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MySQL 8.0から8.4へのアップグレードで注意したいポイントとは?事前確認とよくあるトラブルを解説
制作/開発 2026.06.11

MySQL 8.4はLTS(Long-Term Support)版として提供されており、多くの企業がMySQL 8.0から8.4へのアップグレードを検討しています。
一方で、データベースのアップグレードは単なるバージョン更新ではありません。Webサイト、WordPress、Laravelで構築されたWebアプリケーション、独自CMS、業務システム、各種連携ツールなどに影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、企業のWeb担当者やインフラ担当者向けに、MySQL 8.0から8.4へのMySQLアップグレードで注意したいポイントや事前確認事項を解説します。
目次
MySQL 8.4 LTSとは
MySQL 8.4は長期サポート版として提供されており、安定運用を重視する企業に適したバージョンです。
MySQL 8.0からの移行を検討する企業が増えている背景には、長期サポートによる運用の安定性や、将来的な保守コストの最適化があります。
特に長期間運用するシステムでは、継続的なセキュリティアップデートを受けられる点から、MySQL 8.4への移行を検討する企業が増えています。
<比較表>
- MySQL 8.0:従来の運用環境
- MySQL 8.4:長期サポート対象、将来の運用計画を立てやすい

MySQL 8.0を使い続けるリスクとサポート期限
サポート期限を過ぎたバージョンを利用し続けると、セキュリティリスクや運用リスクが高まります。
また、AWSやAzureなどのクラウドサービスでは、サポート終了後もExtended Support(延長サポート)が提供される場合があります。ただし、対象サービスによっては通常の利用料金に加えて追加費用が発生するケースもあります。
そのため、技術的な観点だけでなく、将来的な運用コストやサポートポリシーの観点からもアップグレード計画を検討することが重要です。

アップグレード前に実施したい事前診断
MySQL Shell Upgrade Checker(mysqlsh)を活用する
MySQL Shell(mysqlsh)は、Oracleが提供する公式ツールで、アップグレード前の互換性チェックを実施できます。
例:
|
$ mysqlsh root@localhost MySQL SQL > \js |
確認できる内容
- utf8mb3の利用状況
- 非推奨機能の利用
- 認証プラグインの問題
- 予約語との衝突
- 互換性のない設定
事前に実行しておくことで、 移行後のトラブルを未然に防ぎやすくなります。
また、アップグレードでは データベース自体の問題だけでなく、アプリケーションやCMS、プラグインとの互換性に起因するトラブルが発生することがあります。
utf8はutf8mb3の別名
MySQL 8.xでは、utf8mb3を利用していること自体がすぐに問題になるわけではありません。
しかし、utf8mb3は非推奨となっており、将来的なバージョンアップやシステム更改を考えると、utf8mb4への移行を検討しておくことをおすすめします。
また、MySQLでは現在もutf8がutf8mb3の別名として扱われるため、新規作成時にはutf8ではなくutf8mb4を明示的に指定することが重要です。
古いPHP環境では接続エラーが発生する場合がある
PHP 8.0未満の環境では、MySQL 8.4との互換性に関する問題が発生する可能性があります。特に認証方式やMySQLドライバの違いにより、アップグレード後に接続エラーが発生するケースもあります。
長期間運用しているWordPressサイトやLaravelアプリケーション、独自CMS、業務システムでは注意が必要です。
PHPおよびMySQLドライバのバージョンを確認し、事前に動作検証を実施することをおすすめします。
確認例:
|
php -i | grep mysqlnd |
認証プラグインの互換性問題
MySQL 8系ではcaching_sha2_passwordがデフォルト認証方式です。
一方で古いアプリケーションではmysql_native_passwordを前提としている場合があります。
アップグレード後にログインできなくなるケースもあるため、利用中の認証方式を確認しましょう。
ONLY_FULL_GROUP_BYによるSQLエラー
MySQL 8.4へ移行する環境では、アプリケーション側のSQLがONLY_FULL_GROUP_BYに対応していない場合、エラーが発生することがあります。
特に、GROUP BY句の記述が現在のSQLモードに対応していない場合、以下のようなエラーが表示されることがあります。
エラー例:
| Expression is not in GROUP BY clause |
この問題は、長年運用されている独自開発システムだけでなく、更新が停止しているWordPressプラグインや古いプラグインでも発生する可能性があります。
また、WordPressのテーマやプラグイン内で直接SQLクエリを記述している場合や、LaravelアプリケーションでDB::select()などを利用した独自SQLを実行している場合は、過去のMySQLでは動作していたクエリがエラーとなることがあります。
アップグレード前には、特に以下のような箇所を確認しておくと安心です。
- 独自開発システムのSQL
- Laravelアプリケーション内の独自SQL
- 長期間更新されていないWordPressプラグイン
- 現在メンテナンスされていないプラグイン
- テーマファイルやプラグイン内で実行している独自SQL
- 独自CMSの検索機能や一覧表示機能
ステージング環境で事前に動作確認を行い、管理画面や検索機能、一覧表示機能などが正常に動作することを確認しておきましょう。
WordPressプラグインや独自CMS、Laravelシステムが正常動作しない場合がある
データベースの仕様変更により、検索機能や管理画面の一部機能が正常に動作しなくなる場合があります。
特に長期間運用されているWordPressサイト、独自CMS、Laravelで構築されたシステムでは、プラグインやライブラリ、独自実装のSQLがMySQL 8.4の仕様変更に対応していないケースもあります。
本番環境でのアップグレード前にステージング環境で十分な検証を実施しましょう。

