつでも通知を拒否できる設計としています。
まず、初めてAndroid版Chromeブラウザを通じプッシュ通知が設定されたサイトへアクセスした際、「プッシュ通知を許可するか?」という許諾画面が以下画面のように表示されます。
以降、許可したユーザーのみに通知が送られます。
また通知されるメッセージ自体にも「SITE SETTINGS」ボタンが付与されているためプッシュ通知が煩わしければその場でOFFにすることができるようです。
ユーザーに選択権が委ねられている設計によってストレスは軽減されるものと思われます。
多くのウェブサービスで導入されることを前提として作られています。
サイトに訪れた際に今後通知を許可するか選択できる
また通知されるメッセージ自体にも「SITE SETTINGS」ボタンが付与されているためプッシュ通知が煩わしければその場でOFFにすることができるようです。
ユーザーに選択権が委ねられている設計によってストレスは軽減されるものと思われます。
多くのウェブサービスで導入されることを前提として作られています。
Chromeプッシュ通知でウェブマーケティングはどう変わるか?
Chromeプッシュ通知でモバイルマーケティングに訪れる変化のポイントは
(1)ウェブプロモーションの成果地点に“Chromeプッシュ通知の許可”が加わる
(2)コンテンツマーケティングの重要性が加速する
だと考えています。
(1)ウェブプロモーションの成果地点に“Chromeプッシュ通知の許可”が加わる
ウェブサイトへユーザーを集める目的には「情報を告知」するだけのものから「サービス登録」「メールアドレス取得」「SNSのフォロワーを増やす」といった成果地点がありました。
この成果地点に「Chromeプッシュ通知の許可を取る」という項目が加わってくるものと考えられます。
“Chromeプッシュ通知の許可を取る”ことでサービスの提供者はユーザーに対して自由なタイミングで情報を提供できる状態となるからです。
開封率の高いプッシュ通知は“メールアドレスを取得しメルマガを送る”というこれまでのユーザーコミュニケーションよりも価値の高いものとして位置づけられるかもしれません。
(2)コンテンツマーケティングの重要性が加速する
これまでウェブを通してキャンペーンのプロモーションを行うには、その都度“広告出稿”をするという考え方が主流でした。
今回のプッシュ通知機能によって、ユーザーとのコミュニケーションポイントは一度サイトを訪れさえすれば構築可能となります。
これにより“コンテンツマーケティング”の優位性が益々加速するでしょう。
ユーザーに役立つ情報を定期的に提供し続けるコンテンツマーケティングという考え方はChromeプッシュ通知とゆう機能との親和性が非常に高いからです。
キャンペーンの度に多額の広告予算を投下しテレビCMを作ったり、色々なサイトやメディアに広告を掲載する一過性のプロモーションの連続という従来の形ではなく、一度構築されたユーザーとのコミュニケーションの中で継続的に商品やサービスのブランドストーリーを伝えていくという形がサービスの提供者には求められていくことになります。
多額の広告予算を確保し新しい顧客を獲得していくのではなく、常に有益な情報を制作し提供しつづけることで顧客を醸成していく必要があるのです。
現時点でGoogleは、Beyond the Rack、eBay、Facebook、FanSided、Pinterest、Product Hunt、VICE News、Roost 、Mobify他がプッシュ通知機能を採用したとの発表に留まっています。
この機能は近い内にあらゆるウェブサービスに開放され、実装導入の選択可否が可能になるものだと考えられます。
Googleが“検索”を介さずダイレクトなウェブサービスへのアクセスを後押しするのは意外な印象を受けますが、スマートフォンの使い方、その過ごし方の現状を見ればGoogleがブラウザ側を支援する理由が分かります。
スマートフォンアプリ市場の拡大、利用率の高まりに対し、ウェブサービス活性化への後方支援とも考えられるChromeプッシュ通知。
サービス提供者にとって、その時がウェブでのマーケティング戦略やその在り方について方向転換のタイミングかもしれません。
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