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ペルソナ設定のやり方|項目テンプレートと実案件の具体例、ターゲットとの違いも解説

マーケティング 2026.10.19

ペルソナ設定のやり方|項目テンプレートと実案件の具体例、ターゲットとの違いも解説

ペルソナとは、商品やサービスを利用する典型的な顧客を、名前・年齢・職業・価値観・悩みまで具体的に描いた「架空の1人の人物像」のことです。ターゲットが「30代の働く女性」のような層を指すのに対し、ペルソナはその中の代表的な1人を指します。

この記事の要点
・ペルソナを作ると、チームで「誰のために作るか」がそろい、施策の判断がぶれにくくなる
・作り方は「情報収集→整理→1人の人物像にまとめる」の3ステップ。思い込みではなく、顧客の声やデータを根拠にする
・本記事では、そのまま使える項目テンプレートと、パンタグラフが会員10万人規模のサービスで実際に作ったペルソナ例を紹介する

目次

ペルソナ設定の基礎知識

まずは「ペルソナ」に関する基礎知識をおさえましょう。

ペルソナとは「架空のユーザー像」

ペルソナとは、商品・サービスを購入してくれる架空の典型的なユーザー像のことです。 もともとはラテン語で「仮面」を意味する言葉でしたが、それが転じて、マーケティング用語として使われるようになりました。

なお、「ペルソナ設定」とは、商品やサービスの企画~販売まで一貫したマーケティング戦略を練るために、あたかも実在する人物のように、一人の架空ユーザー(ペルソナ)を設定することを指します。

ペルソナとターゲットの違いは「詳細さ」

ペルソナとターゲットの最大の違いは、人物像の詳細さにあります。混同されやすい両者の違いを、以下の表で整理します。

ターゲット

ペルソナ

詳細さ

ざっくりとしたグループ

一人の人物像として詳細に作り込む

例

「30代女性」

「名前:田中さやか、38歳、都内在住の会社員…」

活用シーン

大まかな方向性の設定

具体的な訴求・商品開発・コンテンツ制作

メリット

素早く全体像を把握できる

ライフスタイルや悩みまで深掘りできる

ターゲットは、「30代女性」など、ざっくりとした実在する消費者グループを意味することが多いです。 一方、ペルソナは、ユーザーの人となりを詳細に作り込みます。例えば、「名前は◯◯、年齢は38歳、専業主婦…」といった具合です。

ターゲットを設定した場合は、例えば「30代女性」に向けた商品やサービスを作りますが、「30代女性」といっても、会社員や主婦、アウトドアが好きな人やインドア派の人など、さまざまな人が含まれており、詳細なイメージは描けません。

しかし、ペルソナを設定すれば、ライフスタイルから趣味、テレビやインターネットを見る時間帯、買い物をする場所まで知ることができます。 そしてその結果、ペルソナに近い人々により深く刺さる商品やサービスにすることができます。

ペルソナの基本

ペルソナマーケティングはどんな時に使われるか

ペルソナは、商品やサービスを新しく開発したり、既存の製品を改善したりする際に作成されることが多いです。 ここで、若い男性向けの新しい化粧品ブランドを作るケースを考えてみましょう。

ペルソナの例

名前

鈴木裕太

年齢・性別

25歳・男性

職業

営業職(外回り多め)・毎日2時間程度残業

生活状況

独身・一人暮らし

趣味

マラソン(大会にも出場)

悩み

日焼け・肌荒れ・汗のケア。身だしなみを整えたいがスキンケアの知識が少ない

「20代男性向け化粧品」という漠然としたターゲットよりも、ペルソナを設定するほうが、具体的なアプローチ(成分訴求・使いやすさの強調・男性向けコンテンツなど)が考えやすくなります。