安全にアップグレードするためのベストプラクティス
ステージング環境で検証する
本番と同じ構成の環境でテストを実施します。
バックアップを取得する
データベースだけでなくアプリケーションも含めてバックアップを取得します。
関連システムも含めて動作確認する
バッチ処理、外部連携、管理画面、WordPressプラグインなどを確認します。

■ アップグレード前チェックリスト
| 実施 | 確認項目 |
| □ | mysqlsh Upgrade Checker実行 |
| □ | utf8mb3利用確認 |
| □ | utf8mb4移行検討 |
| □ | PHPバージョン・ドライバ確認 |
| □ | 認証プラグイン確認 |
| □ | ONLY_FULL_GROUP_BY検証 |
| □ | WordPress・Laravel・独自CMSの動作確認 |
| □ | バックアップ取得 |
| □ | ステージング環境での検証 |
| □ | クラウドの延長サポート費用確認 |
MySQL 8.4へアップグレードする際によくある質問
MySQL 8.0から8.4へ直接アップグレードできますか?
はい。MySQL 8.0から8.4へのインプレースアップグレードは可能です。ただし事前に互換性チェックを実施することが重要です。
WordPressはMySQL 8.4に対応していますか?
最新版のWordPressはMySQL 8.4に対応しています。ただし利用中のテーマやプラグインによっては動作確認が必要です。
utf8mb3はすぐに変更する必要がありますか?
現時点では利用可能ですが、非推奨のため将来的にはutf8mb4への移行を検討することをおすすめします。
5.7から8.4にアップグレードできますか?
いいえ。まず5.7から8.0へアップデートし、その後8.0から8.4へアップデートする必要があります。
まとめ
MySQL 8.4へのアップグレードは、セキュリティや将来の運用を考えるうえで重要な取り組みです。一方で、utf8mb3、認証方式、PHPドライバ、ONLY_FULL_GROUP_BYなど、事前に確認すべきポイントも少なくありません。
特に企業サイトやWordPress、Laravelアプリケーション、独自CMSを運用している場合は、ステージング環境での検証とmysqlshによる事前診断が重要です。
データベースのアップグレードは、データベース単体ではなく、Webサイトや業務システム全体への影響を考慮しながら進めることが重要です。
パンタグラフでは、AWS環境の構築・運用支援、WordPressサイトやLaravelアプリケーションの保守・移行、独自CMSの改修、データベースアップグレード支援などを行っています。MySQL 8.4への移行をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
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