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KPIツリーとは?重要性や作り方、作成に役立つツールを理解しよう

マーケティング 2023.07.06

KPIツリーとは?重要性や作り方、作成に役立つツールを理解しよう

マーケティングにおける経営指標のKPIを、樹形図として視覚化するKPIツリー。目標達成において有効活用できるツールですが、その概要や重要性を把握できていないと感じる方も多いでしょう。

この記事ではKPIの基本からKPIツールの作成・運用のポイント、KPIツリー運用の注意点などについて解説します。

事業の指標を具体化したい、KPIを正しく設計してより成果を出したいと考えているマーケティング担当者様はぜひご覧ください。

「KPIツリー」とは?

KPIツリーとは名称のとおり、KPIを樹形図として可視化したものです。最終目標を意味する「KGI」を頂点に配置し、目標実現に必要な要素であるKPIを枝分かれするような形で配置します。

例えば、ブログメディア運営における最終目標を「メディアサイトからのお問い合わせを月○○件獲得する」と設定したとします。

数値向上につながる指標やアクションの例として「PV数」「掲載記事数の増加」「既存記事のリライト」があるとしましょう。KPIツールに当てはめると、以下のとおりです。

  • KGI:問い合わせ数の増加
  • KPI:PVの増加、掲載記事数の増加、リライト

最終目標であるKGIを達成するために何が必要か、KPIとして具体化・可視化して配置することでKPIツリーを作成できます。

■KPIツリーのイメージ

kpiツリー

KPIツリーを作成する意義

KPIツリーは、組織運営を円滑に進める意味でも重要視されています。

組織運営においては、ボトルネックとなる問題の把握や施策の考案、実施施策の効果検証が重要です。たとえ組織運営に重要なことを理解していても、KPIツリーを作成していなければ達成につながる行動までは把握しきれません。

KPIツリーを作成することで目標達成までの過程を具体化することができるので、より確実かつ正確なアクションが可能になります。

また、チームごとに最終目標が異なる場合は、チーム単位でKPIツリーを作成することが大切です。

ロジックツリーとの違いは?

ロジックツリーとは、問題をツリー状に分解し、原因・解決策を導き出すフレームワークのことです。

KPIツリーはロジックツリーの一部分であるものの、粒度が異なります。ロジックツリーが目標達成における施策を可視化する大枠であるのに対し、KPIツリーはKGIにつながる要素を数値化するのが特徴です。

ロジックツリーとKPIツリーの違いは、ロジックツリーの派生である

  • 要素分解ツリー
  • 原因追求ツリー
  • 問題解決ツリー

の特徴を把握することで理解しやすくなります。

 

特徴

施策

KPIツリー

最終目標であるKGIを達成するためにKPIを数値で洗い出す

  • 新規・リピートでの訪問者数
  • 購入者数
  • 注文単価

要素分解ツリー

指定した要素を分解して選択肢を抽出する

  • 事業展開(国内・海外など)
  • 事業ごとのターゲット(B to B、B to Cなど )
  • 事業ごとの商品

原因追求ツリー

根本的な解決策を模索する

  • 事業ごとの売上
  • 事業単位で提案する商品の売上

問題解決ツリー

問題に対する改善策を列挙する

  • 記事数の増加
  • Web広告の出稿
  • SNSによる拡散

ロジックツリーは、上記すべてを包括する言葉で、フレームワークそのものを示す言葉です。対してKPIツリーは、ロジックツリーに含まれる「KGI達成に必要なKPIを数値化したもの」を指します。

 

そもそもKPIとは何か?

