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KPIとは?設定する目的・メリット・手順・設定例を解説!
マーケティング 2025.10.01

KPI(Key Performance Indicator)は、最終目標の達成に必要な中間目標を指します。しかし、「何をKPIに設定すればいいの?」「KPIを設定する意味はあるの?」などの疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、KPIを設定するメリットや手順を整理し、実際に活用できるKPI目標設定の例を紹介します。さらに、KPIを効果的に運用するコツも解説するので、自社や自身の目標管理に役立ててください。
目次
KPIとは?【重要業績評価指標(中間目標)】
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれます。KPIは、最終目標を達成するために必要な中間目標を表したもので、組織や部門ごとの進捗や成果を定量的に測定するための重要な指標です。
例えば、「売上高10億円を達成する」最終目標がある場合、達成に必要な「新規顧客獲得数を月50件にする」「リピート購入率を30%に引き上げる」などの数値がKPIに該当します。KPIを設定することで、最終的なゴールに対しての進捗状況を明確に把握できます。
また、KPIと混同されやすい指標に「KGI」「KFS」があります。それぞれの意味は以下の通りです。
KGI (Key Goal Indicator) |
・重要目標達成指標 ・「最終的なゴール」そのものを示す指標 |
KFS (Key Factor for Success) |
・重要成功要因。 ・ゴールを達成するために欠かせない要素や行動 |
このように、KPIはKGIやKFSとあわせて理解することで、より実効性の高い目標設定ができます。
KPIを設定する目的・メリット
KPIマネジメントは、最終目標達成までの過程を数値化する仕組みです。KPIを適切に設定することで、以下のメリットがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
精度の高い計画づくりができる
売上を「年間10億円」といった大きな目標を設定しても、それを具体的な計画に落とし込むのは難しいです。そこでKPIマネジメントの考え方を取り入れることで、目標を達成するために必要な要素を細分化できます。
例えば、「新規契約数」「契約単価」「新規商談数」「受注率」という具体的な指標に分けることで、どこに注力すべきかが明確になり、実行可能性の高い計画を立てることができます。
生産性が向上する
KPIを設定すると、定期的に状況を把握でき、改善すべき部分を特定しやすくなります。KPIは中間目標であるため、必要に応じて軌道修正が可能です。そのため、柔軟なマネジメントが実現できます。
また、目標達成までの過程を可視化すると、「新規売上に注力するのか」「既存顧客の売上を伸ばすのか」といった優先順位を明確にできるメリットもあります。これにより、組織全体の生産性を高めることができます。
公平な人事評価が可能に
KPIを基に個人目標を設定し、その達成度を評価基準とすることで、組織全体で統一された客観的な評価ができます。
さらにKPIは、「過程」における要素も明確化できるので、成果の大小に関わらず努力や改善のプロセスを評価可能です。これにより、公平性の高い人事評価ができます。
KPIの設定方法
KPIは、KGIを中心に以下の手順で設定していきます。
それぞれのステップを解説します。
なお、KPIとKGIについては以下の記事で詳しく解説しています。
「▶KPI・KGIとは?目標を明確にするメリット・人材育成に役立つ運用法を解説」
1.KGIを設定する
KPIを設定する前はKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)を設定し、「ゴールを明確化」する必要があります。ゴールを明確化することで、「最終目標を達成するには何が必要か」を考えることができ、中間目標のアイデアが浮かびやすくなります。
KGIを設定するときは、「いつまでに」「どの程度」というように、期間と定量的な数値を決めることがポイントです。
2.KGIを細分化しKSFを抽出する
次に、設定したKGIを達成するために必要な業務プロセスを洗い出し、その中から特に重要な要素をKSF(Key Success Factor:重要成功要因)として抽出します。
KSFは目標達成に直結する要因であり、企業や部門の特性によって異なります。
3.KSFを数値化しKPIに落とし込む
最後に、抽出したKSFを具体的な数値に変換し、KPIとして設定します。「いつまでに、どの程度まで到達するか」を明確にし、達成度を測定可能にすることが重要です。
KPIは最終目標から逆算して設定することで、現実的かつ達成可能な数値になります。
