UXデザインとは?手法・プロセスや成功事例3選、役立つ資格を紹介
UI/UXデザイン 2021.07.19
Webに限らず、「UXデザイン」という言葉を耳にする機会が増えてきました。この記事では、混同されがちなUIデザインとの違いや注目の背景、実際のやり方などを解説します。また、今後、UXデザイン分野でスキルアップを図りたい方向けに、UXに関連する資格についても紹介します。
目次
UXデザインとは?注目の背景を解説
UXとは、User Experienceの略で、日本語で「ユーザー体験」と表されることもあります。製品やサービスを通して、ユーザーが体験することをデザインするのがUXデザインです。
単に製品の見た目が良いかどうか、機能が便利かどうかだけではなく、その製品を使った体験を通して、良い感想を得られることを目指すデザインだといえます。
UXは、ユーザーによる使いやすさ(ユーザビリティ)に関する考え方の一つです。
なお、ユーザビリティについて、詳しくは、「ウェブユーザビリティとは何か?UIとUXとユーザビリティの関係性について」をご覧ください。
UXデザインとUIデザインの違い
UXデザインと混同されがちな言葉に、「UIデザイン」があります。
UIとは、User Interfaceの略で、人の世界と機械やモノの世界に接点を持たせるコミュニケーション空間を意味します。このような人とモノのかかわりを便利にするデザインの考え方がUIデザインです。
例えば、使いやすいスマートフォンアプリのデザイン、何を表すか分かりやすいアイコンやボタンの表示などがUIデザインです。
一方で、UIと異なり、UXとは、ユーザーの体験そのものを表す言葉です。このため、UIはUXの一部だと言えます。
UIとUXを合わせて、UI/UXやUX/UIと呼ぶ場合もあります。UI/UXについて、詳しくは、「【UI/UX】ユーザーの快適環境を実現するためのポイントを解説!」をご覧ください。
UXデザインの成功事例3選
ここでは、UXデザインの成功事例を紹介します。
UXデザインの成功事例①ZOZOTOWN
ファッション通販を行うZOZOTOWNのアプリは、通販アプリの中でも特にUXにおいて成功を収めた事例だと言えます。
Apple store
Google Play
検索のしやすさや見やすい画面表示だけではなく、細かなサイズ表記や比較、サイズ計測機能などによって、通販でありがちな「実物のサイズが予想と違った」というトラブルを起こしにくい設計となっています。
また、衣類だけでなく、靴や化粧品の取り扱いも強化。似合う化粧品の色や足に合う靴のサイズなど、細かい情報を画像解析によって割り出す機能があります。
このような機能から、ユーザーは快適なファッション通販体験を行えるでしょう。
UXデザインの成功事例②Netflix
Netflixは、ドラマや映画などの配信サービスです。
スマートフォンアプリによって、ユーザーに、自宅や移動中でも映像コンテンツを楽しむ体験を提供しています。
Apple Store
Google Play
ユーザーの興味に合ったコンテンツのレコメンド機能や、ダウンロード機能によって、ユーザーが映像コンテンツを見る体験の幅が広がりました。
NetflixアプリのUI/UXについて詳しく知りたい方は、「【アプリのオンボーディング事例】UXデザインとユーザーフローチャート-Netflix編-」をご覧ください。
UXデザインの成功事例③リングフィット アドベンチャー
最後の事例は、Nintendo Switchのゲームソフト「リングフィット アドベンチャー」です。
スマートフォンアプリではありませんが、UXデザインの成功事例として参考にしたい点が多く見られます。
https://www.nintendo.co.jp/ring/
リングフィットアドベンチャーは、リング型のコントローラーなどを用いて体の動きを認識するフィットネスゲームです。
フィットネスの動きがアドベンチャーゲームの操作と一体になっているため、楽しく運動をしたいユーザーニーズを満たし、人気となっています。
徹底したゲーミフィケーションにより、ユーザー体験を向上させた成功事例だといえます。
UXデザインの手法・プロセス
ここでは、Jesse James Garrett氏が提唱する「UXの5段階モデル」に沿って、UXデザインの手法・プロセスを説明します。
UXデザインの手法・プロセス①戦略
UXデザインの「戦略」プロセスでは、「どのようなユーザーをターゲットに、どのような体験を届けるのか」を決定します。
ここで決定した方針が、UXデザインの要となります。
