SEOの検索キーワード選定のやり方|基本の手順・使用ツールを解説!

SEO 2023.10.04

SEO記事の制作における最も重要なステップの一つが「キーワード選定」です。リードの課題や疑問に対応したキーワードを設定することでWebページへの効率的な集客が可能になります。

本記事ではキーワード選定の概要や種類、キーワード選定のやり方、ポイントを解説します。

SEOにおけるキーワード選定とは?

キーワード選定とは、SEO記事のテーマとなる特定の「単語」や「フレーズ」を選ぶプロセスです。ここでいう「キーワード」とは、ユーザーが検索エンジンで検索する際に入力する言葉を指します。

キーワード選定はSEOの成功を左右する重要な要素です。SEO記事の企画段階でキーワード選定は行われ、コンテンツ制作の指針としても機能します。

キーワードごとにニーズの内容や大小が異なるため、サイトの目的、ターゲットのニーズや検索行動を加味して、最適なものを選ぶことが大切です。

SEO記事を掲載するオウンドメディアの立ち上げ方法については、「オウンドメディアとは?作成する意味や作成方法、事例を一挙に解説」を、その他のSEO対策については「2023年版|SEOとは?効果的な対策と上位表示の仕組みをわかりやすく解説」をご覧ください。

検索ボリューム(キーワードボリューム)とは?

検索ボリューム(キーワードボリューム)は特定キーワードの月間検索数です。検索ボリュームが1,000である場合、そのキーワードは月に1,000回検索されたことを意味します。人々のニーズを計る上でも検索ボリュームの参照は有効です。ボリュームの高いキーワードは大きなニーズを示す一方で、競合も多くなります。

また、検索ボリュームが大きいからといって、必ずしも流入数につながるわけではありません。実際のサイトへの流入は検索順位ごとのクリック率(CTR:Click Through Rate)にも大きく左右されるからです。

キーワードごとの検索ボリュームの調べ方は、「検索ボリュームの調べ方の決定版!効果的なツールの紹介も」をご覧ください。

キーワードにはどんな種類がある?

キーワードは検索ボリュームや検索意図などの観点に応じて、複数の種類にわけられます。ここでは、観点別にキーワードの種類と各種類の特徴を解説していきます。

検索ボリュームによる分類

種類 検索ボリューム 競合度
ビッグワード 10,000以上 非常に高い
ミドルワード 1,000〜10,000 中程度
スモールワード 1,000以下 低い

検索キーワードは検索ボリュームによって「ビッグワード」「ミドルワード」「スモールワード」の3つに分けられます。

・ビッグワード

ビッグワードは検索ボリュームが1万以上の、多くの人が検索するキーワードです。検索上位に入れば大きな流入が見込めるものの、競合が大きく上位表示されるのは難易度が上がります。また、ユーザーの検索意図もさまざまのため、ターゲットを絞るのが難しいという特徴があります。

・ミドルワード

ミドルワードは中程度(1,000~1万以下)の検索ボリュームを持ち、特定のニーズを満たす集客が見込めるキーワードです。

検索ボリュームが大きくなくても、複数のミドルワードにランクインすることで、集客につながることもあります。

・スモールワード

スモールワードは検索数が少ないものの、特定のターゲットに対して高い効果を発揮するキーワードです。目的がはっきりしたユーザーへのアプローチやコンバージョンを目的とした記事制作に適しています。

キーワードごとの検索ボリュームの調べ方については、「検索ボリュームの調べ方の決定版!効果的なツールの紹介も」で詳しく解説しています。

検索意図による分類

比較項目 検索意図 競合度
Goクエリ 特定サイトへのアクセス 低い
Doクエリ 具体的な行動や活動の理解 中程度
Buyクエリ 商品やサービスの購入 高い
Knowクエリ 情報や知識の獲得 中〜高

