被リンクとは?SEOへの影響や品質について詳しく解説
SEO 2024.04.16
被リンクとは、自社サイトに向けて貼られた外部サイトからのリンクです。被リンクはSEO評価に関わるため、正しい知識と扱い方を知っておくことが大切です。
そこで、この記事では被リンクについての基礎知識から、被リンクがSEOに与える影響、良質な被リンクを獲得する方法などについて解説します。
目次
被リンクとは外部サイトに貼られた自社サイトのリンク
被リンクとは、外部サイトに貼られた自社サイトへのリンクのことです。被リンクはバックリンク、inbound links(インバウンドリンク)などとも呼ばれます。
被リンクは、自社サイトに貼る外部サイトへのリンクではなく、外部サイト(リンク元)から自社サイト(リンク先)に向けて貼られたリンクのみを指します。たとえば、自社サイトのWebページが引用され、参照元としてリンクが貼られた場合、そのリンクが被リンクとなります。
この被リンクの質によってSEOの評価が上がったり下がったりします。質の良い被リンクは自社サイトの信頼性や権威性に大きく関わるため、良質な被リンク獲得がSEO対策として重要です。
被リンクには種類がある
被リンクには良質な被リンクと、質の悪い被リンクの2種類があります。
良質な被リンクとは、SEO評価を向上させる被リンクのことです。詳細は後述しますが、自然に張られたリンクや信頼性の高いサイトからのリンクが良質な被リンクにあたります。
質の悪い被リンクとは、SEO評価を下げたりサイトの評価を落としたりする原因となる被リンクのことです。質の悪い被リンクについてはGoogleのガイドラインに明記されており、購入したリンクや低い品質のサイトからのリンクがこれにあたります。こちらについても詳細は後述します。
被リンクがSEO評価に与える影響
被リンクがSEO評価に与える影響は少なくありません。2024年3月現在、検索エンジンはコンテンツの良し悪しを完全には理解することができないからです。そのため、評価の高いWebサイトが引用(リンク)している記事(サイト)であるということが、この記事も上質であるはずだという検索エンジンからの評価につながります。
より具体的にいうと、良質な被リンクの獲得は、ドメインパワーの向上やクローラーの巡回の促進につながるというSEO効果があります。被リンクがドメインパワーとクローラーの巡回に与える影響について、以下で詳しく解説します。
SEOの基礎知識については、「SEOとは?わかりやすく解説!検索順位が上がる仕組みと対策法」をご覧ください。
ドメインパワーの向上
良質な被リンクを獲得すると、ドメインパワーが向上します。ドメインパワーとはWebサイトの信頼性を示す、SEO対策で重要な指標です。
良質な被リンクを多く獲得すると、獲得したページに加え、自社ウェブサイト自体の信頼性が上がります。そして、信頼性やGoogleの評価が上がることで、自社サイトのドメインパワーが向上します。検索エンジンは、評価が高いドメインのコンテンツであれば一定のクオリティが担保されるとみなすため、ドメインパワーが向上すると新規記事でも上位表示されやすくなります。つまり、良質な被リンクの獲得は、記事の上位表示につながります。
ドメインパワーについて詳しくは「ドメインパワーとは?ドメインパワーを無料で調べる方法や高めるための策を紹介!」をご覧ください。
クローラーの巡回の促進
良質な被リンクを獲得することは、クローラーの巡回の促進につながります。クローラーとは、検索エンジンが検索の順位を決めるための要素を収集しているロボット(bot)のことです。自社のページを検索結果に表示させるためには、クローラーに情報を取得してもらい、検索エンジンにインデックスされる必要があります。
クローラーは、既にデータベース化されているWebサイトからリンクをたどって自動的に移動(クローリング)しています。被リンクを多く獲得することで、外部サイトを通して自社のページが見つけやすくなり、クロールされやすくなります。
クローラーが巡回に来なかった場合、作成したサイトやページが検索エンジンに表示されることはありません。そのため、良質な被リンクを獲得し、クローラーに検索されやすいサイトを作ることは効果的なSEO対策であるといえます。
SEOに有効な良質な被リンク
