Webアプリケーションとは?仕組み・Webサイトとの違い・開発の流れを解説

制作/開発 2024.12.26

スマホやパソコンが普及する現代では、多くの人がWebアプリケーション(以下Webアプリ)を利用しています。TwitterやYouTubeなど多くのサービスがWebアプリで利用できますが、Webサイトや、ストアからインストールするネイティブアプリとの違いがはっきりと分からない方も多いのではないでしょうか。

今回はWebアプリのメリットや仕組み・開発の流れをわかりやすく解説します。Webアプリについて詳しく理解したい方、開発を考えている方はぜひご覧ください。

Webアプリケーションとは?

Webアプリケーション(Webアプリ)とは、インターネット上で利用できるアプリケーションを指します。
アプリケーションをインストールする必要はなく、インターネットに接続していればパソコンやスマホでいつでも利用可能です。

Webアプリの特徴として、コメント投稿やデータの加工、商品の購入など、双方向に作用するインタラクティブな機能があることが挙げられます。

Webアプリの具体例は以下のとおりです。

  • 食べログ:Googleで予約したいお店を調べ、検索結果一覧から「食べログ」上の店舗ページにアクセスし、そこから席を予約する
  • Twitter:Safariで話題のキーワードを調べていたら、関連するTwitterのツイートが表示されたので、投稿主のアカウントをフォローする
  • クックパッド:ブラウザでクックパッドを表示・ログインし、レシピをシェアする

このようにWebアプリを活用すれば、「食べログ」「Twitter」「クックパッド」などのアプリをダウンロードしていなくても、GoogleやYahoo!、Safariといった検索エンジンからWebアプリを開き、各種サービスを利用できます。

Webサイトとの違い

WebアプリとWebサイトの1番の違いは「機能の多様さ」です。

Webサイトは、インターネット上にあるWebページを複数組み合わせて構成されており、基本的な機能は文章や画像の閲覧に限られます。双方向ではなく、一方通行で静的であることが特徴です。

反対に、Webアプリにはコメント・メッセージの投稿や、商品購入、マップの表示や電卓を使った計算など、多様な機能が搭載されています。これらの機能の活用を通して、ユーザーと情報を提供する企業の間で双方向のコミュニケーションが発生するため、動的であることが特徴です。

このようにWebサイトとWebアプリでは、利用できる機能の幅が異なり、静的か動的かという違いがあります。

ネイティブアプリとの違い

ネイティブアプリとは、App StoreやGoogle Play Storeなどからスマートフォンにダウンロードできる、いわゆる「アプリ」のことです。
ネイティブアプリとWebアプリは「利用する経路」に違いがあり、それぞれ以下の経路で利用できます。

  • ネイティブアプリ:スマホやパソコンなどの端末上にアプリをダウンロードして利用
  • Webアプリ:Webブラウサ上でアプリにアクセスして利用

ネイティブアプリは、基本的に端末上のシステムを使って動きます。そのため、端末にアプリをダウンロードしないと利用できません。しかし、その分Webアプリよりも動作が早いというメリットがあります。

一方で、ネイティブアプリのデメリットは開発コストの高さです。
スマートフォン向けのネイティブアプリを作る場合、iOS版とAndroid版を用意するなら、開発者は2つのアプリを作成しなくてはいけません。費用も期間も、Webアプリを開発するより多くかかります。

なお、最近では、Webアプリをネイティブアプリのように利用できる“PWA”という技術があります。

PWAを使えば、ネイティブアプリでなくても、ホーム画面にアイコンを置いたり、プッシュ通知を送ったり、といった機能を実装することができます。

PWAについては、「PWAとは?Webサイトを「ほぼアプリ化」する方法」の記事で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

なお、パンタグラフではアプリを使わず効果的なマーケティングを実現できるWebサイトからのプッシュ通知「Push L」を提供しています。PWAを活用した開発不要のWebプッシュ通知になりますので、ぜひ参考にしてみてください。

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Webアプリの仕組みは?開発言語は何?

