リテンションの意味とは?経営者が知っておきたいマーケティング用語
マーケティング 2019.02.13
リテンションは、マーケティングをする上で、限りあるコストを有効活用するための方法です。
お客様と良い関係を築き、会社や製品を好きになってもらうことで、売上や集客につなげます。
リテンションという言葉を耳にしたことがある方の中には
「詳しいことを知らないけれど、つまりどういうこと?」
「リテンションは、何がどう役立つの?」
「具体的に何をすればいいの?」
という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、リテンションの意味や方法、注意点などについて解説します。
目次
リテンションとは「既存顧客」を「保持」すること
リテンション(retention)には、英語で保有、保持、引き留めなどの意味があります。
それが転じて、マーケティング用語としては「既存顧客が離れないようにすること」を意味するようになりました。
すなわち、「一度商品やサービスを購入してくれたお客様に、その後も継続して買い続けてもらえるように活動すること」です。
「リテンションマーケティング」と呼ぶこともあります。
「CRM(Customer Relationship Management)」という言葉をご存知の方もいらっしゃるかもしれません。こちらは、リテンションマーケティングの1つです。
日本語では「顧客関係管理」と訳され、既存顧客のほか、今後良い関係を気づけそうな見込み客との関係性を重視するものです。
なお、人事関係でも同じリテンションという言葉がありますが、こちらは「優秀な人材が外部に流出しないよう、自社に引き留める取り組み」を指しますので、混同しないように気をつけましょう。
リテンションは何に役立つのか?メリットを紹介
リテンションのもっとも大きなメリットは、「新規顧客獲得に比べて、既存顧客を維持するほうがコストが低く済む」ということです。
何事においても同じですが、ゼロの状態から何かを得るためには、時間や費用、労力といったコストを多くかけなければなりません。
一般的に、新しいお客様を開拓するのには、既存顧客を維持するのに比べて5倍のコストがかかるといわれています。マーケティングにおいては、「1:5の法則」と呼ばれています。
新規のお客様は、獲得が難しいうえに購買金額が低く、利益率が低いとされています。
企業が利益を出し続け、成長していくためには、いかに「既存のお客様の離反を防止して購買し続けてもらうか」が重要です。
また、既存顧客を維持することで、新たな顧客獲得につなげることもできます。
リピーターのお客様から、製品やサービスに対するフィードバックをもらうことで、品質向上につながるほか、お客様のニーズを把握することができます。
問題点を改善して既存顧客からの評価が上がれば、新規顧客に対するアプローチに利用できます。また、離反顧客に戻ってきてもらったり、休眠顧客を復活させたりする効果も期待できます。
具体的なリテンション施策のアイデアとは?
顧客維持のためには、お客様に企業やブランドに対して魅力を感じていただくことが必要です。ここでいう「魅力」とは、悩み解決の実感、お得感、特別感、親近感などがあります。
具体的なアイデアとしては、以下のものがあります。
- 対面時の接客やサポートの態度
- 商品購入やサービス利用後のアフターフォロー
- 商品やサービスの品質改善
- メールやDMなどによる継続的な情報発信
お客様とどうコミュニケーションをとるかによって、購入後の印象は変わります。
丁寧な接客や充実したアフターフォローなど、お客様が心地よく感じられる対応を行うことで、「もう一度利用したい」と思っていただける可能性が高くなります。
また、既存顧客と定期的に接触するのも大切なポイントです。「接触」とは対面だけでなく、情報発信も含まれます。
接触が少なければ、お客様に忘れられてしまいます。お客様に拒絶されないように工夫しながら、情報を届けるようにしましょう。
優良顧客には優遇措置がおすすめ
購入頻度や購買金額が高い優良顧客(ロイヤル顧客)には、特別感を味わえる企画を行うのがおすすめです。
例として、
- ある一定条件以上の顧客限定のイベントやキャンペーンを開催する
- ロイヤル顧客しか買えない商品を扱う
- 限定のカタログやメルマガを配信する
- スペシャル特典や割引をつける
などが挙げられます。
良いお客様に対して特別な待遇を用意することで、さらに企業やブランドに愛着を持っていただけ、継続して買い続けていただける効果が期待できます。
また、好印象が強くなればなるほど、他シリーズ製品の購入や売上単価アップも期待できるほか、家族や友人などに紹介していただける可能性も高まります。
なお、世の中には、お客様が逃げられないように壁を作って囲い込むような企業もありますが、不快感や不信感を抱かれる可能性があるため、そのような施策は避けましょう。
リテンションにはデータ管理と運用が大切
効果的にリテンションを行う上で、顧客データの管理と運用は大切なポイントです。
データベースを構築し、購入履歴や施策の実施効果、メールの開封率やサイトの訪問履歴など、マーケティングに役立つ顧客データを収集し、活用しましょう。
Excelでもある程度の管理や分析は可能ですが、容量が大きい大規模データを扱ったり、より詳細な解析を行ったりする場合は、専用システムの導入を検討するのがおすすめです。
まとめ
リテンションは、企業がビジネスを続けていく上で欠かせない施策です。しかし、実際に実施を検討しても、「ノウハウやアイデアがない」「思ったような効果が出ない」といった課題が出てくるかもしれません。
パンタグラフでは、WEBを中心とした企画コンサルティングやサポートを行なっております。クライアント様のご要望に沿って、目的達成に向けた支援をさせていただきます。
もし、顧客維持についてご不明な点やお困りの点などがありましたら、お気軽にパンタグラフまでご相談ください。
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