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「要件定義」とは?きちんとやるべき理由と細かい工程、注意点を解説

制作/開発 2023.07.20

「要件定義」とは?きちんとやるべき理由と細かい工程、注意点を解説

要件定義とは、プロダクトの本格的な開発工程に入る前の段階で、ユーザー(クライアント)の求めに沿った実装機能や性能などを設計し、完成に向けた業務の流れを組み立てることです。

ユーザーを満足させるために重要な枠組みで、ユーザーの要求の意味とプロダクトが使われる過程を一つ一つ理解することが重要です。本記事では、そのためにやらなければならないことを細かく解説します。

要件定義とは?意味と位置づけ

要件定義はWebサイトの制作・リニューアルなどの際に用いられます。ユーザー(クライアント)が求めていることをまとめた要求定義を把握した後、プロダクトに実装するべき仕様などをデベロッパーの視点で整理したのが要件定義です。

要件定義を策定する上で必要なのは、要求定義を満たせるかどうかの判断です。各要件がWebサイトなどの制作過程のどの段階に該当するのかも明確にしなければなりません。

要件定義の範囲とは?

ひと言で要件定義と言っても、その内容はさまざまです。最終的な成果物をユーザー(クライアント)の求める形にするためには、プロダクトの概要や導入目的、要求定義をしっかりと認識し、理解することが重要になります。

それらの認識が不十分で、要件定義を曖昧にしたまま開発を進めると、工程の終盤になって大規模な修正を余儀なくされる事態になりかねません。作業の手戻りが増えればコストと時間が無駄になり、納期に間に合わなくなってしまう恐れもあります。

要件定義境界線

どこからどこまでが要件定義?

要件定義の範囲は、要求定義で得た枠組みを使ってプロダクト開発に至るまでの要件を作るところまでです。具体的には、ユーザー(クライアント)が実装してほしい機能をヒアリングし、どうすればシステムで実現できるかを検討します。

また、ユーザーの課題や目標の解決・実現に必要なシステムの構成、システムの具体的な機能、Webサイトの画面イメージなどを共有し、システム以外のセキュリティや保守・運用のスキームも可視化しなければなりません。

システム上で実現不可能なことが出てきた場合は代替案なども提案しながら、実際に搭載する機能の開発スケジュールを立てていきます。

ピース

要求定義を満たす要件定義とは?

要件定義は要求定義に基づいて作成しますが、技術面や予算、納期の制約がある以上、必ずしも全部のリクエストを満たせるわけではありません。

安易に受注してしまうと開発段階で苦労することになりかねないため、要件定義は技術者の都合を考慮する必要があります。

要件定義はさまざまな要求事項の集合を作り、それらが一番重なり合う部分の解決・実現に力を入れるようにすることがポイントです。

 

要件定義を行う流れ

Webサイト制作の要件定義を行う際は、誰にどんなコンテンツを見せ、どうしてもらうサイトにするのかなどを考えるのが効果的です。

ヒアリングでは「どうしてその問題が起こるのか?」「なぜ、そのようにしたいのか?」といった疑問点を丁寧に掘り下げて文章化し、ユーザー(クライアント)の需要を細かくまとめていく必要があります。

目に見える形で要求を整理すれば、開発側ともイメージを共有しやすくなり、プロダクト品質を向上させる近道にもなるはずです。

ここからは要件定義を行う流れを以下に沿って説明します。

  • ユーザーニーズの選定
  • 必須要件と理想要件の洗い出し
  • 要件定義書の作成

ユーザーニーズの選定

開発側がユーザーニーズを選定する上で欠かせないのは、抱えている問題意識を正しく理解することです。

開発側はデザイン性や機能性などに目を向けがちですが、要件定義の際はユーザーが感じている不便さを洗い出し、いかに改善できるかを考えなければなりません。

優れたプロダクトを生み出そうとするなら「良いものを作ろう」と考えるより、ユーザーの需要を満たすことに注力する方が効率的です。

ニーズとウォンツ

必須要件と理想要件の洗い出し

ユーザー目線の制作物を作るために必要なのは、開発側で実現できる要求定義と要件の優先順位を明確にすることです。ユーザーが絶対に実現したい機能などの必須要件と、できれば実現したい理想要件を分ければ、本当に欠かせない要件が見えてきます。

