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マーケティングファネルとは?意味や種類、活用されるシーンを解説
マーケティング 2025.03.25

会議でマーケティングファネルと聞くけれど、意味がよくわからないと悩んでいませんか?マーケティングファネルは、消費者の商品・サービスの購買決定プロセスを図式化したものを指し、マーケティングのプロセスや方法を見直す際に役立てられます。
本記事では、マーケティングファネルの意味や種類について詳しく解説します。
目次
マーケティングファネルとは?
マーケティングファネルとは、1920年代にアメリカのサミュエル・ローランド・ホール氏が提唱した「AIDMA(アイドマ)」を発展させ、消費者の商品・サービスの購買決定プロセスを図式化したものです。AIDMAとは、消費者が商品を認知し、購入に至るまでの購買決定プロセスをいいます。
購買決定プロセスは、「認知→興味・関心→比較・検討→購入」と進むほど人数が少なくなり、購入に至る人は極僅かです。この段階を図式化すると、漏斗(英訳:ファネル)のようになることから、マーケティングファネルと呼ばれるようになりました。また、省略して、単に「ファネル」と呼ばれることもあります。
マーケティングファネルを活用すると、消費者がどのフェーズで離脱しているのかを特定できるようになり、マーケティングの改善ができます。
チャネルとの違い
チャネルとは、集客をするための媒体や経路のことを指し、マーケティングにおいては、集客を行う媒体や流入経路のことです。
チャネルは、大きく分けてSNSやWeb広告などの「流通チャネル」、実店舗やECサイトなどの「販売チャネル」、コールセンターやメルマガなどの「コミュニケーションチャネル」の3種類です。
媒体、経路別の集客力(流入数やCV数)を調べると、効果的な集客施策がどれなのか判断できるようになります。マーケティングファネルで、どのフェーズで離脱しているかを特定した後に、タッチポイント(顧客接点)を最適化するために効果的なチャネルを検討しましょう。
カスタマージャーニーとの違い
カスタマージャーニーは、消費者が商品を認知して購入に至るまでの道のりのことで、これを可視化したものをカスタマージャーニーマップといいます。
カスタマージャーニーマップには、購買決定プロセスの各フェーズにおける「行動」「思考(感情)」「タッチポイント(顧客接点)」をまとめます。カスタマージャーニーマップを作成することで、以下を理解できます。
- 消費者はどのような悩みを抱えているのか?
- 消費者はどのようなチャネルを利用して情報収集するのか?
- 消費者はどのような行動取るのか?
マーケティングファネルにより、どのフェーズで離脱しているかを特定した後に、その原因を探るためにカスタマージャーニーを活用します。
カスタマージャーニーマップのメリットや作り方については、「カスタマージャーニーマップはなぜ重要なのか?メリットや作り方の注意点を解説」の記事もご覧ください。
ファネルは3種類に分けられる
ファネルは、「パーチェスファネル」「インフルエンスファネル」「ダブルファネル」の3種類に分けられます。ここからは、それぞれのファネルの役割について詳しく解説します。
パーチェスファネル:心理状態を表す
パーチェスファネルは、先述した「AIDMA(アイドマ)」を発展させたものです。パーチェスファネルでは、「認知→興味・関心→比較・検討→購入」のどのフェーズで離脱が起きているかを特定できます。
例えば、3,000人が興味・関心を示したにも関わらず200人しか比較・検討しなかった場合、検討材料(情報・レビュー・比較コンテンツ)が提供されていないことで離脱している可能性が考えられます。このように、パーチェスファネルは、どのフェーズで離脱が起きているかを特定し改善するために活用します。
インフルエンスファネル:他の顧客へ与える影響を表す
インフルエンスファネルは、顧客が商品(またはサービス)を購入した後の「リピート購入→紹介→情報発信」という行動プロセスを図式化したものをいいます。SNS普及により、以前より消費者が商品の口コミ・評判を発信できるようになりました。
マイボイス株式会社の独自調査では、「商品・サービスなどを購入・利用する時に、ネット上の口コミ情報を参考にする人は約55%」と記載されています。
引用:マイボイスコム株式会社【ネット上の口コミ情報に関する調査】
調査結果から分かるとおり、ビジネスにおいて消費者の口コミ・評判が強い影響力を持つようになり、インフルエンスファネルに注目が集まりました。
ダブルファネル:一連の行動を表す
ダブルファネルは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたもので、商品を認知してから購入、その後の一連の行動を表します。見込み顧客の育成から既存顧客の関係維持を一括りにして、どのフェーズに課題があるかを特定して改善することで収益拡大を目指します。
ファネル分析とは?
