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ヒューリスティック分析とは?分析手順や評価指標について解説

UI/UXデザイン 2023.05.19

ヒューリスティック分析は、ユーザーにとって使いやすいWebサイト・アプリを作るのに効果的な手法です。
ヒューリスティック分析によりUI/UXを向上できれば、売上や成果につながることが期待できます。しかし、ヒューリスティック分析が他の分析手法とどう違うのか分からない方も多いのではないでしょうか?

今回はヒューリスティック分析について、基礎知識や分析手順、メリット・デメリットなどを分かりやすく解説します。

なお、実際にパンタグラフのヒューリスティック分析チームが、人気アプリのオンボーディング施策を調査・分析した記事「【アプリのオンボーディング事例】UXデザインとユーザーフローチャート-Netflix編-」もあるので、併せてご覧ください。

 

ヒューリスティック分析とは?経験則による分析手法を解説

ヒューリスティック分析とは「経験豊富なUI/UXのプロが、その経験則によってWebサイト・アプリを評価する分析方法」です。
ちなみに「Heuristic」とは「発見的な」「発見をうながす」という意味の言葉です。

ヒューリスティック分析は、サイト・アプリがユーザーにとって使いやすいものかどうかを分析します。そのため、特定のツールを使えば分析できるものではなく、専門家がサイト・アプリの設計図をチェックしたり、実際に利用したりすることで評価します。

ヒューリスティックについて詳しく知りたい方は、「ヒューリスティックとは?種類やマーケティング活用事例を解説」の記事で解説しているためぜひチェックしてみてください。

 

ヒューリスティック分析の実施目的

ヒューリスティック分析を行う一番の目的は、「サイト・アプリのユーザビリティを向上させ、売上やPV上昇などの成果を得ること」です。

使い勝手の悪いWebサイトは離脱の原因となるだけでなく、検索順位にも影響します。また、アプリであれば、オンボーディングプロセスの途中で使用を中断されてしまう場合もあるでしょう。問題点を発見し、ユーザーにとって使いやすいWebサイトに改善することで、その後の目標到達が容易になります。

 

 

ヒューリスティック分析の調査手順

ヒューリスティック分析の大まかな流れは、以下のとおりです。

  • 調査の前提条件を確認
  • 評価指標の設定
  • 分析の実施・課題の抽出

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

 

①調査の前提条件を確認

ここでいう「前提条件」とは、調査の前に決めておくべき対象範囲などです。具体的には、以下の項目が挙げられます。

 

・Webサイト・アプリの基本情報(運営目的、ターゲット)

Webサイトやアプリには、商品購入や資料請求、会員登録といった「達成したい目標」があるはずです。まずは、こちらを明確にします。

同時に、Webサイト・アプリのターゲットも確認し、「どんなユーザーの、どのようなニーズを満たしたいのか」を明確にすることで、ユーザーの嗜好やコンピュータ・リテラシーなどを踏まえた分析が可能です。

 

・分析の対象範囲

すべてのページを分析できれば理想的ですが、中には何百というページを持つサイトやアプリも存在し、費用や時間の問題で難しい場合があります。

このような場合、対象範囲を限定することで、効率的な分析が可能です。具体的には、成果に結びつくページや、明らかな課題を抱えているページなどに、対象を限定することが考えられます。

 

・比較する他社のサイトやアプリ

競合サイト・アプリを検証することで、競合と比較して自社サイトが抱える問題点をあぶり出せるため、改善の参考になります。

 

・対象端末

PCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末なども対象となる場合があります。
こちらも、予算や時間を踏まえて検討しましょう。

 

②評価指標の設定

次に、分析指標を作成します。ページの構造や操作性、デザインなどの観点から、具体的なユーザビリティのチェック項目を考えましょう。

例えば、以下のチェック項目が考えられます。

  • ユーザーが迷わない導線設計になっているか
  • 直感的に操作できるか
  • 一貫性のあるデザインか

 

ちなみにパンタグラフでは、サイトUXとサイトUIに関して以下の評価項目を設けています。 
・サイトUX:「役に立つ」「使いやすい」など4項目で評価
・サイトUI:ナビゲーション、操作性、フォームなど7項目で評価

 

さらに詳しく知りたい方は、パンタグラフが行っているヒューリスティック分析についての記事を併せてチェックしてください。

 

③分析の実施・課題の抽出

分析指標を作成したら、実際に分析を実施しましょう。

定めた評価指標をもとに、サイト・アプリを調べます。調査項目をチェックリスト化することで、スムーズな確認が行えます。また、分析結果後は、分析結果に基づき問題点を洗い出します。

競合サイトとの比較も含めて評価を行い、結果をまとめましょう。課題が抽出できたら、どのように改善したらいいか改善策を検討します。

 

ヒューリスティック分析のメリット・デメリット

ヒューリスティック分析は、メリットの大きい分析手法ですが、デメリットもあります。

具体的なメリット・デメリットは、以下の通りです。

  • メリット1:効率的に課題を洗い出せる
  • メリット2:コストが比較的かからない
  • メリット3:データからは分からない課題が見つかる
  • デメリット:分析者の知識・経験に左右されてしまう

