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オンボーディングとは?アプリのユーザー数を増やす施策について解説
UI/UXデザイン 2023.09.07
ユーザー数増加や定着率向上は、アプリ開発やネットサービスに携わる人なら誰もが望むことでしょう。そのためにはアプリそのもののユーザビリティはもちろん大事ですが、それと同じくらいにオンボーディングも重要です。
本記事ではそんなオンボーディングの重要性やプロセス設計の手順、オンボーディングを行う際のポイントなどについて詳しく解説します。本記事を読めばオンボーディングがなぜ必要なのか、どうすれば効果の高いオンボーディングが行えるのかがわかります。
自社のアプリのユーザー数増加・定着率向上を図りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
オンボーディングとは?
オンボーディング(on-boarding)とは、ビジネス上では、新人社員の育成を通して自社の環境に馴染ませる施策を意味する言葉として使われています。本来は、「船などに乗っている状態」を意味する言葉です。
また最近では、そこからさらに転じて、アプリなどのユーザー初期定着支援のこともオンボーディングと呼ばれるようになりました。具体的には自社のサービスを利用し始めたユーザーに対し、使い方や機能に関するサポートをすることです。
オンボーディングは自社サービスの理解不足による離脱を防ぐ効果があるため、ユーザーの定着を図る施策として非常に重視されています。
オンボーディングの重要性!3つのメリット
オンボーディングの重要性を以下の3つにわけて詳しく説明します。
- アプリの第一印象がよくなる
- 新規ユーザーの離脱を防ぐ
- 安定的な収益の確保を行える
アプリの第一印象がよくなる
オンボーディングによってサービスの充実度・使いやすさなどを伝えることができれば、新規のユーザーに対してよい第一印象を与えられます。サービスに関しての説明が不十分だとユーザーはどう利用してよいのかわからず、サービスを利用する前に早期離脱してしまう可能性が高いでしょう。
どんなに画期的なアプリであっても、継続的な利用まで至らなければそのよさがユーザーには伝わりません。そのため初見でよい印象を与えることは、ユーザーが定着するための大事な一歩といえるのです。
新規ユーザーの離脱を防ぐ
アプリの使い方や機能を説明することで、「機能がわからない」「使いこなすのに時間がかかる」といった理由によるユーザーの離脱を防ぐ効果があります。オンボーディングの主な目的は新規ユーザーの離脱を防ぎ、定着率を向上させることです。最初の段階で手厚いサポートを行うことによって、早期離脱防止につながるのです。
また、単に使い方を説明するだけでなく、実際に操作をサポートしながら説明することで、よりユーザーの理解度がより高まります。
安定的な収益の確保を行える
オンボーディングによってユーザーがサービスを使いこなせるようになれば、ユーザーの早期離脱率が減ります。さらに、ユーザーが定着することで安定的な収益がもたらされます。
特に、アクティブユーザー数を確保して安定した収益を得たいアプリなどであれば、最優先でオンボーディングの改善に注力すべきでしょう。
オンボーディングの設計プロセスとは?
ここからは、具体的なオンボーディングの設計プロセスについて、順番に解説します。
- オンボーディングのゴールを決める
- オンボーディングの具体的な手段を決める
- プロセスに従って実施・改善していく
1.オンボーディングのゴールを決める
効果の高いオンボーディングを実施するためには、あらかじめ「何を達成すれば成功といえるのか」というゴールを明確にしておく必要があります。
オンボーディングはユーザー自身がアプリを使いこなせるようになり、効果を実感してもらうために行うものです。サービスの効果を実感するためにどれだけアプリを使いこなせる必要があるかはアプリによって異なるため、ゴールの明確化は重要です。
ちなみにゴールを決めるうえでは、数字で測れる「定量的」なものと数字では表せない「定性的」なものをわけて考え、それぞれ設定するのがポイントです。
2.オンボーディングの具体的な手段を決める
ゴールを明確にしたら、オンボーディングの具体的な手段を決めます。その際、重視すべきことはユーザー1人当たりの利益やユーザー数、アプリの種別に応じて「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」と手段を分けることです。以下、それぞれの違いをまとめました。
・ハイタッチ
顧客とのマンツーマンサポートを重視するアプローチです。顧客のニーズに対して、担当者や専門家 が積極的にアプローチします。高額な製品やプレミアムブランドなどで使用されるサービスです。
・ロータッチ
セミナーや研修会などを通じて、複数の顧客に対して1名の担当者で対応するサービスです。大規模な顧客に一斉にアプローチできるので、効率的なカスタマーサポートが可能になります。
・テックタッチ
チャットボットやプッシュ通知などのテクノロジーを活用して、顧客対応を行うことです。自動化ツールによって顧客をオンライン上のサポートするため、時間や状況に関わらずカスタマーサポートが可能となります。
以上3種類の手段をLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)に応じて使いわけるのが効果的でしょう。
3.プロセスに従って実施・改善していく
オンボーディングの具体的な手段が決まったら、問題点を改善しながら実施しましょう。
オンボーディングにはさまざまな施策があります。たとえばアプリ起動時に数枚のスライドを用いて簡単にアプリの説明をする「ウォークスルー」、ガイドに従い実際にユーザーが操作しながら使い方を覚える「チュートリアル」などが例としてあげられます。
