INP(Interaction to Next Paint)とは?新たなCore Web Vital指標の解説
SEO 2023.11.09
「INPとは何だろう?」「FIDとは何が違う?」と思ったことはありませんか?
INPは新たなCore Web Vitalの指標と言われている、重要な要素です。INPを計測してWebページの改善に活かせば、ユーザーにとって満足度の高いページを作成できます。
本記事では、INPの概要やFID(First Input Delay)の違い、計測方法やINPスコアを改善するための方法まで解説します。
INPについて詳しく知らない方や、改善方法が分からない方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
INPとは?
INPとは、Interaction to Next Paint の略称です。ユーザーの操作に視覚反応が起きるまでの時間を表します。
Core Web Vital(ユーザーエクスペリエンスの評価指数)の新たな指標で、2024年3月より現在採用しているFID(First Input Delay)と置き換えるとGoogleが公表しています。*
INPを確認すると、ページ内のコンテンツの応答性が良いのか悪いのかが分かります。遅延を示す値なので、小さいほど応答性に優れているといえます。例えば、タップからアニメーションが実施されるまでの時間が短いほど、INPは小さく、応答性は良好です。
検索上位に表示されるためには、ユーザーエクスペリエンスの向上が欠かせません。そのため、今後はSEO対策の一環としてINPの改善が求められるでしょう。
Core Web VitalやFIDについて詳しく知りたい方は、「コアウェブバイタルとは?FID、LCP、CLSの改善方法もあわせて解説」の記事も併せてご覧ください。
※出典:Google検索セントラル「INP を Core Web Vitals に導入」
INPの判定指標
INPの判定指標は以下のとおりです。
- インタラクションの数が50未満のページ:最も遅延が大きい反応速度が判定の対象
- インタラクションの数が50以上のページ:98パーセンタイルの反応遅延が判定の対象
100個のインタラクションが存在するページであれば、98番目に反応が遅いインタラクションがINPの対象です。
なお、インタラクションの目標値は下記のとおりです。
- 200ミリ秒以下:良好
- 200ミリ秒超から500ミリ秒以下:要改善
- 500ミリ秒超:不良
200ミリ秒以下であれば、読み込みに問題はなく、ユーザーにとって使い勝手の良いページであるといえます。200ミリ秒を超えていれば改善すべきです。
INPがチェックするインタラクション
INPは、基本的にユーザーのすべての操作に対する反応が対象とされます。
例えば、以下のような時間が計測され、指標になります。
- マウスのクリックへの反応
- スマホなどのタッチスクリーンデバイスをタップした時の反応
- キーボードの押下に対する反応
応答性がチェックされる具体的な操作は以下のとおりです。
- ニュースサイトで画像をクリックしたら、拡大した画像が表示される
- スマートフォンで商品のお気に入りボタンをタップしたら、お気に入り一覧に反映される
- キーボードで打った名前が、フォームの氏名欄に表示される
上記のような操作で反応がなかったり遅延したりすると、INPの値は高くなってしまいます。ただし、スクロールでは視覚反応は発生しないため、計測の対象ではありません。
INPとFID(First Input Delay)の違い
INPと似た指標にFIDがあります。前述のとおりFIDは2024年3月にINPに置き換えられますが、具体的にどこが異なるのかを解説します。
INPとFIDの違いは下記のとおりです。
- 測定されるタイミングが違う
- 測定される時間が違う
それぞれ詳しく紹介します。
測定されるタイミングが違う
FIDとINPでは計測されるタイミングが異なります。FIDは、ページを訪れた後の最初のインタラクションのみが計測の対象です。
一方、INPはページの読み込みを開始してから、ユーザーがページを離脱するまで、すべてのインタラクションが指標の対象です。つまり、INPのほうがFIDよりも、測定されるタイミングが大幅に増えています。
測定される時間が違う
FIDとINPは、測定される時間にも違いがあります。
FIDは入力遅延時間のみを対象にして観測しています。しかし、INPは以下すべての時間が測定の対象です。
- アクションを実行するまでの時間
- コードの処理までの時間
- ブラウザが結果を示すまでの時間
INPのほうが指標の対象となる時間も長くなります。そのため、INPはFIDよりも「ユーザーにとってより便利なページを提供できる指標」と考えられています。
INPの計測方法を紹介
INPを計測する際は「Page Speed Insight」などのツールを使います。「Page Speed Insight」の使い方は以下のとおりです。
- Page Speed Insightにアクセスする
- 計測したいURLを入力する
- 分析ボタンを押す
- 結果を確認する
表示された結果においてINP欄が小さい値であるほど、遅延がなく応答性が良好であることを示しています。
値が200ms以下であればユーザーにとって良いページといえます。それ以上の値であれば、読み込みに時間がかかっているなどの問題があるため、改善が必要です。
INPスコアを改善するための実践的な方法
INPスコアが良くなかった場合は、対策を講じればINPのスコア改善が期待できます。以下2パターン別に、スコア改善の方法を紹介します。
- ページが読み込まれる時の改善方法
- ページを読み込んでからの改善方法
順番に見ていきましょう。
ページが読み込まれる時の改善方法
ページ読み込み時のインタラクション改善を図る時は、Google Chromeのディベロッパーツールの使用がおすすめです。
具体的な改善策は、以下が挙げられます。
- ディベロッパーツールで使用しないコードを確認し、削除する
- リンクの後に「defer」と記載して、低速度のJavaScriptや優先度の高くないJavaScriptを、最後に読み込ませる
上記のような対策を打ち、指標が高くなるかチェックしましょう。
ページを読み込んでからの改善方法
ページ読み込み後の反応を改善する方法として、まずは以下を確認します。
- JavaScriptのページの応答性に関する影響をチェック
- postTask APIを使用し、タスクの優先順位をチェック
上記を確認したら、以下のようにタスクの優先順位や処理を変更しましょう。
- すぐに実行する必要がない処理は、ブラウザのアイドル時に実施する
- 処理に時間がかかるタスクを見直す
表示させるデバイスによって、指標の値は異なります。パソコンとスマートフォン表示の両方の指標をチェックし、ユーザーにとって快適なページを目指しましょう。
また、表示速度以外のクローラー、インデックスの最適化などの対策方法については、「テクニカルSEOとは?コンテンツSEOとの違いや対策するメリットも!」「SEOとは?初心者にもわかりやすく順位を上げる対策法と仕組みを解説」の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
INP まとめ
INPとは、ユーザーの操作に視覚反応が起きるまでの時間を示します。FIDに代わるコアウェブバイタルの指標の1つです。
FIDよりも測定タイミングが増え、測定される時間も長くなります。
値はPage Speed Insightsで確認可能です。もし、要改善と判断された場合は、Google Chromeのディベロッパーツールなどを利用し、コードやタスクを見直しましょう。
パンタグラフでは、INP改善などテクニカルSEOに関するご相談も承っております。まずはお気軽にご相談ください。
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