KPI(Key Performance Indicator)とは「重要業績評価指標」のことです。KGI(Key Goal Indicator)を「最終目標」とするのであれば、KPIは目標達成に必要な「中間指標」を意味します。

最終目標を達成させるために必要なプロセスが、セクションごとに設定・実施されているか定量的に把握するための指標としてKPIが存在しています。

KPIを設定しなければ、KGI達成までの行動が明確にならず、結果的にKGIの達成自体が危うくなってしまうでしょう。

KPIに関してくわしくは「KPI・KGIとは?目標を明確にするメリット・人材育成に役立つ運用法を解説」をご覧ください。

グラフを用いてプレゼン

 

KPIツリーを作成するうえでのポイント

KPIツリーを作成するうえでは、まずKGIとKPIの設定が必要不可欠です。そのうえで、以下のポイントを押さえておく必要があります。

  • 四則演算によるKPIの構築
  • 単位の設定
  • 要素を遅行指標から先行指標へ分解
  • 要素の重複は回避すべき
  • KPIではない要素に注意

ここでは、KPIツリー作成において重要なポイントについて解説します。KPIツリーの作成を求められている方は、以下の内容をぜひ参考にしてください。

KGI・KPIの設定

まずは、組織・チームにおける最終目標である「KGI」を設定しましょう。KGIの例には、売上や利益の向上、成約件数の増加などが挙げられます。未達成の目標や問題となっている要素を明確にするため、自組織の課題を明確にするためにもまずはKGIを設定しましょう。

KGIの設定を終えたら、中間指標となる「KPI」を設定します。KPIを設定する際は、定量的な指標を立てておかなければ、成果が出たかどうかの判断が人によって変動してしまうため注意してください。

KGIとの整合性を意識し、抜け漏れなくKPIを設定することも大切です。

資料の漏れをチェック

 四則演算によるKPIの構築

KPIツリーを作成する際は「足す・引く・掛ける・割る」の四則演算ができる要素で組み立てましょう。

最終指標であるKGIを達成するには、KPIそれぞれをどのように達成すべきか把握する必要があるためです。下位のKPIを足し掛けすることで上位のKPIが算出できるようにすることがポイントです。

そのため、数字では表せない曖昧な指標を設定することは避けましょう。このような定性情報は、分析対象の因子として扱うのみにとどめ、KPIとしては採用しないでください。

例えば、サービスの反響など定性的な項目を扱いたい場合は「SNSでのリツイート数」など、何かしらの評価できる具体的な定量データに置き換えて考えてみてください。

なお、四則演算をシンプルな関数で実施できるExcelなどのツールを活用すれば、効率的にKPIツリーを作成することができ、さらに運用も容易になります。

単位の設定

KPIツリーを作成するには、単位を設定する必要があります。

最終指標であるKGIの単位や、ブレイクダウンしたKPIの単位と、KGIの単位の論理が揃っていることも重要です。数値的管理を可能とするKPIツリーにおいては、KGI・KPIそれぞれの単位を揃えなければなりません。

単位の例としては人、%、円、回などが挙げられます。

分析すべき指標に対して適切な単位を使用していない場合、正しくKPIを設計することができなくなります。結果として四則演算が破綻してしまうことも考えられます。

設定した単位は適切かどうか、実際に数値を入れて計算を行ってみましょう。

様々なグラフ

要素を遅行指標から先行指標へ分解

KPIは、遅行指標・先行指標を意識したうえで設定しましょう。

施策に対して結果が遅れやすい、KGIに近い上流の指標を「遅行指標」といいます。対して「先行指標」とは、結果につながりやすい下流の指標のことです。

KPIツリーは結果が出るまでの期間を意識し、短期施策と中期施策を正しく組み合わせて設計することが大切です。

要素の重複は回避すべき

KPIツリーは、要素が重複していないか確認しながら作成しましょう。KPIツリーの効果を最大限発揮するためには、意味の似通ったKPIを設定しないことが重要視されます。

重複したKPIを設定してしまうと、意味のないデータが抽出されてしまいます。

しかし、KGI達成につながる手段・経路が複雑な場合は、要素が重複することもあります。

その場合は例外として、先行指標の中に重複する要素を取り入れましょう。遅行指標につながる「ひとつの要素」としてとらえるのであれば、ある程度重複していても大きな問題にはなりません。