(イメージ)スポーツマンの男性のペルソナ例

なお、実際に使用した▼ペルソナの具体例も公開していますので、あわせてご覧ください。

ペルソナを設定するメリット

ペルソナを設定すると、以下のようなメリットがあります。

メリット

内容

顧客視点で考えられる

一人のユーザーの課題・ニーズを深掘りでき、実際のユーザーに刺さる施策が打ちやすくなる

ライフスタイルを反映できる

嗜好や生活リズムに合わせた製品開発・情報発信のタイミング設計が可能になる

チームで共通認識が持てる

「30代男性」では人によってイメージが異なるが、具体的なペルソナがあれば認識ズレを防げる

時間・コストの削減

無駄な施策を減らし、ターゲットに集中したリソース配分が可能。結果としてROI改善が期待できる

それぞれについて、詳しく解説します。

顧客の視点で考えられる

「ユーザーの視点に立てる」という点で、ペルソナ設定は有効です。

ある一人の顧客(ペルソナ)が求めるものをピンポイントで突き詰めるため、実際のユーザーにも刺さりやすい商品・サービス開発ができます。

ユーザーの性格やライフスタイルなども反映できる

人物像がはっきりすることで、生活や嗜好・ライフスタイルに合わせた製品開発が可能です。

加えて、「どんなアプローチが好まれるか?」「いつ情報発信をすればユーザーに届きやすいか?」なども想定しやすくなります。

開発チームで共通認識ができる

単に「30代男性向けの商品を作る」とだけ言っても、人によってイメージする「30代男性」は異なるため、意見がまとまらない可能性があります。

しかし、具体的なペルソナを設定すれば認識違いを避けることができ、スムーズな目標設定を行えます。

時間・コストの削減

ペルソナを設定することで、無駄な施策を減らし、ターゲットに集中したリソース配分が実現し、結果としてROI(投資対効果)の改善が期待できます。

施策の方向性が明確になるため、検討・修正にかかる工数も削減されます。特に、予算やリソースが限られる中小企業や新規事業においては、ペルソナ設定によるコスト効率の向上は大きなメリットといえます。

(イメージ)ペルソナとターゲットの違いは、年齢、職業、趣味などの詳細

ペルソナの設定方法

それでは実際に、ペルソナの設定方法について詳しくご紹介します。

  1. 「ペルソナにしたい人物」に関する情報収集
  2. 情報を整理する
  3. ペルソナを完成させる

なお、実例を基にした具体例は「【実案件で学ぶ】ターゲットに深く刺さるペルソナの作り方と事例」でも紹介しているので併せてご覧ください。

1. 「ペルソナにしたい人物」に関する情報収集

まずは、人物像を作るために必要な情報を集めます。具体的な方法としては、以下のものが挙げられます。

  • お客様へのインタビューやアンケート
  • 営業担当者へのインタビュー
  • 社内データの分析
  • 政府やシンクタンクのデータを利用
  • 検索エンジンやSNSでの反応調査

お客様の生の声は、貴重なデータです。ぜひ積極的に集めましょう。 また、直接クライアントの反応を見ている営業担当者からも、有益な情報が得られる可能性が高いです。

そのほか、統計など政府が公開しているデータや、ネット上の投稿なども役立ちます。

パンタグラフがレシピ紹介サービスの立ち上げでペルソナを作ったときは、調査会社に依頼して、想定するペルソナごとに5〜6人を集めたグループインタビューを行いました。グループインタビューには次の長所と短所があります。

長所短所
短時間で多くの意見が集まる参加者の日程調整が難しい
他の参加者の発言に刺激され、意見が出やすい周りに合わせてしまい、本音を話しにくい人もいる

得られる情報の質は進行役(モデレーター)で大きく変わるため、慣れた進行役に任せるのがおすすめです。人数を集めたい場合は、FastaskやQuestantなどのアンケートサービスも便利です。

インタビューの前にSNSで想定ユーザーの投稿を眺めておくと、全体像をつかみやすくなります。ただし印象だけで決めず、インタビューやデータで裏付けを取りましょう。

編集メモ:persona.html にあった Cross Marketing を含むツール3つのリンクは、公開前にサービス名とURLが生きているか確認してから移す。

2. 情報を整理する

データが集まったら、情報を整理しましょう。

(イメージ)データを基にペルソナを設定する

集まった膨大なデータの中から、分類したり取捨選択をしたりして、必要な情報を絞っていきます。

3. ペルソナを完成させる

最後に、整理されたデータを使って、ペルソナを完成させます。

理想は、「その人物の顔が見える」状態にすることです。

「こういう人、いるよね」と、鮮明にユーザーをイメージできるようにするためには、次項で紹介する内容を考えるのがおすすめです。

ペルソナに設定する項目(テンプレート)

ペルソナに設定する主な項目と書き方を、若い男性向け化粧品の例(前述の鈴木裕太さん)でまとめました。すべてを埋める必要はなく、購入の判断に影響する項目を優先してください。

項目書き方のポイント
名前・年齢・性別実在しそうな名前を付けると、チームで話題にしやすい
一言で表すと人物像を短い言葉にまとめ、写真やイラストも添える
居住地生活圏や買い物のしかたに関わる
職業・働き方使える時間や場所がわかる
収入・貯蓄価格帯の判断材料になる
最終学歴情報の受け取り方の参考にする
家族構成・人間関係購入に影響する人がいるか
ライフスタイル・趣味1日や1週間の過ごし方を具体的に
性格・価値観何を大事にして選ぶか
不満・悩み商品が解決できる悩みを中心に
ネットの使い方・デバイスどこで情報を得ているか
役職・決裁権限(BtoBの場合)利用者と決裁者が違う場合は分けて書く