    上記メリット・デメリットを理解した上で、デメリットは事前に対策をしておきましょう。

     

    メリット1:効率的に課題を洗い出せる

    1つ目のメリットは「効果的に課題を洗い出せる」ことです。

    ヒューリスティック分析では、明確な分析指標を定めることで、効率よくWebサイト・アプリの改善点を洗い出せます。

    ツールの利用やタグの埋め込みなど仕込みをする必要がなく、スピーディに分析できる手法です。また、データが必要ないため、リリース前などサービスの開発途中で分析できる点も大きなメリットです。

     

    メリット2:コストが比較的かからない

    2つ目のメリットは「コストが比較的かからない」ことです。

    分析自体は、少人数で行われるほか、テストとして実際のユーザーや協力者を集める必要がないため、実施コストを抑えられます。

    また、ツール利用による継続的なコストや教育コストもかからず、総じて低予算で分析できます。

     

    メリット3:データからは分からない課題が見つかる

    3つ目のメリットは「データからは分からない課題が見つかる」ことです。

    PV数や離脱率などのユーザーデータから得られる情報は限られてしまい、Webサイトの「使いやすさ」などをこれらのデータで判断することは非常に難しいです。

    一方、ヒューリスティック分析では定量的な分析ではわかりにくい「デザインの統一性」「各パーツの配置」「サイト構造」などの「使いやすさ」を分析できます。

    また「あるページの離脱率が高い」などの数値的に見つかった課題に対し、その原因を特定することも可能です。

     

     

    デメリット:分析者の知識・経験に左右されてしまう

    ヒューリスティック分析のデメリットは「分析者の知識・経験に左右されてしまう」ことです。
    ヒューリスティック分析は、経験則による分析方法であるため、評価の内容は分析者の知識や経験が大きく影響します。

    仮に分析者の経験やスキルが十分でない場合、正確な分析を実施できず改善方針を誤ってしまう可能性もあります。そのため、分析者の主観が入りすぎないよう複数人で評価を行うことが大切です。

    評価者の人数を増やしすぎると評価にばらつきが生じるため、評価者の人数は3〜5人程度に抑えるのが良いでしょう。もし、ヒューリスティック分析を実施できる人材が社内にいない場合は、知識や経験が豊富なプロに依頼することをおすすめします。

     

    ヒューリスティック分析の効果を高めるポイント

    ヒューリスティック分析の効果を高めるポイントとして、以下の2つが挙げられます。

    • 第三者に分析を依頼する
    • ユーザーテストと組み合わせる

    分析時は上記ポイントを意識し、効率的に自社Webサイトやアプリを改善しましょう。

     

    第三者に分析を依頼する

    1点目は「第三者に分析を依頼する」ことです。
    自社の人材で評価するとどうしても自社Webサイト・アプリの良い面を評価する傾向があり、主観的な評価になりがちです。
    ヒューリスティック分析は、できるだけ主観ではなく客観的に評価することが大切であり、第三者の専門家による評価を受けるのが良いでしょう。
    予算があれば、外部の専門機関に相談するのがおすすめです。

    なおパンタグラフでは、ヒューリスティック分析サービスを実施しています。
    豊富な経験と実践的知見を有したエキスパートが分析を担当するため、正確な課題抽出と効果的な改善施策の立案・実行をサポートできます。
    ヒューリスティック分析を実施したいけれども、自社だけでできるか不安な方はぜひヒューリスティック分析サービスを検討してください。

     

    ユーザーテストと組み合わせる

    2点目は、「ユーザーテストと組み合わせる」ことです。
    ユーザーテストとヒューリスティック分析には、それぞれメリット・デメリットがあります。双方を組み合わせることで、片方の調査では見落としていた課題の検出や、異なる角度から課題を捉えられるなどの相乗効果を生み出せるでしょう。

    例えば、ユーザーテストは、ユーザー視点からフィードバックを得られるため、ヒューリスティック分析だけでは把握できない、ユーザーニーズを反映したWebサイトやアプリに改善できます。

    ヒューリスティック分析を実施する際は、ユーザーテストも同時に実施しましょう。

     

    まとめ

    ヒューリスティック分析とは、経験則からWebサイトやアプリのユーザビリティを評価する手法です。
    企画や開発など、どのタイミングでも実施可能であり、コストも比較的かからず、効率的な改善に役立ちます。ぜひ実施を検討してみてはいかがでしょうか。

    なお、実際にパンタグラフのヒューリスティック分析チームが、人気アプリのオンボーディング施策を調査・分析した記事「【アプリのオンボーディング事例】UXデザインとユーザーフローチャート-Netflix編-」もあるので、ぜひ併せてご覧ください。

    パンタグラフでは、Webサイト・アプリのヒューリスティック分析サービスを行っております。
    実績豊富なスペシャリストによる課題発見と改善提案により、お客様が目指すウェブユーザビリティの向上をサポートさせていただきます。

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