KPIではない要素に注意

KPIツリー作成時に、KPIに該当しない要素を入れないよう注意してください。数値化や計測が不可能な指標はKPIツリーに入れないようにしましょう。

また、チーム内での合意が取れていない指標、KGIとの関連性がない指標も、KPIツリーに入れるべきではありません。

KPIではない要素を入れてしまったKPIツリーは、十分な効果を発揮できなくなります。KPIツリーに入れ込める要素かどうかを判断し、かつ明確に期間を設定したうえで作成することが大切です。

グラフを使ってプレゼン

 

KPIツリー運用における注意点

KPIツリーの効果を最大限発揮するためには、運用における注意点を把握しておくことが大切です。

コントロールできない指標を避ける

KPIツリーはMECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)を意識し、ロジカルに要素を分解していくものです。しかし、要素を分解していく過程で、現実ではコントロールしにくい指標も登場してきます。

コントロールできない指標を追いかけてしまうと、組織が疲弊してしまい、結果として求める成果が創出できない可能性もあります。そのため、KPIツリー上に現れる指標をコントロール可能かどうか判断しなければなりません。

外部環境も反映する

市場・政治の変化などの外部環境は、KPIツリーに表現されにくい要素です。これらの要素は、たとえツリー上に表現されなくても、KPI指標に影響を及ぼす可能性があります。

ですから、外部環境の要素を見落としなく取り入れることも視野に入れておきましょう。

新規事業などには不向き

KPIツリーは既存事業の可視化を目的としているため、既存の枠組みに収まらない新規事業などを展開する際には不向きなことも覚えておきましょう。

あくまで「改善」「改革」につながるフレームワークであり、イノベーションには必ずしも適しているわけではありません。

 

KPIツリー作成におすすめのツール

KPIツリーを作成する際は、Excel・Figma・Canva・Coggleなどのツールの活用がおすすめです。それぞれのツールがKPIツリーを作成するうえでどのように活用できるか、以下の表に記載した情報を参考にしてみてください。

Excel

  • Excelに内蔵されている「SmartArt(スマートアート)」を活用して作成
  • 上段のメニューバーから、挿入→図→階層構造を選択することで入れ込み可能
  • 複数パターンでの作成が可能
  • 数値を管理しているシート内にKPIツリーを作成できるのがメリット

Figma

  • 色・字体のアレンジが幅広いデザインツール
  • スムーズかつ軽い動きが特徴
  • ツリー以外の素材を掛け合わせて作成したい場合に便利(矢印など)
  • Figma独自の操作ルールも存在しているため、慣れるのに時間を要する

Canva

  • ディシジョンツリーの作成に活用されるツール
  • 作成したKPIツリーをPDF・JPEGでダウンロード可能
  • 無料版の場合デザインの制約はあるが、豊富なテンプレートを使用して作成可能
  • クライアントへのプレゼンなどに使用するKPIツリーの作成におすすめ

Coggle

  • マインドアップ作成用ツール
  • ツリーを簡単に作成できる
  • Googleアカウント登録することで複数のツリーを作成可能
  • シンプルな操作で初心者でも扱いやすい
  • PDF・画像データの出力も可能

 

目標達成までの過程を明確化するためにKPIツリーを活用しよう

本記事ではKPIツリーの定義、作成や運用におけるポイントについて解説しました。

KPIツリーを作成・運用することで、目標達成のための筋道が具体化します。KPIとあわせてKGIへの理解も深めておけば、自組織の課題に応じた最適なKPIツリーを作成できるでしょう。

KPIツリーを作成するうえでのポイントや注意点を理解しておくことは、組織の目標達成に大きく影響します。今回紹介した内容を参考に、KPIツリーを作成してみてください。

 

戦略設計や実行、KPIツリー作成にお困りの場合は、パンタグラフにぜひご相談ください。パンタグラフでは、インターネット事業を中心とした戦略立案に向けて、課題抽出から企画提案まであらゆるサポートを実施しています。

ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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