ここからは、Webアプリの構成要素や開発言語について解説します。Webアプリは大きく以下の2つの要素で構成されています。

  • クライアントサイド:フロントエンド
  • サーバーサイド:バックエンド

それぞれ必要な開発言語も異なるため、違いをしっかり理解しておきましょう。

クライアントサイド:フロントエンド

Webアプリにおけるクライアントサイド(フロントエンド)とは、ユーザーが直接触れる領域を意味します。
YouTubeを例に挙げると、以下の部分がクライアントサイドです。

  • YouTubeサイトのデザイン
  • 動画の検索バー
  • 再生・停止ボタン
  • コメント機能

これらクライアントサイドを開発するエンジニアを「フロントエンジニア」と呼び、プログラム言語は主に以下の3つが使用されます。

  • HTML:WEBページの構造や装飾を決めるプログラム言語
  • CSS:WEBページのデザインを決めるプログラム言語
  • JavaScript:アニメーションなどの動きをつけるプログラム言語

上記の中でも、HTMLとCSSはWebページを作るのに必須で、フロントエンドの開発にまず習得しておきたいプログラム言語です。

サーバーサイド:バックエンド

サーバーサイド(バックエンド)とは、ユーザーが直接触れない部分を指します。

サーバーサイドはクライアントサイドの要求に対し、結果を反映させたり要求されたデータを保存することが役割です。

具体例としてWebページで商品を購入した場合を挙げると、以下の機能がサーバーサイドに当たります。

  • サイト内でユーザーが入力したキーワードに基づき、該当する商品を検索結果として表示させる。
  • ユーザーが購入した商品情報を履歴として保存する。

サーバーサイドを開発するエンジニアは「バックエンドエンジニア」と呼ばれ、主に以下のプログラム言語を使用します。

  • PHP
  • Ruby
  • Python

特にPHPはWebサイトに特化したプログラミング言語で、多くのWebアプリ開発で用いられています。ほかの言語と比べて習得難易度も低いため、初心者がまず身に付けておきたいプログラム言語です。

データベース

データベースもWebアプリの動作に欠かせない存在です。データベースには、膨大なデータを管理・保存し、データを引き出しやすい状態にする役割があります。
例えば、YouTubeに投稿されている動画データを管理・保存するのがデータベースです。

データベースはユーザーの検索要求に応じて、保存された動画データから適切なものを検索結果として返します。

データベース管理・操作を行うときに使用される代表的な言語が「SQL」です。

SQLはオープンソースとして無料公開されているうえ、ISOなどで標準規格として採用されており、多くの人が利用しています。

Webアプリの開発の大まかな流れ。通常のWebサイトとは何が違う?

Webアプリを開発する際、大まかには以下のような流れで進めます。

  1. クライアントサイドのアプリを開発
  2. サーバーサイドのアプリを開発
  3. サーバー・データベースの設置

効率よくWebアプリ開発ができるよう、上記を理解し全体像をイメージしましょう。

1.クライアントサイドのアプリを開発

Webアプリでは、ユーザーが閲覧する画面をクライアントサイドといいます。
クライアントサイドは、アプリの全体像を設計してデザインやコード入力で開発を始めます。

この部分は、従来のWebサイト制作と同じ方法です。

クライアントサイドで使用する主な言語は、HTMLやCSS、JavaScriptが主流です。

2.サーバーサイドのアプリを開発

WebアプリがWebサイトやネイティブアプリと違う点は、サーバーサイドの開発です。
ユーザーから見えないサーバー側のことをサーバーサイドといいます。

Webアプリは、クライアント側が送った要求を、サーバー側で処理することで動いています。この要求を処理する役割を担うのがサーバーサイドです。

サーバーサイドの開発にはPHP、Ruby、Pythonなどがプログラミング言語としてよく使われます。

使用するプログラミング言語とフレームワークは? 

Webアプリ開発のプログラミング言語として、人気なのがPython(パイソン)です。

PythonはAIや人工知能のプログラミングにも使われるため、認知度が高いプログラミング言語です。

そのほかには、フロントエンドでも使われるJavaScript、プログラミング初心者にもおすすめのPHP、日本で生まれたRubyなどがあります。

また、各言語には「フレームワーク」というよく使われる機能をまとめたものがあります。
Webフレームワークを活用することで、効率的にWebアプリの制作が可能です。
各プログラミング言語で代表的なフレームワークは以下の通りです。

  • PHP:CakePHP
  • Ruby:Ruby on Rails
  • Python:Django、Flask

3.サーバー・DBの設置

Webアプリの開発には、Webサーバーの設置・構築が必要です。
アプリの規模に合わせて、レンタルサーバーやクラウドサーバーを活用するのが一般的です。

また、Webアプリにはデータを格納しておくためのデータベースが必要です。Webアプリで使用するデータは全てデータベースに保存されます。

データベースの開発に使われる主な言語は、OracleやMySQLなどが挙げられます。

このようなWebアプリの開発には、膨大な知識・スキルが必要になりますので、制作会社に外注してもよいでしょう。 自社のリソースを鑑みて検討してみてください。

パンタグラフでは、戦略に基づいたWebアプリ開発を行っています。興味があるご担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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Webアプリのメリット・デメリットとは?

