カスタマージャーニーマップはなぜ重要なのか?メリットや作り方の注意点を解説
マーケティング 2019.03.18
「カスタマージャーニーマップ」は、近年注目を集めているマーケティングの方法です。 ビジネスにおいて重要性が高まっていますが、詳しいことをよく知らない方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、「カスタマージャーニーマップ」についてわかりやすく解説します。 意味やメリット、注意点などを把握するのにお役立てください。
目次
カスタマージャーニーマップとは顧客の行動を可視化したもの
日本語にすると「顧客の旅の地図」となるカスタマージャーニーマップ。
わかりやすく言えば、「顧客が商品やサービスに出会い、実際に購買行動に至るまでのプロセスを可視化したもの」です。
広告でその商品の存在を知り、サイトやレビューを見て類似商品と比較し、購買するといった一連の流れを「旅」に例え、さらにそれを目に見える形で表したものを「地図」に例えています。
カスタマージャーニーマップは「課題が見えやすくなる上、アプローチ方法や改善策を考えやすい」として必要性を認め、作成する企業が増えています。
カスタマージャーニーマップ作成の5つのメリット
カスタマージャーニーマップで顧客の行動や思考を可視化することには、大きく5つのメリットがあります。
- 顧客の行動を俯瞰することで、課題を発見できる
- 従来の方法で把握できない顧客行動を検討できる
- 関係者全員が共通認識を持てる
- ユーザー目線で考えられる
- 課題解決の優先順位がわかる
それぞれについて、詳しく解説します。
1.顧客の行動を俯瞰することで、課題を発見できる
カスタマージャーニーマップを作る際は、顧客の行動や思考を洗い出し、情報を1枚のシートにまとめます。
情報を網羅的に検討するのに加え、全体像をわかりやすく俯瞰できるため、今まで気づかなかった課題を発見できる可能性が高まります。
2.従来の方法で把握できない顧客行動を検討できる
近年は、スマートフォンの普及やSNSの台頭で、顧客が商品やサービスに出会う機会が多様化しました。 実店舗や企業による宣伝だけでなく、個人による発信でも、商品認知や実際の購買につながるようになっています。
そのため、従来のマーケティングのやり方では、顧客行動を把握しきれないという問題があります。
一方、さまざまな接触ポイント(タッチポイント)を検討するカスタマージャーニーマップでは、このような近年の傾向にも対応できます。
3.関係者全員が共通認識を持てる
カスタマージャーニーマップは一人で作るものではなく、関係者たちの協力が必要です。
各所から情報を集めて整理する中で、関係者全員が現在の状況を把握できるほか、課題に対する共通認識を持つことができます。
4.ユーザー目線で考えられる
何か事業を進めようとするとき、どうしても企業目線から考えてしまい、「こうあってほしい」という希望的観測が含まれがちです。
しかし、カスタマージャーニーマップはあくまで「ユーザーの立場」から作ることから、顧客の考えに寄り添った進め方を検討できます。
5.課題解決の優先順位がわかる
カスタマージャーニーマップは、顧客の行動フェーズごとに課題を見つけ、それを時系列順に整理します。
そのため、優先して対応するべき問題点が見つけやすくなります。
カスタマージャーニーマップ作りで注意すること
実際にカスタマージャーニーマップを作成する際、気をつけたいポイントもいくつかあります。実際にカスタマージャーニーマップ作りを行う場合には、以下の注意点を念頭に置いて作業してみてください。
マップ作成を目的化しない
カスタマージャーニーマップは、あくまで施策を効果的に実現し、ビジネスの目標を達成するためのものです。
マップの作成ばかりに注力し、手段が目的化しないように注意しましょう。
最初はシンプルなものを作る
特に初めてカスタマージャーニーマップを作る方は、シンプルなものを作成するのがおすすめです。
インターネット上で見つかる事例の中には、緻密に作り込まれて見栄えも良いマップもあるため、真似したくなるかもしれません。 しかし、慣れない中で同じように複雑なマップを作ろうと思っても、完璧に作ることは難しいです。
最初は大まかに全体を作り、細かい部分は徐々に作り込んでいきましょう。
定期的に内容を更新する
現代は、新しい情報がすぐ陳腐化するような変化の激しい時代です。ユーザーの行動も、世の中に合わせてどんどん変わります。
マップは定期的に内容を更新し、顧客行動の変化に柔軟に対応できるようにしましょう。
カスタマージャーニーマップの作り方5ステップ
こちらでは、カスタマージャーニーマップを作る際の具体的な作り方を解説します。 主な手順は以下のとおりです。
- ゴール(目標)設定
- ターゲット(ペルソナ)設定
- フレームワークを用意
- ペルソナの行動などを想定・調査
- フレームワークに書き込み
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
1. ゴール(目標)設定
そもそも、カスタマージャーニーマップを作ることで得たい成果は何でしょうか?
売上30%アップなのか、資料請求件数の増加なのか、それとも顧客にSNSでシェアしてほしいのかなど、マップを作ることで目指したいゴール(目標)を明確にしましょう。
それによって、必要なデータや想定すべき顧客の行動も変わってきます。
2. ターゲット(ペルソナ)設定
次に、事業の中心となるターゲットを決めます。
このとき、できるだけ具体的な人物像(ペルソナ)を設定することがおすすめです。性別や年齢、仕事、趣味、家族構成などまで考えるのが理想です。行動や感情を想定しやすくなるほか、関係者間での認識がブレにくくなるからです。
3. フレームワーク(枠組み)を用意
カスタマージャーニーマップには、基本的なフレームワークがあります。
- 横軸は、「認知」「興味・関心」「比較検討」「行動」といったフェーズ(時系列順)
- 縦軸は、「接触ポイント(タッチポイント)」「感情・思考」「課題」「施策」などの情報
がよく見られる型です。 インターネット上にはテンプレート例もありますので、うまく活用しましょう。
4. ペルソナの行動などを想定・調査
横軸に設定したフェーズに合わせ、ペルソナが実際に行うと予想される行動を調査します。
自分の頭だけで考えるのではなく、実際のユーザーにヒアリングしたり、アンケート調査を行なったりすると、より現実的なデータが手に入ります。
行動だけでなく、「顧客は何を考えるか?」「どんな不満を持つか?」といった思考面・感情面も想定することで、さらに説得力のあるカスタマージャーニーマップが作れます。
5. フレームワークに書き込み
情報が出揃ったところで、用意したフレームワークの中にそれらを書き込んでいきます。 文字だけでなく、イラストなどの図解も含めるとわかりやすくなります。
まとめ
カスタマージャーニーマップは、顧客の行動や感情を段階ごとに可視化したものであり、よりよいマーケティング施策を考えるのに役立ちます。
しかし、実際にマップを作成しようとしたとき、「思ったように作れない」「これで良いのかわからない」などの悩みが出てくるかもしれません。
パンタグラフでは、カスタマージャーニーマップ作成支援を行なっています。 詳しいヒアリングやデータ分析を通して、ペルソナの購買行動につなげるための最適なマップ作りをサポートします。
無料でご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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