SEOに有効な良質な被リンクは、主に以下の3つです。
- 自然発生したナチュラルリンク
- 自社サイトと関連性が高いサイトからの被リンク
- 権威性や信頼性の高いサイトからの被リンク
それぞれについて、詳しく解説します。
自然発生したナチュラルリンク
外部サイトから自然に貼られた被リンクのことをナチュラルリンクといいます。ユーザーにとって有益な情報を掲載しているページは、自然と外部サイトからリンクされることが増えます。
このようなリンクは検索順位を上げるために故意に貼られるのではなく、ユーザーにとって有益であるという必然性によって貼られます。そのため、ナチュラルリンクの多いサイトは、検索エンジンから良質なサイトであると判断されるのです。
自社サイトと関連性が高いサイトからの被リンク
自社サイトと関連性の高いサイトや記事からの被リンクもSEOに有効です。関連性の高いサイトから自社サイトへのリンクが貼られるということは、自社サイトがより専門性の高いサイトだと評価できることを意味するからです。
そのため、関連性が高いサイトが設置した被リンクの評価は、通常の被リンクと比べてGoogleの評価が高いといわれています。
権威性や信頼性の高いサイトからの被リンク
権威性や信頼性の高いサイトからの被リンクはSEOに良い影響があります。公的機関などの権威性や信頼性の高いサイトは、Googleからも高く評価されています。そのような権威性や信頼性の高いサイトからリンクを貼られているということは、そのサイトが自社サイトについて「リンクを貼る価値があるサイトである」と判断していることになります。
SEO対策をするうえで大切なのは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の「E-E-A-T」を備えたコンテンツを作ることだといわれます。権威性や信頼性の高いサイトからの被リンクを得ることは、自社サイトのAuthoritativeness(権威性)やTrustworthiness(信頼性)を高めます。そのため、検索エンジンからも良い評価を受けることができるのです。
コンテンツの品質を評価する基準である「E-E-A-T」については「E-E-A-Tとは?意味を理解したうえでSEOで検索上位に載る記事を書こう!」をご覧ください。
良質な被リンクを獲得する方法
良質な被リンクを獲得する方法は、主に以下の3つです。
- コンテンツの品質を高める
- 専門性を高める
- ユーザーのニーズを把握する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コンテンツの品質を高める
コンテンツの品質を高めることは、良質な被リンクを集めるうえでとても大切です。クオリティの高い高品質なコンテンツであればあるほど、自然にリンクされる可能性が上がるからです。また、ユーザーが満足できるような高品質なコンテンツであること自体、Googleが最も評価する基準の一つになっています。検索順位も上がりやすいため、さらに被リンクを集めやすくなります。
クオリティの高いコンテンツとは、情報が確かであること、分かりやすいこと、独自性があることなどが兼ね揃えられたコンテンツです。ただし、品質を上げようとして一つの記事にとにかく内容を詰め込むのではなく、狙っているキーワードや記事のテーマに沿った適切な内容にするのが大切です。
テーマに沿った記事の量を増やし、サイト全体として網羅性や専門性を高めることが、良質な被リンクの獲得につながります。
特に、Googleが評価基準を厳しく設けているYMYL領域(人々の健康や経済などに重大な影響を及ぼすジャンル)に該当するコンテンツにおいては、発信ジャンルを絞り、専門性・網羅性を高めることが大切です。
YMYLについて詳しくは「YMYLとは?該当ジャンルや効果的なSEO対策方法を解説」で解説しています。
専門性を高める
専門性を高めることで、良質な被リンクを集めやすくなります。高い専門性がGoogleやユーザーからの高い信頼につながるからです。大量の情報が溢れるインターネット上で信頼性の高い情報として自社コンテンツが選ばれるには、他に負けない強力な専門性を備える必要があります。
たとえば、成功事例や実績、実地調査の結果など、他サイトにはない自社サイト独自の価値ある情報を用いたコンテンツを作ることが専門性の強化につながります。