検索キーワードはユーザーの検索時の意図や目的に基づいて、「Goクエリ」「Doクエリ」「Buyクエリ」「Knowクエリ」の4つのカテゴリに分類されます。

・Goクエリ

Goクエリは特定のサイトやページへのアクセスを目的とした検索で使用されます。

例「株式会社パンタグラフ」「パンタグラフ ホームページ」

・Doクエリ

Doクエリは何かをしたいときに行動の手引きを求める検索キーワードです。

例「アプリ ダウンロード」「SEOツール 資料請求」

・Buyクエリ

Buyクエリは「○○を購入したい」という購入意図を持つ検索キーワードです。

例「iPhone 購入」「ドライヤー 5000円以下」

・Knowクエリ

Knowクエリは情報や知識を求める検索キーワードです。

例「検索ボリュームとは」「白米 炊き方」

YMYL(Your Money or Your Life)による分類

YMYLとはユーザーの生命、健康、経済活動などに直接影響を及ぼすコンテンツを指します。具体的には医療、金融、法律などに関わるキーワードです。YMYLはGoogleが設定する「検索品質評価ガイドライン」項目の一つになっています。

YMYLキーワードに関するコンテンツには正確性や信頼性、権威性が求められ、専門家の監修などの対策が必要になるため、あらかじめよく理解しておく必要があります。

YMYL領域のコンテンツの対策について詳しくは、「YMYLとは?該当ジャンルや効果的なSEO対策方法を解説」をご覧ください。

キーワード選定のポイント

キーワード選定は目的やターゲットに応じて行います。一般的に、集客にはビッグワードやミドルワードが、リードナーチャリングにはDoクエリやBuyクエリが適しています。コンバージョン獲得にはBuyクエリや特定のスモールワードが有効です。目的に応じたキーワード選定を進めましょう。

ここからは、キーワード選定の際に気を付けたいポイントを3つご紹介します。

サイトの目的・商品やサービス内容の確認

キーワード選定前に、サイトの目的や商品内容をしっかりと確認・把握しましょう。

例えば、来店や予約が目的であるレストランのサイトコンテンツで、「ズボラ料理」「手抜き料理」を記事のキーワードとして選ぶのは適切ではありません。レストランの特色や人気メニューをフィーチャーした記事が効果的といえます。

また、候補キーワードの上位記事を確認して、自社の商品・サービスがユーザーニーズとマッチするかどうかも確認しましょう。例えば「防寒」に関するキーワードで、上位記事がほとんど「服装」に関する記事である場合、暖房機器を取り扱う家電系サイトよりも、アウターの購入ができるECサイトのほうが有利になります。

サービスや商品の特性をしっかり理解し、それに合わせたキーワードを選ぶことが大切です。

ターゲットの確認

SEO記事のターゲットを明確にしましょう。ターゲットを明確にすることで、ペルソナや検索意図が理解でき、適切なキーワード選定につなげることができます。ペルソナは顧客の特性やニーズを示すものです。ペルソナを基にターゲットへの効果的なアプローチを進めます。検索意図はターゲットが何を求めているかを示す要素です。

ペルソナ設定のやり方については「ペルソナ設定のやり方決定版!項目から設定手順まで解説」をご覧ください。

ユーザーが実際に調べるときに使う言葉を選ぶ

専門的過ぎるキーワードは集客効果を低下させる恐れがあります。ユーザーが実際に使うワードを選ぶことが大切です。例えば「オーバーコート」と「外套」は同じ意味ですが、多くのユーザーは「オーバーコート」で検索します。言い換えの可能性があるキーワードは、ターゲットのニーズや検索ボリュームを考慮して選定しましょう。

キーワード選定のやり方

キーワード選定は、以下の手順で行います。

  1. ユーザーの課題を洗い出す
  2. ユーザーの課題ごとに軸となるキーワードを決める
  3. サジェストキーワード、関連キーワードを洗い出す
  4. キーワードを整理・絞り込む

キーワード選定のプロセスを順に分かりやすく解説します。

1. ユーザーの課題を洗い出す

はじめにユーザーの課題を洗い出します。例えばパンタグラフが運営する受験情報メディア「受験のミカタ」の場合、ユーザーは高校生、大学受験生です。

具体的なユーザーの課題として「定期テスト対策」や「受験までの勉強スケジュール」などが挙げられます。これらの課題から関連キーワードを予測し、ニーズに合った言葉やフレーズをリストアップしていきます。

2. ユーザーの課題ごとに軸となるキーワードを決める

ユーザーの課題に基づいて軸となるキーワードを特定していきます。「因数分解ができるようになりたい」という課題であれば、「因数分解」を軸のキーワードとして設定します。さらに、関連する「方法」や「練習問題」などのサブキーワードを派生させます。