デジタルマーケティングの戦略の立て方については、「【デジタルマーケティングの戦略】立案のしかたと効果測定方法を解説」をご覧ください。
※URL未設定
「戦略」プロセスでは、ユーザーインタビューやSWOT分析、ペルソナなどによって、ターゲットのニーズや製品・サービスの価値について理解することが重要です。
ペルソナについて、詳しくは、「ペルソナ設定の方法を知ればマーケティングのやり方が変わる!」、「【実案件で学ぶ】ターゲットに深く刺さるペルソナの作り方と事例」をご覧ください。
UXデザインの手法・プロセス②要件
「要件」プロセスでは、「戦略」で定めた体験を実現するために必要な機能やコンテンツを決定します。
また、どのようにマネタイズするのかを考える事も重要です。
「体験」の要件定義のアウトプットとしては、カスタマージャーニーマップ、ストーリーボードなどが有効です。
カスタマージャーニーマップについて、詳しくは、「カスタマージャーニーマップはなぜ重要なのか?メリットや作り方の注意点を解説」、「リテンションの意味とは?経営者が知っておきたいマーケティング用語」をご覧ください。
UXデザインの手法・プロセス③構造
「構造」プロセスでは、定めた要件を実現できるよう、機能やコンテンツ全体を構造化し、まとめます。
ビジネス面、技術面、クリエイティブ面から見て破綻のないように構造化することが重要です。
この段階からは、インターフェースの使いやすさであるUIが大きく関わります。
UI/UXについて、詳しくは、「【UI/UX】ユーザーの快適環境を実現するためのポイントを解説!」、「現役UIデザイナーが制作した入力フォームを自身で解説!【WEB屋必読】」をご覧ください。
「構造」プロセスでは、サイトマップやUIモデリングの作成を目指します。
UXデザインの手法・プロセス④骨格
「骨格」プロセスでは、より具体的に、製品・サービスの設計を行います。
構造段階よりも細かく、インターフェースや情報を骨組みに加えていきます。
「骨格」プロセスでは、ワイヤーフレームやプロトタイピングを作成することが多いです。
また、プロトタイプを利用したユーザビリティテストを行うことが効果的です。
UXデザインの手法・プロセス⑤表層
「表層」プロセスでは、これまでの段階を踏まえ、製品・サービスの視覚的なデザインを作成します。
ビジュアルアイデンティティやロゴデザイン、使用するフォントや色彩などにより、統一感のある体験を実現します。
視覚的デザインの面だけでも、UI/UXに大きく関わるポイントが多くあります。詳しくは、「UIデザインとは何かを勉強しよう!基礎知識と参考事例5選まとめ」をご覧ください。
なお、デザイン面で統一すべき事柄を「トンマナ」と呼ぶ場合があります。
詳しくは、「トンマナの意味とは?トンマナを決める方法を事例からわかりやすく解説」をご覧ください。
UXデザインに役立つ資格
ここでは、UXデザインを勉強する際や、UXデザイナーを目指す人に役立つ資格を紹介します。
UXデザインに役立つ資格①ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、Webデザインに関する知識・技能、実務能力などを問う国家資格です。
UXデザインに関する分野では、ユーザーインターフェースやユーザビリティの知識が問われるほか、ページデザイン、レイアウトなどの実技試験があります。
UXデザインに役立つ資格②認定人間中心設計専門家・スペシャリスト
認定人間中心設計専門家・スペシャリストは、人間中心設計推進機構が実施する認定制度です。
専門家・スペシャリストそれぞれに必要な実務経験が定められ、さまざまな企業に採用されています。
https://www.hcdnet.org/certified/
ユーザーに使いやすい設計をするための能力である「HCDコンピタンス」を持っているかどうかを問われる認定試験です。
UXデザインに役立つ資格③ユニバーサルデザインコーディネーター認定資格
ユニバーサルデザインコーディネーター認定資格は、実利用者研究機構が実施する認定資格です。
あらゆる人にとって使いやすい「ユニバーサルデザイン」を用い、問題解決できる能力を問います。
合計5つの級、準級に分かれており、それぞれに講座の受講と試験課題が必要になっています。
パンタグラフでは、UXデザインの無料相談を行っております。ご興味のある方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
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