ファネル分析とは、各フェーズの行動を分析してボトルネック(停滞場所)を発見するために行うものです。ボトルネックが発見できるため、ズレのないアクションプランを立てられるようになります。ここでは、ECサイトの事例をご紹介します。
- ECサイトの事例
認知(サイトを訪れた人数) |
100,000人 |
興味・関心(商品ページを閲覧した人数) |
30,000人(上記の30%) |
比較・検討(カートに商品を追加した人数) |
3,000人(上記の10%) |
購入(購入した人数) |
100人(上記の3%) |
データを見ると比較・検討から購入がボトルネックとなっていることがわかります。送料無料の導入や期間限定割引クーポンの配布などを行えば改善していけるでしょう。ファネル分析を継続的に行うことで、改善施策で効果が得られたのかを評価していけば、売上アップが見込めるようになります。
営業活動にも効果的
ファネル分析は営業活動にも役立てられます。ボトルネックを発見できるため、営業組織や営業プロセスを改善する際におすすめです。ここでは、営業組織の改善事例をご紹介します。
- 営業組織の改善事例
認知 (Awareness) |
見込み顧客の数 |
500人 |
興味・関心 (Interest) |
営業担当者が接触できた人数 |
50人(上記の10%) |
比較・検討 (Consideration) |
商談化した人数 |
10人(上記の20%) |
購入 (Purchase) |
契約が成立した件 |
5人(上記の50%) |
見込み顧客の数から営業担当者が接触できた人数がボトルネックとなっているため、アプローチ方法を見直せます。パーソナライズ化したアプローチができるようにスキルを磨くと良いでしょう。このように、営業組織の改善にもファネル分析は役立ちます。
ファネル分析で出た結果の活用例
ファネル分析は、ビジネスのあらゆる場面で活用できます。
フェーズ別の施策改善
ファネル分析で得たデータを活用することで、どのフェーズがボトルネックになっているかを特定・改善できるようになります。
例えば、商品やサービスが認知されているにも関わらず、興味・関心を持たれていない場合は、広告のクリエイティブの改善が必要です。このように、どのフェーズに問題があるのか特定する際にファネル分析を活用します。
より具体的なターゲティング
ファネル分析で、ターゲティング精度を向上できます。
例えば、比較検討から購入に至る顧客を精査して、特定の業界で契約率が高いことを発見できれば、その業界の企業をターゲットにしてキャンペーンを実施することでコンバージョン率を上げられます。特定の業界でセグメント化してアプローチを図ることで、成果を得やすくなるでしょう。
ワークフローの構築
ファネル分析をして改善していけば、最適なワークフローを構築できるようになります。
例えば、認知のフェーズでボトルネックが発生している場合は、チャネルを増やすなどの取り組みが必要です。フェーズのボトルネックを洗い出し、マーケティングをブラッシュアップしていけば、マーケティング活動の適切な流れを作れるようになります。そして、システムを導入して業務効率化を図ることも可能となります。
ファネル分析のやり方
ここからは、ファネル分析のやり方を具体的に解説します。
使うファネルを選ぶ
ファネル分析を行う際は、目的に合ったファネルを選ぶことが大切です。「パーチェスファネル」「インフルエンスファネル」「ダブルファネル」を次のように使い分けましょう。
ファネル |
目的 |
パーチェスファネル |
|
インフルエンスファネル |
|
ダブルファネル |
|
顧客行動の分類を行う
次に、顧客がどのフェーズにいるかを分類して、どこで離脱しているかを発見します。離脱率の計算式は以下のとおりです。
離脱率の計算方法
|
営業組織の改善事例をみてみましょう。
- 営業組織の改善事例
認知 (Awareness) |
見込み顧客の数 |
500人 |
興味・関心 (Interest) |
営業担当者が接触できた人数 |
50人 |
比較・検討 (Consideration) |
商談化した人数 |
10人 |
購入 (Purchase) |
契約が成立した件 |
5人 |
認知から興味・関心の離脱率を計算してみます。
コンバージョン率=(50÷500)×100=10 離脱率=100-10=90% |
このような計算をして、購買行動のどこフェーズにボトルネックがあるかを特定します。
PDCAを回して改善を続ける
ボトルネックを発見できたら、原因を特定して、改善施策を打ち、PDCAサイクルを回して成果に繋げていきます。
Plan (計画) |
離脱率の高い部分の仮説を立てる |
Do (実行) |
問題の原因を特定して改善策を打つ |
Check(評価) |
改善策を打った後の数値を測定する |
Action(改善) |
成果が出ない場合は改善する |
ファネル分析を行う際におすすめのツール
ファネル分析では、顧客がどのフェーズにいるかを分類してどこで離脱しているかを発見し、改善していくものです。
CRMシステム
CRMシステム(顧客管理システム)は、顧客情報を管理・分析できるシステムです。
上位何%の顧客が、全体の何%の売上を占めているかを把握するための「デシル分析」、1人の顧客が取引開始から終了するまでにもたらす利益を把握するための「LTV分析」などを行えます。
商品を購入してから1か月後など適切なタイミングでフォローアップすれば、リピート購入してもらえるでしょう。また、顧客情報を見てパーソナライズ化した対応を行えば、新規顧客の紹介や口コミの拡散など期待できるようになります。
営業支援システム
営業支援システムは、営業活動情報を管理・分析できるシステムです。主な機能として、顧客管理機能、案件管理機能、行動管理機能が搭載されています。
「リード数」「商談数」「契約数」をダッシュボードで確認できるため、どこがボトルネックとなっているのかを特定できます。また、成績が良い営業担当者と成績が悪い営業担当者の行動の違いも把握できるため、アクションプランも立てやすいです。営業組織を改善したい場合は営業支援システムを導入しましょう。
マーケティングオートメーションツール
マーケティングオートメーションツールとは、マーケティング施策を管理・効率化するためのツールです。見込み顧客に対して最適な情報を、適切なタイミングで届けることができます。また、分析も得意としており、メールの閲覧回数、Webサイトの閲覧回数などを分析することも可能です。
CRMシステムや営業支援システムと連携すれば、フェーズ別に最適な情報を適切なタイミングで届けることができます。フェーズ別にパーソナライズ化したアプローチをしたい場合は、マーケティングオートメーションツールを導入しましょう。
マーケティングファネルを理解しビジネスを推進!
マーケティングファネルとは、消費者の購買決定プロセスを図式化したものをいいます。マーケティングファネルを活用すると、どのフェーズで離脱されているのかを特定できるようになり、マーケティングや営業活動を改善できるようになります。
この記事では、ファネル分析のやり方をご紹介しました。そのため、マーケティングや営業を強化する際にマーケティングファネルを活用してみてください。
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