毎月数社限定トライアル
ヒューリスティック分析事例集 Trial of Heuristic report
資料ダウンロードはこちら
ヒューリスティック分析とは?アプリ・サイトでの調査や評価の方法を解説
UI/UXデザイン 2019.09.18

ヒューリスティック分析は、ユーザーにとって使いやすいWebサイト・アプリを作るのに効果的な手法です。
数多く存在するWebサイトやアプリにとって、使い勝手の良さ=ユーザビリティは大切なポイントです。ヒューリスティック分析によりUI/UXの向上を図ることができれば、売上や成果につながることが期待できます。
今回は、ヒューリスティック分析とは何かわからないという人に向けて、基礎知識や分析手順について、わかりやすく解説します。
なお、実際にパンタグラフのヒューリスティック分析チームが、人気アプリのオンボーディング施策を調査・分析した記事「【アプリのオンボーディング事例】UXデザインとユーザーフローチャート-Netflix編-」もございますので、併せてご覧ください。
目次
ヒューリスティック分析とは?どのようにアプリ・サイトを改善するの?
まずは、ヒューリスティック分析の定義と目的を確認しましょう。
ヒューリスティック分析とは何か
ヒューリスティック分析とは、簡単に言うと、「経験豊富なUI/UXのプロが、その経験知によってWebサイト・アプリを評価する分析方法」です。
ちなみに「Heuristic」とは「発見的な」「発見をうながす」という意味の言葉です。
ヒューリスティック分析は、サイト・アプリがユーザーにとって使いやすいものかどうかを分析します。
そのため、特定のツールのみを使えば分析できるというようなものではありません。
ヒューリスティック分析では、専門家がサイト・アプリの設計図をチェックしたり、実際に利用したりすることで評価します。
ヒューリスティック分析の目的とは?
ヒューリスティック分析を行う一番の目的は、「サイト・アプリのユーザビリティを向上させ、売上やPV上昇などの成果を得ること」です。
使い勝手の悪いWebサイトは離脱の原因となるだけでなく、検索順位にも影響します。
また、アプリであれば、オンボーディングプロセスの途中で使用を中断されてしまうという場合もあります。
問題点を発見し、ユーザーにとって使いやすいWebサイトに改善することで、その後の目標到達が容易になると考えられます。
ヒューリスティック分析の調査手順とは?
ヒューリスティック分析の大まかな流れは、以下のとおりです。
- 調査の前提条件を確認
- 分析指標の作成
- ヒューリスティック分析の実施
- 課題の抽出
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
①調査の前提条件を確認
ここでいう「前提条件」とは、調査の前に決めておくべき対象範囲などです。具体的には、以下の項目が挙げられます。
・Webサイト・アプリの基本情報(運営目的、ターゲット)
Webサイトやアプリには、商品購入や資料請求、会員登録といった「達成したい目標」があるはずです。まずは、こちらを明確にします。
同時に、Webサイト・アプリのターゲットも確認します。「どんなユーザーの、どのようなニーズを満たしたいのか」を明確にすることで、ユーザーの嗜好やコンピュータ・リテラシーなどを踏まえた分析が可能になります。
・分析の対象範囲
すべてのページを分析できれば理想的ですが、中には何百というページを持つサイトやアプリも存在し、費用や時間の問題で難しいという場合があります。
対象範囲を限定することで、効率的に分析を行えます。具体的には、成果に結びつくページや、明らかな課題を抱えているページなどが考えられます。
・比較する他社のサイトやアプリ
競合サイト・アプリを検証することで、競合と比較して自社サイトが抱える問題点をあぶり出すことができ、また改善の参考になります。
・対象端末
PCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末なども対象となる場合があります。
こちらも、予算や時間を踏まえて検討します。
②分析指標の作成
次に、分析指標を作成します。ページの構造や操作性、デザインなどの観点から、具体的なユーザビリティのチェック項目を考えていきます。
例えば、
- ユーザーが迷わない導線設計になっているか
- 直感的に操作できるか
- 一貫性のあるデザインか
などです。
さらに詳しく知りたい方は、パンタグラフが行っているヒューリスティック分析についての記事を併せてお読みください。
③ヒューリスティック分析の実施
定めた評価指標をもとに、サイト・アプリを調べます。調査項目をチェックリスト化することで、スムーズな確認が行えます。
④課題の抽出
分析結果に基づいて、問題点を洗い出します。競合サイトとの比較も含めて評価を行い、結果をまとめます。
課題が抽出できたら、どのように改善したらいいのかを検討することになります。
分析や評価を行うときの注意点
ヒューリスティック分析は経験則で行う分析であることから、分析者の主観が結果に影響する場合があります。
主観的な分析になることを防ぐために、第三者に依頼すること、前提条件を細かく決めておくことなどが必要となります。
ヒューリスティック分析を行うことのメリット・デメリットとは?
ここからは、ヒューリスティック分析のメリットおよびデメリットを紹介します。
ヒューリスティック分析のメリットとは?
メリットとして、以下の3点が挙げられます。
- サイト・アプリの目的を前提とするため効率が良い
- 他の分析手法と比べ、コストが安い
- 開発途中でも分析が可能
ヒューリスティック分析では、明確な分析指標を定めることで、効率よくWebサイト・アプリの改善点を洗い出すことができます。
また、過去のデータや大量の資料を集める必要がないため、スピーディに調査を進めることができます。
費用がそれほどかからないのも、ヒューリスティック分析のメリットです。
分析自体は少人数で行われるほか、テストとして実際のユーザーや協力者を集める必要がないため、コストを抑えることができます。
さらに、対象となるサイトやアプリが未完成の状態であっても、分析が可能です。
プロトタイプや仕様書の段階でも分析できるため、開発にかかるコストも抑えることができます。
ヒューリスティック分析のデメリットとは?
繰り返しになりますが、ヒューリスティック分析で注意しなければならない点は、「分析者の主観が影響する可能性がある」ということです。
経験知による分析方法であるため、評価の内容は分析者の知識や経験が大きく影響します。
ヒューリスティック分析を効果的に活用するには、知識や経験が豊富なプロに依頼することをおすすめします。
ヒューリスティック分析のまとめ
ヒューリスティック分析とは、経験則からWebサイトやアプリのユーザビリティを評価する手法です。
企画や開発など、どのタイミングでも実施可能であり、コストも比較的かからず、効率的な改善に役立ちます。ぜひ実施を検討してみてはいかがでしょうか。
なお、実際にパンタグラフのヒューリスティック分析チームが、人気アプリのオンボーディング施策を調査・分析した記事「【アプリのオンボーディング事例】UXデザインとユーザーフローチャート-Netflix編-」もございますので、ぜひ併せてご覧ください。
パンタグラフでは、Webサイト・アプリのヒューリスティック分析サービスを行っております。
実績豊富なスペシャリストによる課題発見と改善提案により、お客様が目指すウェブユーザビリティの向上をサポートさせていただきます。
無料でご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
関連する記事