必要なニーズを絞り込むことで開発工程に使える時間も増え、より良い成果物を生み出しやすくなるでしょう。

要件定義書の作成

ユーザーと開発側の間で合意した要件定義の内容を共有し、成果物について認識の齟齬を防ぐために開発者側が作成するのが要件定義書です

要件定義書には「何について作るのか?」という業務要件、「求められているものは何か?」を表すシステム要件、「どこを目指してつくるか」を示す機能要件に加え、ユーザビリティや拡張性、性能など機能以外に満たすべき取り組みである非機能要件も記載します。

要件定義書には、開発したシステムが導入された後、どんな形で業務に関係するのかというフローのほか、ウイルス感染や情報漏洩を防ぐためのセキュリティ要件も記載するのが一般的です。

 

要件定義をする際の注意点

要件定義をする際は既存のWebサイトや現行システムの仕様を事前に調査した上で、ユーザー(クライアント)が新たに実現したい機能を確認しなければなりません。

また、ユーザーから「このような機能がほしい」という要求定義が上がったとしても、それが最適な課題解決の方法ではないこともあり得ます。

そのため、要件定義ではユーザーの要求を聞き入れるだけでなく、専門家としての提案も交えながら双方合意の上でシステム開発を進められる環境づくりが必要です。

役割分担を決める

要件定義の策定を円滑化するには、ユーザー側と開発側の役割分担を明確にしておく必要があります。

現行業務の洗い出しや課題などの整理、将来ビジョンの設定などはユーザーが実施しなければなりません。それらの役割をユーザーが認識していなかったり、開発側が引き受けたりしてしまうと要求定義の中身が希薄になり、要件定義の策定にも支障をきたしてしまいます。

また、開発チームにおけるメンバーの役割分担も、それぞれのスキルに応じて調整しておくべきです。もちろん、納期や予算に合わせた適切な人数の配置も欠かせません。

スケジュールやロードマップを共有

プロジェクトを適切に管理するためには、開発チーム内だけでなく、ユーザー側とも全ての工程のスケジュールやロードマップを共有しておく必要があります。そうすることで開発工程の遅れや漏れを防ぎ、万一トラブルが発生した際もすぐに対処しやすくなります。

実装後のテスト、さらにはリリース後の修正などを想定したスケジュールやロードマップも共有し、万一システムエラーなどが発生した際の対応策も決めておくと安心です。

ただし、プロジェクトの基盤を成す要件定義について発注側と受注側の認識がずれたままだと、途中経過のスケジュールやロードマップをいくら共有しても意味がありません。

「こんなはずではなかった」というトラブルを防ぐためにも、要件定義書に対する認識は事前に十分すり合わせておくことが大切です。

注意点

 

外すべき要件定義は?心理学的な注意点

企業が求めるシステムが高度化・複雑化する中、最初から完璧なプロダクトを作り上げるのは容易なことではありません。要件定義で「良いものを作る」というシステムの機能的な方針は決まっていても、ユーザーにとっては根本的な不便解消につながらないこともあります。

要件定義の策定時はロード時間の処理など、日常的な使いやすさを追求したシステム開発を意識してください。

なお、心理学的には、あえて1%の不便さを許容したプロダクトのユーザーには、それを自分で解決したくなる心理が働くという考え方があります。そこで愛着が湧き、ユーザーとして残ってもらいやすくなる場合もあることを覚えておきましょう。

 

要件定義 まとめ

プロダクト開発の成否は、最上流の工程である要件定義の正確さに懸かっていると言っても過言ではありません。

まずは要求定義をきちんと理解した上で、実現可能なシステムを設計する必要があります。それらを落とし込んだ要件定義書をユーザーと共有し、所定のスケジュールに則ったロードマップを着実に進めてプロジェクトを成功に導きましょう。

パンタグラフでは市場調査から要件定義、制作・開発に至るまで、様々な工程でWebサイトやアプリの制作をサポートしています。まずはお気軽にご相談(無料)ください。

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