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【2023年版】IT・Webトレンドキーワード5選!意味や概要を解説

その他 2023.06.01

【2023年版】IT・Webトレンドキーワード5選!意味や概要を解説

2022年は、画像生成AIを筆頭にIT技術の進歩が大きな話題となりました。

ARやAIが牽引するデジタル変革の大きな流れは、2023年以降も続いていくと予想されます。

この記事では、2023年のIT・Webトレンドの核となるキーワードを5つご紹介します。

メタバース

メタバース

「メタバース」とは、オンライン上の仮想空間を指します。コロナ禍におけるオンライン交流への需要増加に加えて、2021年7月にMeta Platforms社(旧Facebook社)がメタバース企業を目指すと宣言し注目されるようになりました。

総務省の発表では、メタバースの世界市場規模は2021年の4兆2,640億円から2030年には78兆8,705億円と、飛躍的な成長が予想されています。

メタバースの活用事例

メタバースの活用事例には次のようなものがあります。

  • Fortnite:Epic Games社が提供する無料のバトルロイヤルオンラインゲーム。2017年にサービス開始、メタバーストレンドの起点となる。登録アカウント数は3.5億人超。(※)戦闘ゲームだけではなく、有名アーティストによるバーチャルライブ等のイベントが開催。
    (※)詳細はEpic Games社のサイトをご確認ください。
  • The Sandbox・Decentraland:後述するWeb3.0のブロックチェーンやNFT技術をベースとしたデジタルゲーム。ゲーム内の仮想空間では、ユーザー同士で土地(LAND)やアイテム等を売買可能。
  • Mesh for Microsoft Teams:Microsoft社の提供サービス。ビデオ会議参加やチャット等の生産性ツール「Teams」に、「Microsoft Mesh」のMR(複合現実)機能を融合。遠隔地のユーザーが共同作業可能なプラットフォーム。
  • Horizon Workrooms:Meta Platforms社の提供サービス。ユーザーは仮想空間で、身振りや手振り等によりアバターを操作でき、現実の会議に近いコミュニケーションが可能。
  • 東京大学メタバース工学部:仮想空間で工学系の専門教育を受講可能。年齢・性別・地域にとらわれず広く人材を育成するためにメタバースの概念を採用。

その他、仮想空間での集会や疑似体験、車や住宅等のシミュレーション、建築物のデジタルアーカイブなどが挙げられます。

メタバースのメリット

メタバースのメリットとして、家にいながら臨場感あふれるイベント等が実施でき、感染症対策にも有用な点が挙げられます。加えて、従来のオンライン会議ツールでは一方向のコミュニケーションになりがちですが、メタバースの3D空間では双方向のコミュニケーションが取りやすくなります。

メタバースは現在も発展途上にあり、今後さらなる技術の進歩が予想されるため、新たなサービスやユーザー体験、経済圏の創出が期待できるのが大きなメリットです。

メタバースのデメリット

仮想空間コンテンツの製作や維持開発にかかるコストの負担が大きことと、独自のセキュリティ対策が必要になることがデメリットとして挙げられます。さらに、メタバースの開発に必要な3Dモデリング等の技術や企画力がある人材は不足しており、人材獲得や育成にも時間を要します。

また、現行法はメタバースでのビジネスを想定していないため、法整備やガイドラインの策定が追いついていない点にも注意が必要です。

Web3.0

Web3.0

「Web3.0」とは、ブロックチェーンの技術を基盤とする分散型Webのことです。

1990年代半ばから2000年代前半にかけての、静的Webページが主流で情報発信が一方向だった「Web1.0」を経て、SNSの登場がきっかけで情報の受発信が双方向となったことで、「Web2.0」という概念が生まれました。誰もがWeb上でコミュニケーションをとることができるようになりましたが、プラットフォーマーに個人データの所有・管理や利益が独占されているという問題点も指摘されていました。「Web3.0」では、ブロックチェーン技術の活用によりプラットフォーマーなどの管理者が介入しないコミュニティが可能となり、データの権限は各ユーザーに分散されます。