Webアプリのメリット・デメリットについて、以下2つの視点から解説します。

  • 企業側のメリット・デメリット
  • ユーザー側のメリット・デメリット

メリットの多いWebアプリですが、ネイティブアプリと比較した際デメリットも存在します。Webアプリとネイティブアプリ、どちらを優先して開発するか悩んでいる場合は、以下の内容を踏まえて比較検討してみてください。

企業側のメリット・デメリット

【メリット】

Webアプリの開発は、ネイティブアプリよりもコストを抑えられる点が大きなメリットです。

また、Webアプリはアップデートしやすいというメリットもあります。
ネイティブアプリのアップデートはユーザーにゆだねられ、企業側でコントロールできません。しかし、WebアプリならWebサーバー側でアップデートできるため、ユーザーがアップデートする手間を省くことができます。さらに、ストアを通さないので、リリース時の審査も必要ありません。

【デメリット】

ネイティブアプリと異なり、ユーザーのホーム画面にアイコンを自動追加したり、プッシュ通知を表示させたりすることができないため、利用頻度を上げることが比較的難しくなります。
また、インターネットに接続していないと利用できず、オフラインでの利用はできません。

また、カメラの画像加工機能や生体認証機能といった端末側の機能の利用に制限があります。

ユーザー側のメリット・デメリット

【メリット】

ユーザーがWebアプリを利用するメリットは、なんといっても「手軽さ」が挙げられます。

アプリをインストールしなくても利用できるため、スマホのデータ容量を圧迫することもありません。ブックマークしたり、ホーム画面にショートカットを追加しておけば、すぐにアクセスすることができます。

また、ネイティブアプリと違い自分でアップデートすることなく、最新の状態で機能を利用することが可能です。

【デメリット】

ネイティブアプリの場合、インストールすると自動的にホーム画面にアプリのアイコンが追加されますが、Webアプリは自分で設定をしないとホーム画面からアクセスすることができないため、利便性が下がると言えます。

また、オフラインでの利用ができないほか、サーバーとのやり取りが必要な分、Webアプリの方がネイティブアプリより通信に時間がかかります。

Webアプリで成果を出すポイント

Webアプリは、ネイティブアプリのようにApp StoreやGoogle Play Storeの審査を必要とせず、より簡便に提供できます。ただし、アプリマーケットを介さない分、ユーザーへの認知が広まりにくい点がデメリットです。

Webアプリの認知度をアップさせるには、以下のポイントを意識することが大切です。

  • 階層化してユーザーが使いやすいように設計する
  • SEO対策を行い、検索からの流入を増やす

Webアプリを開発する場合、Webサイトと同じように階層を作り、コンテンツを見やすく設計していきます。

ユーザーの利便性が向上すれば、良い評判・口コミが広がり、利用者の増加につながるでしょう。

また、ネイティブアプリはユーザー自らインストールして利用するため、積極的にサービスを利用してくれる一方で、Webアプリは「無意識に利用していた」というユーザーが多く、動線が不安定です。

そのため、効果的なSEO対策を行い、検索からの流入を増やすことが必要です。

パンタグラフでは集客につながるコンテンツSEOのサポートを行っています。Webアプリ開発と併せてSEO対策についても詳しく知りたい方は、ぜひ以下から資料をダウンロードしてご一読ください。

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Webアプリの開発事例

Webアプリの開発事例として、以下2つを紹介します。

  • 食べログ
  • note

Webアプリ開発のイメージを鮮明にしたい方は、上記を参考にしてみてください。

食べログ

食べログはWebアプリの代表的な開発事例です。
食べログはグルメ情報を掲載したプラットフォームとして有名です。

日付や時間帯、予約人数などを絞り込みお店を検索できる機能や口コミ機能など多数の便利な機能が備わっています。

開発言語にはRubyが使用されており、会員登録や口コミ機能の作成に利用されています。

note

noteもWebアプリの代表的な開発事例です。
noteは文章やイラストなど自分の作品を手軽に投稿できるプラットフォームです。

人気ジャンルやタグから見たい作品を探せる機能やSNSとしての機能も有しており、非常に人気のあるプラットフォームとなっています。

開発言語にはRubyとJavascriptが使用されています。

まとめ

Webアプリはさまざまなサービスで利用されており、多くの企業で開発に取り組んでいます。

ニーズのある開発案件のため、関連するプログラミング言語はぜひ習得しておきたいものです。

ただし、フロントエンドとバックエンドなど開発領域によって使用するプログラミング言語が異なるため、注意が必要です。

パンタグラフでは、Webアプリはもちろん、PWAの制作サポートを行っています。開発を検討されているご担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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