ユーザーの問い合わせやクレームなどを参考にし、アプリ利用時のストレスや問題点を洗い出します。そして、どのような手法を用いるべきかを考え、改善を繰り返すことで、より効果のあるオンボーディングが実施できます。
オンボーディングを行う際のポイント
オンボーディングを行う際のポイントを4つ紹介します。
- 初回説明はやさしくする
- チェックリストや進捗状況を示す
- ユーザーにあったオンボーディングを行う
- オンボーディングの効果を測る
それぞれどのような点に注意し、どんな施策を行えばよいかなどについて解説します。
初回説明はやさしくする
オンボーディングはアプリの第一印象に大きく関わり、アプリに対する第一印象が悪いとサービスの解約率が高まります。そのため、初回はアプリの基礎的な使い方を簡単な説明する程度にとどめておくのがよいでしょう。そして、サービス利用中にユーザーが新しい機能を使う際は、その都度必要な情報を簡潔に伝えられるとよいです。
初回にあまり長い説明をしてしまうと、ユーザーにネガティブな感情を持たれてしまうので、最初はできる限り簡潔に説明することを意識してください。
チェックリストや進捗状況を示す
使用しているアプリについてどれくらい理解しているかユーザー自身が把握できるよう、チェックリストや進捗状況を示しましょう。
ユーザー自身がどの程度アプリを使いこなせているかがわかれば、快適にアプリを利用できるため、アプリの離脱率低下につながります。
特に、LTVが大きなハイタッチを行うユーザーの場合、細かく進捗確認を行うことで、できる限り離脱を防ぐ対策をとるのが望ましいでしょう。
ユーザーにあったオンボーディングを行う
オンボーディングの施策はたくさんあり、ユーザー層によって向き・不向きがあります。そのため利用するユーザーのニーズに合ったオンボーディングの施策を実施しましょう。
例えば、「ウォークスルー」と呼ばれる施策では、初回アプリ起動時にアプリの紹介を数スライドで説明(1枚スライドも含む)します。スキップが可能だったり、CTAボタンが表示されていたりするパターンもありますが、サービスを利用するユーザーに合わせて、見せ方や見せる内容を検討する必要があります。
そのため、まずはどのようなユーザーが自社のアプリを利用するのかを考えてペルソナを設定し、ペルソナがどのようなオンボーディングを求めているかを考えます。そしてオンボーディングを実施する前に顧客のニーズや課題に対するアプローチ方法を検討し、ユーザーが快適にアプリを利用できるオンボーディングになるよう工夫することが大事です。
ペルソナ設定については、以下の記事がありますので、参考にしてみてください。
オンボーディングの効果を測る
オンボーディングを実施したら「解約率」「アップセル・クロスセル率」「オンボーディング完了率」などを可視化し、オンボーディングの方法を適宜見直しましょう。
解約率はサービスを解約したユーザー、アップセル率はより高単価のサービスの利用につながったユーザー、クロスセル率は関連サービス等を購入して一人当たりの単価が上がったユーザー、オンボーディング完了率はサービスを使いこなせるようになったユーザーの割合を示す指標です。
これらの指標を適切に用いて効果測定を行えば、LTV向上、ひいては売上向上につながるため、効果測定はオンボーディングを行ううえで非常に重要です。
オンボーディングの参考事例3選
以下は実際に行われているオンボーディングの参考事例です。人材系、エンタメ系、クリエイティブ系でそれぞれ参考になるものを紹介するので、自社でオンボーディングを行う際の参考にしてください。
なお、パンタグラフで行ったオンボーディング調査結果は以下から確認できます。
①人材系-SmartHR
人事労務ソフトのSmartHRではチャットボットが使用され、操作方法や仕様について自動応答で対応してくれます。データ分析が管理画面で利用できるよう設計されており、ユーザビリティに優れているのがSmartHRの特徴。
SmartHRは登録社数50,000社以上、サービス利用継続率が99%という高い実績を誇っています。オンボーディング施策の成功事例の一つといえるでしょう。
②エンタメ系-Canva
Canvaはオンライン上で自由にデザインを作って公開できるデザインツールです。Canvaではユニークなサービス紹介動画で楽しく使い方を学ぶことができ、デザイン方法を学習できるガイドツアーも充実しています。
またサービス利用開始時に利用目的に関する質問がされ、その回答内容に合わせてニーズに合ったサービスが紹介されるのも特徴的な点といえるでしょう。
③クリエイティブ系-adobe
Photoshop、Illustrator、Premiere Proなど、数々のクリエイティブツールを提供することで有名なAdobeのサービスでは、学びたいコンテンツに応じたガイドツアーがふんだんに用意されています。
Adobe製品はプロのクリエイターも使うこともあり、一般のユーザーにはとっつきにくいところもありますが、丁寧なチュートリアルがあるため操作に慣れやすく一般ユーザーでも使いやすいような工夫がなされています。
オンボーディング まとめ
アプリのユーザー定着率向上のためには、適切なオンボーディングを行うことが非常に重要です。単に使い方や機能を説明するのではなく、アプリの内容やユーザー層に合わせてできる限り最適化し、効果の高いオンボーディングになるよう工夫しましょう。
オンボーディングを行ったら効果をはかり、解約率やオンボーディング完了率をチェックして改善を繰り替えすことでより効果が高まります。本記事を読んでオンボーディングの重要性やプロセス設計行う際のポイントを抑えたら、ぜひ実践してみてください。
パンタグラフではオンボーディング調査をはじめ、アプリに関する改善提案・制作も行っています。オンボーディングの設計やアプリの離脱率が高いなどお悩みの方は、ぜひパンタグラフにご相談(無料)ください。
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