ユーザーのニーズを把握する
良質な被リンクを獲得するために、ユーザーのニーズを把握することは欠かせません。ユーザーが求めているものを正しく把握し、それを満たすコンテンツを作成することで、ユーザーの満足度を上げることができます。逆にいえば、ユーザーを満足させられないコンテンツは質が高いとはいえず、被リンクを獲得することもできません。
ユーザー満足度の高いコンテンツを作成するには、狙うキーワードについてしっかりと事前調査する必要があります。関連キーワードからユーザーの検索意図を推測したり、SNSを調査してユーザーの悩みを把握したりすることで、ユーザーのニーズを満たすためにどのようなコンテンツを作成するとよいかが明確になります。
被リンクを確認する方法
被リンクを確認する方法は、主に以下の2通りです。
- Google Search Consoleで確認
- サードパーティツールに登録して確認
それぞれについて詳しく解説します。
Google Search Consoleで確認
Google Search Consoleで被リンクを確認するのが、最も基本的な方法です。サーチコンソールは無料で利用できるGoogleのサービスです。
Googleサーチコンソールの初期設定や使い方などについては「Googleサーチコンソールの使い方・設定を初心者に分かりやすく解説!」で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
Google Search Consoleで被リンクを確認する手順は以下の通りです。
手順
1.Googleサーチコンソールの左側のメニューで[リンク]をクリック
2.「上位のリンク元サイト」の[詳細]をクリック
これで、被リンクの一覧が表示されます。各ドメインをクリックすると、どのページに被リンクしているかを確認することもできます。
サードパーティツールに登録して確認
サーチコンソール以外のサードパーティーツールに登録して被リンクを確認する方法もあります。被リンクを確認できるツールには以下のようなものがあります。
- Ahrefs(エイチレフス)
- Majestic(マジェスティック)
- MOZ(モズ)
- Ubersuggest(ウーバーサジェスト)
- ハナサキガニ
各ツールを紹介しつつ、被リンクの確認方法を簡単に説明します。
Ahrefs(エイチレフス)
Ahrefsは、全世界で約60万人が導入している有料SEO分析ツールです。被リンクや取得キーワード、SNSでのシェア数などを調べることができます。競合サイトの被リンクチェックや、被リンクに増減があった際のアラート機能なども備えています。
Ahrefsにログインし、検索バーに調査したいドメインのURLを入力することで、被リンクを調べることができます。
Majestic(マジェスティック)
Majesticは、イギリスのMajestic社が提供する有料の被リンクチェックツールです。自社サイトや競合サイトの被リンクチェックに加え、相互リンクの分析も行うことができます。最新データである「フレッシュインデックス」と過去のデータである「ヒストリックインデックス」という2種類のデータを利用して、長期間にわたる被リンクの推移を分析できるのが特徴です。
Majesticにログインし、上部の検索窓にURLを入力すると、サマリーに被リンク数やドメイン数が表示されます。
MOZ(モズ)
MOZは、世界的に有名なSEO会社のMOZが提供する40兆のリンクを持つ世界最高レベルの有料の被リンクチェックツールです。被リンク状況の推移や、リンク元のスパムスコアを独自に蓄積しています。被リンクがスパムかどうかをチェックできる機能があるため、検索エンジンからのペナルティ回避に活用できます。
MOZにログインし、メニューから「Free SEO Tools」⇒「Link Explorer」を選んでURLを入力後、「analyze」をクリックすると全体の被リンクの概要が確認できます。
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)