このように「KGI」→「KSF」→「KPI」と段階的に落とし込むことで、最終目標達成に直結する実効性の高いKPIを設定できます。
「顧客満足度アンケートの平均点を半年で4.0から4.5に向上させる」
「リピート購入率を3か月で20%から25%に引き上げる」
KPIの設定例
KPIは、設定する分野や目的により内容が大きく異なります。売上や利益だけでなく、顧客関係や業務効率、さらには組織の成長度合いまで幅広く指標化できる点が特徴です。ここでは分野別に具体的なKPIの例を紹介します。
顧客関係に関連するKPI
顧客との関係性を強化するために設定されるKPIです。新規顧客の獲得から既存顧客の維持までを数値化することで、顧客ロイヤルティ向上施策の進捗を把握できます。
- 新規顧客数
- 顧客維持率
- 顧客の平均購入額
- リピート率
- 解約率
- 顧客満足度
- NPS(ネットプロモータースコア)
- 新規顧客の2回目発注率
- 既存顧客への接触率
- リードタイム
- クレーム数
- 客単価
- 稼働率
- バックオーダー数
- 原価率
- キャンセル率
- 一人あたりの利用回数
- 予約コンバージョン率
営業利益に関連するKPI
企業の収益力を高めるために設定されるKPIです。収益やコストを可視化し、利益に直結する数値を追跡します。
- 売上高
- 利益率
- LTV(顧客生涯価値):顧客一人が生涯にわたってもたらす利益の総計
- ROI(投資対効果):投資した分に対して生まれた利益の比率
- 損益分岐点(収益がコストを上回る地点)
- 新規提案件数/社数/金額
- 新規商談からの提案率
業務効率化に関連するKPI
業務プロセスの改善や生産性の向上を目的としたKPIです。業務スピードや品質、コスト削減効果を把握できます。
- 業務効率
- サイクルタイム(業務プロセスの開始から終了までの時間)
- リードタイム(発注から納品までの時間)
- 改善提案件数
- 労働生産性
- 負荷度
- 生産量
- 品質率
- 段取率
- 設備保全利用率
- 機械能力指数
- クリティカル機械能力指数
- 材料使用率
- 有害物質・危険物質廃棄率
- 在庫回転率
- 良品率/総合良品率
- 設備負荷率
- 平均故障間隔
- 改良保全率
事業の成長に関連するKPI
組織や個人のスキル向上、研究開発力など、将来的な成長を測るためのKPIです。短期的な利益だけでなく、中長期的な成長戦略を評価する視点として活用されます。
- モチベーション指数
- 満足度
- 能力向上率
- 資格取得数
- 特許取得
KPIを設定するときのポイント
KPIを効果的に活用するためには、単に数値目標を設定するだけでは不十分です。戦略的かつ実行可能なKPIを作るためには、次の2点を意識することが重要です。
KPIツリーを活用する
KPIツリーとは、最終目標であるKGIを達成するために必要なKPIを枝分かれ式に整理した図です。大きな目標を小さな要素に分解し、プロセスを一目で理解できるようにします。
例えば、「売上を前年比120%にする」というKGIを設定した場合、KPIツリーでは「新規顧客数」「平均購入単価」「リピート率」といった要素に分解し、それぞれを具体的な数値に落とし込みます。これにより、チーム全体で優先すべき行動が明確になり、目標達成へのロードマップを共有できます。
KPIツリーについて詳しくは「▶KPIツリーとは?重要性や作り方、作成に役立つツールを理解しよう」をご覧ください。
SMARTの法則を用いる
KPIを設定する際には、SMARTの法則を用いると効果的です。SMARTは以下の頭文字をとったフレームワークです。
- Specific(具体的な):誰が見ても分かる明確な目標
- Measurable(測定可能な):進捗や成果を数値で確認できること
- Assignable(割り当て可能な):誰が責任を持って実行するのか明確であること
- Realistic(現実的な):実現可能な範囲で設定されていること
- Time-related(期限が明確な):達成すべき期限が定められていること
この法則を用いることで、抽象的な目標ではなく、具体的かつ達成可能なKPIを設計できます。
KPIを活用し、組織や個人の成長を促そう
KPI(重要業績評価指標)は、最終目標に向かう過程を数値化して把握できます。KGIという最終ゴールを明確にし、それを達成するためのKSFを抽出し、さらに具体的なKPIへと落とし込むことで、精度の高い計画を立てられます。
KPIを設定することで、計画の具体化・生産性の向上・公平な評価が可能になり、組織や個人の成長に直結します。また、顧客関係・営業利益・業務効率化・事業成長といった多様な分野でKPIを設定できるため、自社の状況に応じた活用が大切です。
さらに、KPIツリーやSMARTの法則を活用すれば、誰もが理解しやすく、実現可能なKPIを設計できます。KPIを戦略的に設定・運用することで、目標達成の確実性を高め、持続的な成長につなげられます。
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