明確なペルソナが設定できたら、あとはそのペルソナが好み、興味を持つようなマーケティングを行っていきます。

ペルソナの具体例

ここからは実案件の例をもとに、ペルソナの具体例を紹介します。

実案件の例:会員10万人規模のレシピ紹介サービス

パンタグラフがレシピ紹介サービスの立ち上げを担当したときは、暮らし方の異なる4人のペルソナを作りました。

ペルソナ年齢人物像
キャリアウーマン36歳仕事と家庭を両立している
忙しい主婦32歳パートで働きながら家事を担う
アロマセラピスト45歳第二の人生を送る、経済的に余裕のある女性
新婚の会社員27歳地方に住む

ペルソナから機能や施策を導く

ペルソナは作って終わりではなく、機能や施策を決める根拠として使います。

この案件では、居住地・働き方・家族構成から買い物の頻度や量を推測し、食材の買い出し機能の設計に反映しました。また、1日の生活スケジュールから帰宅時間を推定し、その時間帯に通知を送る案にもつなげています。

作成のコツ

この案件でペルソナを作るときに確かめたのは次の4点です。

  • 開発チームの誰もが「実在しそう」と想像できるか
  • 生い立ちや性格など、人格に関わる基本情報まで設定しているか
  • サービスを使う場面を具体的に描いているか
  • ライフスタイルを細かく設定しているか

他社の例:Soup Stock Tokyo「秋野つゆ」

スープ専門店のSoup Stock Tokyoは、「秋野つゆ」という1人のペルソナを設定し、「彼女が好むかどうか」を基準に商品や店舗づくりを判断したことで知られています。

ss

Soup Stock Tokyo HP

秋野つゆは、37歳で都心で働く女性、経済的に余裕があり、自分なりのこだわりを持つ人物として描かれています。1999年にお台場で1号店を出店し、その後全国に店舗を広げました。ペルソナを1人に絞ると、判断の基準がはっきりすることがわかる例です。

引用元:U-NOTE 女性に愛され、売上高42億円の「Soup Stock Tokyo」- 成長を支え続けてきた究極のマーケティング手法とは?
http://u-note.me/note/47486832
引用元:LISKUL ペルソナマーケティングが5分で理解できる!【日本企業の厳選事例6選】
http://liskul.com/wm_personam6-5104

生成AIでペルソナを作る・仮想インタビューする

生成AIを使うと、ペルソナ作りの下準備や仮説出しを短時間で進められます。使い方は大きく2つです。

データを読み込ませて叩き台を作る

顧客の属性データ、過去のアンケート結果、SNSの投稿などをAIに読み込ませ、共通する特徴をペルソナのサマリーとしてまとめさせます。顧客の個人情報を社外のAIサービスに入力する場合は、社内ルールを確認し、匿名化してから使いましょう。(内部リンク:ローカルAIとは)

AIペルソナに質問して仮説を出す(仮想インタビュー)

作ったペルソナになりきって答えるようAIに指示し、質問を投げかけます。たとえば「この商品を選ばない理由は?」「価格が1,000円上がったらどうする?」と聞くことで、インタビューで確かめるべき仮説を素早く洗い出せます。

最後は実際の顧客で確かめる

AIの答えは、既存のデータにもとづく推定です。価格や機能など重要な判断は、実際の顧客へのインタビューやアンケートで裏付けてから決めましょう。

ペルソナ設定時の注意点

ペルソナを設定するときは、以下のポイントに気をつける必要があります。

それぞれについて、詳しく解説します。

「自社の理想像」にしない

もっとも陥りやすい失敗は、ペルソナを、自分たちにとって都合がいい理想のユーザー像にしてしまうことです。

自社に都合のいいデータばかり反映させたり、企業の既存製品ありきのペルソナになっていたりすれば、現実の消費者ニーズと乖離してしまいます。

(イメージ)ペルソナを設定する際は、リアリティに注意する

ペルソナは、あくまで「企業の理想」ではなく、「顧客の現実」をベースに考えるという点を忘れないようにしましょう。

先入観や思い込みを入れない

「◯◯なら◯◯のはずだ」という思い込みは、視野を狭め、ニーズを見逃してしまう原因となります。

先入観や思い込みを避けるには、お客様の生の声や第三者による客観的なデータなどを活用するのがおすすめです。

作りっぱなしにせず、定期的に見直す

ペルソナは、一度作ればそれで終わりではなく、定期的な見直しが必要です。

時間が経てば、ユーザー像も少しずつ変わっていく可能性があります。定期的にペルソナの見直しを行い、社会の変化に対応しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. ペルソナ設定ではどのような項目を設定すればいいですか?