Ubersuggestは、アメリカ出身のデジタルマーケターであるニール・パテル氏が開発・提供している有料のSEOツールです。被リンク数以外にも、FacebookやSNSでのシェア数などWEB上で第三者から引用されている数がわかるため、サイトの権威性を把握するのに役立ちます。また、Webサイトが獲得した被リンクだけでなく、消滅した被リンクをチェックすることも可能です。
Ubersuggestにログインし、左メニューの「被リンク」を選んでURLを入力後、「SUBMIT」をクリックすると被リンクを確認することができます。
ハナサキガニ
ハナサキガニは、株式会社ディーボが開発・提供している無料の被リンクチェックツールです。アカウント登録なしで利用できるため、手軽に被リンクチェックを行えるのが特徴です。被リンクを調べたいWebサイトのURLを入力するだけで被リンクの数などがわかります。競合サイトの被リンクチェックも可能です。
ハナサキガニを開き、URLを入力して「チェックする」をクリックすると、画面下に被リンクについての情報が表示されます。
質の悪い被リンクのリスクと対策
質の悪い被リンクのリスクと対策について解説します。基本的にリスクはありませんが、悪質な被リンクについてはリンクを否認することが可能です。
リスク:基本的には無い
質の悪い被リンクがあっても、基本的にリスクはありません。Googleの検索エンジンは悪質なスパムリンクを無視するようになっているため、SEOへの影響は低いと考えられるからです。そのため、質の悪い被リンクに気付いたとしても、原則として無視してかまいません。
ただし、注意点としてリンクの購入など、Googleのポリシーに違反するような行為を自ら行った場合は、その限りではありません。あまりにも質が悪い、不自然な被リンクはペナルティの対象となり、Googleからの評価が下がる可能性があります。そのためGoogleのポリシーに違反する被リンクには対応する必要があります。
対策:リンクの否認
質の悪い被リンクへの対策として、Google Search Consoleでリンクを否認するという方法があります。リンクを否認する手順は以下の通りです。
Google Search Consoleでリンクを否認する手順
- 否認する被リンクをテキストファイルにまとめてリストにする
- 「リンク否認ツール」へアクセスする
- リンクを否認したいプロパティを選択する
- 作成したテキストファイルを「リンク否認ツール」にアップロードして完了
なお、否認するリンクリストのファイル形式は以下の通りです。
否認リストのファイル形式
否認する URL またはドメインを 1行につき 1つ指定してください。サブパス(example.com/en/ など)全体を否認することはできません。
ドメイン(またはサブドメイン)を無効にするには、「domain:」というプレフィックスを付けます。
例: domain:example.com
ファイルは UTF-8 または 7-bit ASCII でエンコードされたテキスト ファイルにする必要があります。
ファイル名の末尾は .txt にする必要があります。
URL の最大長は 2,048 文字です。
最大ファイルサイズは 100,000 行(空白行とコメント行を含む)および 2 MB です。
行の先頭に # を付けることでコメントを追加できます。# で始まる行は無視されます。
「Search Consoleヘルプ‐サイトへのリンクを否認する」より引用
この方法によって質の悪い被リンクを否認することができますが、間違えて質の良い被リンクまで否認してしまう可能性もあります。検索エンジンは基本的に悪質な被リンクを無視するため、検索順位に悪影響が出ていることが明らかであるという場合にのみ使用しましょう。
コンテンツの品質を上げて良質な被リンクを獲得しよう
被リンクについての基礎知識から、被リンクがSEOに与える影響、良質な被リンクを獲得する方法などについて解説してきました。被リンクは、SEOにおいて重要な要素の1つです。時間はかかりますが、質の高いコンテンツを作成し、質の良い被リンクを獲得しましょう。
パンタグラフでは、高品質なコンテンツ作成やサイト作りのサポートをしています。良質な被リンク獲得につながるコンテンツ作成や効果的なSEO対策を行いたいと考えているオウンドメディア運営のご担当者さまは、ぜひお気軽にお問合せください。
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