Web 3.0の活用事例

Web3.0の活用事例には次のようなものがあります。

  • DApps(分散型アプリケーション):バックエンドが分散され、運営企業等の管理者が介入しないアプリケーション。具体例は後述するDefiやP2E等。
  • DeFi(分散型金融):金融機関等の管理者が介入しない金融サービス。例えば、DEX(暗号資産の分散型取引所)やレンディング(暗号資産の貸借サービス)などが挙げられます。
  • P2E(Play to Earn):ユーザーがゲームをプレイすると暗号資産等の報酬が得られるサービス。
  • NFT(非代替性トークン):代替が不可能なデジタルデータ資産。従来のデジタルコンテンツはコピーが簡単だが、NFTは偽造や改ざんが困難なブロックチェーン技術の利用により唯一性が証明される。例えばデジタルファッション(写真内で合わせられるデジタルの服)などが挙げられます。
  • トークンエコノミー:暗号資産等のトークン(代替通貨)による独自の経済圏。例えば、LINE社が独自に発行する暗号資産LINKを中心としたLINEトークンエコノミー構想などが挙げられます。
  • DAO(分散型自律組織):管理者が存在せず、スマートコントラクト(契約の自動的実行)により定められるルールに従って、ユーザーが緩くつながる自律型組織。メンバーはガバナンストークンを購入し、組織の運営方針等について投票。

Web 3.0のメリット

Web3.0のメリットとして、Web2.0まではプラットフォーマーに集中していた利益をユーザー個人が得られる点が挙げられます。また、管理者が介入せずユーザー同士が自由な交流や取引を行えることで、新たな市場や経済活動が生まれる可能性も高まります。ブロックチェーン技術の活用によりデータの改ざんが困難なため、セキュリティ性が高い点もメリットです。

Web 3.0のデメリット

Web3.0のデメリットとして、コミュニティの責任主体が不在となるため、トラブルや不利益が生じてもユーザーの自己責任となることが挙げられます。また、法律や著作権、税務会計等の国内制度の整備が追いついておらず、資金洗浄や詐欺等に利用される恐れがある点にも注意が必要です。

画像生成AI(AIイラスト)

画像生成AI(AIイラスト)

「画像生成AI」は、ユーザーがイメージしたイラストを表すキーワードを入力すると、そのキーワードに基づく画像がAIによってわずか数十秒で自動生成される仕組みです。

2022年7月公開の「Midjourney」が大きな話題となり、次いで8月にはMidJourneyよりさらに高性能な「Stable Diffusion」がオープンソース形式で無料公開されました。SNSには個人がAIで生成したイラスト投稿が溢れる中、ビジネスでの利用を模索する動きも活発化しています。

画像生成AIの活用事例

画像生成AIの活用事例には次のようなものがあります。

  • 個人〜商用レベルでの活用:イラスト用途をメインに、小説等の表紙や企画書への掲載及び、イラスト作成
  • 広告・マーケティング分野での活用:CTR(クリック率)を高めるバナー広告用画像の作成

画像生成AIのメリット

画像生成AIのメリットとして、作業時間の大幅な短縮、作業の効率化、イラスト作成への参入障壁が下がる点が挙げられます。1つのキーワードを基に人間では想像できない多くのアイデア創出も可能です。

画像生成AIのデメリット

画像生成AIのデメリットとして、2022年に生まれたばかりのツールのため、データの学習・生成等に関する権利問題の法律やガイドラインの整備が追いついていない点が挙げられます。現状でも、イラストレーターがSNSに投稿したラフや線画をもとに、他人がAIにイラストを完成させ本人よりも先に投稿する等のトラブルが発生した例もあります。

また、画像生成AIによるイラスト品質の平均的な底上げにより、将来的にはイラストレーターとAIの競争が激化し、イラストレーターの採用や収入の減少につながる恐れもあります。

現時点では、画像生成AIには漫画のキャラクター等の特定イラストの連続生成や、細部の一貫性がある描写等が苦手な傾向があるため、商用イラストへの活用にはさらなる技術の進歩が待たれる状態です。

LPWA

LPWA

「LPWA」(Low Power Wide Area:低消費電力広域ネットワーク)とは無線通信方式の一種で、低消費電力・低コストで広域・長距離の通信を可能とします。通信速度は数kbps〜数百kbpsと非常に遅いものの、ひとつの基地局で数kmとLTE並みの広範囲通信を実現可能です。