A. 基本は、年齢・性別・職業・年収・居住地・家族構成などの基本情報に加えて、趣味・価値観・ライフスタイル・悩み・購買行動(情報収集手段、比較ポイント、意思決定の理由)などを整理します。すべての項目を無理に埋める必要はありません。自社の商品・サービスの「購入(導入)判断に影響する情報」を優先して設定しましょう。BtoBの場合は、担当者の役職・ミッション・評価指標・導入障壁(稟議、セキュリティ、既存ツール)なども重要です。

Q. ペルソナはどのように情報収集して設定すればいいですか?

A. まずは既存顧客へのアンケートやインタビュー、営業・CSが持つヒアリング情報などの一次情報を集め、次にアクセス解析や購買データなどの定量データで裏付けるのがおすすめです。SNSや口コミ、競合サイトの情報は補助的に使い、思い込みにならないよう複数ソースで照合しましょう。なお、特定の声の大きいユーザーだけに引っ張られないよう、サンプルの偏りにも注意が必要です。

Q. ペルソナは1人に絞って設定したほうがいいですか?

A. 必ずしも1人に絞る必要はありません。ただし、最初から複数のペルソナを設定すると、誰に向けた施策なのかが曖昧になりやすく、訴求が分散する可能性があります。まずは最も優先度が高い代表的なユーザーを1人設定し、成果が出た・整理が進んだ段階で、用途や意思決定者が明確に異なる場合に限って追加するとよいでしょう。

Q. ペルソナ設定とカスタマージャーニーの違いは何ですか?

A. ペルソナ設定は「誰に向けて施策を行うのか」というユーザー像を明確にするものです。一方、カスタマージャーニーは、そのユーザーが商品・サービスを認知してから比較検討し、購入・利用に至るまでの行動や心理の変化を整理したものです。ペルソナを設定したうえでカスタマージャーニーを作成すると、必要な情報や接点、伝えるべき訴求が具体化しやすくなります。

Q. BtoBでもペルソナ設定は必要ですか?

A. はい、BtoBでもペルソナ設定は有効です。BtoBでは企業属性(業種、規模など)だけでなく、実際に検討・導入を進める担当者の役職、業務内容、抱えている課題、決裁までの流れ(稟議、関与者、比較基準)を具体化することで、コンテンツや提案内容の精度が上がります。とくに「利用者」と「決裁者」が異なるケースでは、両者を切り分けて整理することが重要です。

Q. ペルソナ設定はどのくらいの頻度で見直すべきですか?

A. 明確な頻度の正解はありませんが、顧客層や市場環境、商品・サービスに変化があったタイミングで見直すことが重要です。たとえば、主要な流入キーワードやCVRが変化した、新プラン追加や価格改定を行った、ターゲット業界の状況が変わった、などは見直しのサインになります。定期的(例:半年〜1年に一度)に、アクセスデータや顧客の声と照らし合わせてズレがないか棚卸しし、必要に応じて更新しましょう。

Q. ペルソナとターゲットの違いは何ですか?

A. ターゲットは「狙う層(例:30代女性、都内在住など)」を大まかに定める考え方です。一方、ペルソナは「その層の中の代表的な1人」を具体化し、課題・価値観・行動・意思決定の背景まで含めて描くものです。ターゲットだけだと施策の方向性がブレやすいため、重要な施策ほどペルソナまで落とし込むと、訴求やコンテンツ設計が具体的になります。

Q. 生成AIだけでペルソナを作ってもいいですか?

叩き台づくりや仮説出しには便利ですが、AIだけで完成させるのはおすすめしません。AIは学習した情報や与えたデータからもっともらしい人物像を作るため、自社の顧客にしかない特徴が抜け落ちやすくなります。少人数でも実際の顧客に話を聞き、AIの結果を確かめましょう。


まとめ

ペルソナ、つまり「実在するかのような架空のユーザー像」を設定すれば、マーケティングにおいて多くのメリットが得られます。 社内で共通認識が生まれるほか、顧客にとって魅力的な商品・サービスを提供できるようになります。

ペルソナができたら、次はその人物が商品を知ってから購入するまでの行動と気持ちの変化をカスタマージャーニーマップに整理すると、どの接点で何を届けるべきかが見えてきます。パンタグラフでも、サイトやサービスの制作では必ずペルソナを作るところから始めています。

ぜひこの記事でペルソナを理解し、マーケティングに活かしてみてください。

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