3. サジェストキーワード、関連キーワードを洗い出す

サジェストキーワード、関連キーワードは検索窓に入力する際に自動表示されるキーワードです。ユーザーの検索動向を調べる際に役に立ちます。「因数分解」を入力すると、「公式」や「たすきがけ」などがサジェストされます。

サジェストキーワードについて詳しくは、「サジェストとは?SEO対策における活用法やツールもご紹介!」の記事で解説しています。

4. キーワードを整理・絞り込む

洗い出したキーワードを整理し、絞り込んでいきます。競合の多さや自社サービスとの関連性も考慮して選定を進めます。また、YMYL領域では情報の正確性や専門性が求められるため、特に慎重にキーワードを選んでいくことが大切です。

キーワード選定に役立つツール5選

キーワード選定に役立つ主要なツールを紹介します。何を使えばよいか分からない方は、ぜひこちらに掲載のツールから使って見てください。

Googleキーワードプランナー

Googleキーワードプランナーは新しいキーワードの発見や検索ボリュームの確認に最適なツールです。具体的な検索数、競合度、予想CPC(Click Per Cost:クリック単価)まで詳細に分析できます。Google広告アカウントを保有していれば基本的な機能は無料で利用可能です。

Googleトレンド

Googleトレンドはキーワードのトレンドをリアルタイムで捉えることができます。地域ごとの検索動向も分析可能です。コストを抑えて効果的にSEO対策の実施を進めたい方には必須のツールといえます。

ミエルカ

ミエルカを使うと、キーワードのニーズや関連度を視覚的に把握することができます。AIによるサジェスト自動グルーピングで検索意図を整理し、競合サイトのキーワード戦略も簡単に分析できます。無料体験版が用意されています。

Pascal

Pascalは競合サイトの流入キーワードを瞬時に把握し、Googleサーチコンソールとの連携で集客効果の高いキーワードを自動で提案します。流入回数やCTRを基に、見逃していたキーワードも気づかせてくれます。使用料はかかりますが、無料体験版も用意されています。

ラッコワード

ラッコワードはサジェストキーワードや関連キーワードの探索に使用します。メインのキーワードを入力すると、サジェスト/関連キーワードを瞬時に提供してくれます。無料版/有料版が使用できます。コストを抑え、キーワード選定の幅を広げたい方におすすめのツールです。

適切なキーワードが思い浮かばないときの対処法

「主要なキーワードの記事制作が完了してしまい、なかなかよいキーワードが思いつかない」とお悩みのサイト運営者の方も多いのではないでしょうか。適切なキーワードのアイデアが出ない場合の対処法をご紹介します。

競合サイトのキーワードを確認

キーワードプランナーやミエルカなどのツールを使用し、競合サイトが取得しているキーワードを参考にしてみましょう。分析情報を基に自社がまだ制作していないキーワードを抽出すれば、新たなコンテンツ作成に役立てます。

子記事の作成

既存の記事から派生する形で「子記事」を作成していきます。主要なトピックから派生したテーマに焦点を当てることで、新しいキーワードや視点を探求することができます。子記事を作る際は親記事の各項目、もしくはサブキーワードなどから発想を得ましょう。サイトの網羅性向上にもつながり、既存記事の評価を高める効果もあります。

SNSのトレンドを活用

SNSのトレンド参照も有効です。SNSでトレンド入りしているキーワードは検索エンジンでも多くのユーザーに調べられている可能性があります。自社製品やサービスと関連のあるトレンドワードは特に重視しましょう。

ユーザーフィードバックの活用

ユーザーからの質問やコメント、フィードバックはキーワード案出において非常に役立ちます。ユーザーのニーズや疑問点を分析し、関連するキーワードを選んでいきましょう。ソリューションコンテンツの作成において有効なキーワード選定手法です。

まとめ

検索キーワードの選定はSEO記事制作の成功を左右する重要なプロセスです。適切なキーワードを選ぶことで潜在的な顧客のニーズに対応し、集客効果の向上が期待できます。

本記事ではキーワード選定の概要や種類、キーワード選定のやり方、ポイントを解説しました。検索キーワードへの理解を深めて頂き、皆様が進めるSEO対策の一助となれば幸いです。

パンタグラフでは、サイトの目的やターゲットに合ったキーワード選定から記事制作、入稿、結果分析まで一気通貫で行っています。

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