広域・長距離通信を可能とする無線通信方式には他にも3G/4G/LTEがありますが、高速通信を可能とする分、高消費電力・高コストとなります。IoTデバイスのような、低消費電力・低コストで1日に数回程度の低速通信を行いたい場合にLPWAは最適です。

LPWAの活用事例

LPWAの活用事例には次のようなものがあります。

  • スマート農業でのIoTデバイスの活用:ビニールハウス内でのCO2濃度計測・CO2添加、水田の水位データ測定・収集・異常の通知等
  • 災害対策でのIoTデバイスの活用:センサーを設置したマンホールによる下水道の浸水監視・降雨レーダーと連携したゲリラ豪雨等の把握、河川やため池の水位管理等
  • 僻地における簡易基地局としての活用:山奥の建設現場のモニタリング、農場の遠隔監視・制御等
  • その他IoTデバイスの活用:商品の流通追跡や盗難防止、高齢者の離床や子供の位置情報等の見守り、スクールバスの位置情報発信等の運行管理、電力ガスメーター等大量のIoTデバイスの監視等

LPWAのメリット

LPWAのメリットとして、低消費電力・低コスト、最大数kmもの広域・長距離通信が可能な点が挙げられます。かつ、電池やバッテリーの寿命が長く乾電池1個で1〜2年の通信ができ、使用法によっては数年〜数十年もの動作継続も可能です。

LPWAのデメリット

LPWAのデメリットとして、送信できるデータ量が少なく、データの伝送速度が数kbps〜数百kbpsと非常に遅い点が挙げられます。しかし、送信データ量の少なさがLPWAに低電力・広域通信と電池の長期間持続を可能としているため、デメリットとメリットは表裏一体とも言えます。

また、遮蔽物があると通信が安定しないため、LPWA通信には見通しのよい環境が必要とされ、木や建物等が立ち並ぶ地で安定した通信ができるかは検証中です。

HAPS

HAPS

「HAPS」(High Altitude Platform Station:高高度疑似衛星)とは、成層圏を飛行する、基地局機能を搭載した無人航空機などの機体を利用して、広域に通信サービスを提供する成層圏プラットフォームです。山奥や離島等の通信網がない地域でも、スマートフォンさえあればインターネットを利用できます。ソフトバンクやNTTが2027年からの商用化を目標に研究開発中です。

HAPSの活用事例

HAPSの活用事例には次のようなものがあります。

  • 災害対策:災害で地上の基地局が壊滅しても、スマートフォンのみで通信可能
  • 気候変動・火災監視対策:通常の衛星よりも低い高度を飛行するため、期待から高解像度でメタンガス排出や山火事等を監視可能

HAPSのメリット

HAPSのメリットとして、従来の通信衛星は通信に地上の基地局と専用端末が必要なのに比べて、スマートフォンさえあれば通信可能な点が挙げられます。また、通信衛星は地上から数千〜数万km離れた外気圏や宇宙空間を飛行しますが、HAPSは地上から20km程度の成層圏を飛行するため、通信の速度や品質が衛星通信に比べて高くなります。

HAPSのデメリット

HAPSのデメリットとして、成層圏では機体が風で揺れやすいため、地上の基地局と比べてサービスエリアの安定維持が難しい点です。また、機体真下の通信距離は約20kmのところ、カバー範囲の端では約60〜100kmと3〜5倍近く離れるため、同じ範囲内でも通話品質に差が生じる点もデメリットといえます。

まとめ

2023年のIT・Webトレンドの核となるキーワードを紹介しました。メタバースやWeb3.0、画像生成AI等に象徴されるように、IT技術の進歩は新しいサービスや経済圏を生み出します。一方、法律やガイドライン、税務会計等の整備が技術の進歩に追いついていないため、トラブルが生じるリスクを頭に留めておくことが必要です。

紹介したキーワードに関する情報を収集し理解を深めて、2023年以降のIT・Webトレンドに遅れを取らないよう、この記事をお役立て下さい。

この記事では、2023年に予想されるIT・Webトレンドをご紹介しました。

  • メタバース
  • Web3.0
  • 画像生成AI
  • LPWA
  • HAPS

 

これら5つの技術が、2023年に盛り上がるといえるでしょう。今後の動向に期待が集まります。

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