EdTechとは?日本の教育テクノロジーを「受験のミカタ」運営企業が解説
その他 2020.07.28
EdTech(エドテック)という言葉を聞いたことがありますか?
EdTechを活用することで、生徒の学びを効率化したり、教員の負担を軽減したりと、様々な改革が進められることが期待されています。
この記事では、EdTechとは何か、注目を集める日本のEdTech事例について紹介していきたいと思います。
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目次
EdTech(エドテックとは?)注目の集まる教育テクノロジーを解説
EdTech(エドテック)とは、Education(教育)とTechnology(テクノロジー)とを組み合わせた造語で、情報技術の力で教育環境を変えていく取り組みを指しています。
学校や塾の授業で板書やディスカッションなどに使われるサービスや、遠隔地から受講できるオンライン学習の配信、教師が生徒の学習状況を把握するツールなど、さまざまに導入が進んでいます。
さまざまな業界で広がる「X-Tech」
EdTechのように、ある分野とテクノロジーを組み合わせ、新しい価値を生み出すという動きは様々な業界で起こっており、総称してX-Tech(クロステック)と呼ばれています。
金融業界のFinTech(フィンテック)、広告業界のAdTech(アドテック)などが有名です。
具体例としては、金融分野でのモバイル決済、医療現場での電子カルテなどが挙げられます。
他にも、小売、不動産、農業などの業界に至るまで、あらゆる業界で大きな変化が起こりつつあります。
「EdTech」と「eラーニング」や「ICT教育」の違いは?
EdTechと混同されやすい言葉に、「eラーニング」や「ICT教育」があります。
eラーニングは、インターネットを通じて、おもに動画を視聴することで学習する形態を指します。
インターネットに接続できる環境があれば場所を選ばず、理解度に合わせて何度でも学習でき、またテスト機能などにより学習状況を把握しやすいというメリットがあります。
またICT教育とは、ICT機器を用いた教育方法のことで、パソコンやタブレット端末などを使う授業を指します。
ICTは「情報通信技術」の意味であり、これらを活用した授業やパソコンそのものの使い方を教える授業などを総称して呼ぶ言葉です。
インターネット上の資料などを学習に活用できるほか、授業準備の効率化を図ることにも役立ちます。
一方で、EdTechとは、テクノロジーを用いた効果的・効率的な教育ツール、サービスです。
「インターネット上で従来と同じ授業を行うこと」や「従来の授業を効率的に行うためにICT機器を使用すること」ではなく、テクノロジーを用いてこれまで教育の課題とされてきたことを解決したり、教育の新しい価値を生み出したりするような取り組みを指します。
EdTechの事例5選!日本企業の取り組みは?
EdTechの有名な海外事例としては、MOOC(ムーク)が挙げられます。
MOOCはMassive Open Online Courses(大規模公開オンライン講座)の略で、海外の一流大学のオンライン講義を原則無料で受けられるサービスです。
いくつかの学習サービスをまとめるプラットフォームとして機能し、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学などが開発に関わりました。
MOOCは、このサービスで学んだモンゴルの少年がアメリカのマサチューセッツ工科大学に入学したことでも話題になりました。
EdTechは、このように空間的、経済的な制約を撤廃し、誰もが高度な教育を受けられる可能性を提示しています。
なお、日本には「JMOOC」という日本版サービスが存在します。
それでは、日本企業が取り組んでいるEdTechの事例を紹介していきましょう。
日本のEdTech事例①スタディサプリ
「スタディサプリ」は、小学生~高校生、大学受験生、英語を学ぶ社会人に向けたオンライン授業とテキストを配信するサービスです。
一流講師による分かりやすい講義をスマートフォンやタブレット端末等で視聴でき、単元学習やテスト対策も可能です。
これまで大手の予備校や塾に通わなければ受けることができなかった講義を、自宅や移動中に受講できるため、教育の地域間格差の解消に役立つと考えられます。
さらに、スタディサプリでは生徒一人ひとりの理解度に合わせて復習できます。
学校向けプランもあり、教師が生徒の学習状況を一括管理するための機能や、個々人に合わせた学習を提案するこ機能が備わっています。
日本のEdTech事例②atamaplus
「atamaplus」は、AI(人工知能)を活用したオンラインの学習システムです。
AIが一人ひとりの理解度・学習履歴・ミスの傾向・その日の集中度などに合わせたカリキュラムを作成します。
塾や予備校向けに販売されているサービスで、導入した塾や予備校の講師が生徒の学習状況を把握したり、教育プランを考えたりするために使われます。
生徒のスマートフォンに向けて、理解状況に合わせた宿題を配信する機能もあります。AIと人間の講師の得意分野を連携した教育が可能になります。
日本のEdTech事例③mikan
「mikan」は、ゲーム感覚で英単語を学べるスマートフォンアプリです。
ユーザーのレベルや目標に合った単語群が選択でき、クイズ形式でテンポよく単語を学ぶことができます。また、間違えた問題は自動で記録され、苦手な分野をまとめて復習することが可能です。
また、アプリのイメージキャラクターがプッシュ通知で学習を呼びかけ、勉強の週間付けにも役立ちます。
iPhone、iPadのほか、Android端末にも対応しています。
日本のEdTech事例④Life is Tech
「Life is Tech」は、中高生向けのIT・プログラミング学習サービスです。
パソコンを使ったRPG風ゲームでプログラミングを学べる「テクノロジア魔法学校」のほか、短期集中型のプログラミング学習キャンプや定期開催のスクールを行っています。
また、プログラミング学習の始まる教育機関へ指導教材を提供し、2020年3月末段階で70校以上の利用が決まっています。
日本のEdTech事例⑤ロイロノート
「ロイロノート」は、公立、私立の小学校・中学校・高等学校・大学・塾 1000校以上に導入されている授業支援アプリです。
カードに記入し、移動や組み合わせを行うUIを用い、ディスカッションや文章の作成、発表などを効率的に行います。
また、板書やノート提出、課題などもアプリ上で行えるため、教員の負担軽減につながります。
パソコンやスマートフォン、タブレット端末で利用できます。
EdTechで教育はどう変わるの?
EdTechによって、従来の教育環境は大きく変わる可能性があります。
テクノロジーによって学習の相互性が高まり、アクティブ・ラーニングを行いやすくなることで、一方通行の授業が減り、生徒が考え、アウトプットする機会が増えると予想されます。
また、暗記などのインプットの学習も、AIやデータの活用により、さらに効率化されるでしょう。
さらに、経済的、地理的な教育格差が軽減され、学力格差を是正できる可能性もあります。
教員にとっては、テストの採点業務や提出物の管理、成績管理が効率化されることで、業務が軽減される可能性があります。
そして、これらのツールやサービスを活用することで、教員が生徒一人ひとりに向き合う時間を確保できるようになることが最も大切なことかもしれません。
EdTechは、現段階でも多くのサービスが提供されており、ITを活用した学習・教育環境の改善策が提案されています。
今後ますます発展していくEdTechに注目です。
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