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オウンドメディアのKPI設計をフェーズ別に解説|BtoBのKGI逆算・計測方法
マーケティング 2026.09.30

PVが増えていても、商談や売上への貢献を説明できなければ、オウンドメディアへの投資判断は難しくなります。KPIは全期間で固定するのではなく、事業目的とメディアの運営状況に応じて優先順位を変える設計が有力です。
本記事では、BtoBのリード獲得を例に、オウンドメディアのKPIを「立ち上げ期・成長期・成熟/改善期」の3フェーズに分けて解説します。KGIからの逆算方法、計算式、計測の仕組み、見直しの基準まで整理しました。
各フェーズで優先するKPIの全体像は次のとおりです。
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フェーズ |
主目的 |
最優先KPIの例 |
補助KPIの例 |
次フェーズへ進む判断材料 |
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立ち上げ期 |
検索流入・計測基盤の整備 |
ターゲットクエリの表示・クリック、自然検索セッション |
インデックス状況、主要CV計測の実装状況 |
ターゲット流入と主要CVを継続して測定できる |
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成長期 |
CVと有効リードの改善 |
主要CV数、CVR、有効リード率 |
CTAクリック率、フォーム完了率、テーマ別CV |
リードから商談までを一定の定義で追跡できる |
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成熟/改善期 |
商談・受注への寄与と投資配分の見直し |
商談化数、パイプライン寄与、受注寄与 |
MQL数、商談化率、CAC、アシスト接点 |
KGI・投資配分・コンテンツ群を定期的に見直せる |
PVや記事本数だけでメディアの成果を判定しないことが重要です。目標値は一律の相場ではなく、自社のCVR・商談化率・受注率・営業の対応能力・投資額から逆算します。
目次
まず自社の運営フェーズを判定する:公開期間ではなく成果を生む仕組みで見る
フェーズは公開からの月数だけで決めるより、流入、コンテンツ資産、CV導線、営業連携の整備状況から仮置きする方法があります。
公開から時間が経っていても、ターゲット検索での流入、CV計測、営業への引き渡しが未整備なら、立ち上げ期の課題が残っていると考えられます。反対に、公開期間が短くても流入・導線・計測が整っていれば、成長期の課題に取り組める場合があります。
該当項目が多いフェーズを仮置きし、KPI運用後に見直してください。事業テーマごとに成熟度が異なる場合は、新規テーマと既存テーマを分けてKPIを管理する方法もあります。
立ち上げ期の判定基準:検索流入・コンテンツ資産・計測基盤がまだ固まっていない
立ち上げ期は、ターゲット検索での露出や流入が安定せず、CV導線と計測定義も整い切っていない状態です。この段階では、商談数だけを急いで追うより、成果を測れる土台づくりを優先する設計が考えられます。
次の項目に多く当てはまる場合は、立ち上げ期として扱うことを検討します。
- 重要ページの検索エンジンへの登録状況を確認できていない
- 顧客課題、検索意図、記事テーマの対応関係が整理されていない
- ターゲットクエリの表示回数、クリック数、自然検索セッションが安定しない
- 流入クエリが見込み顧客の課題と十分に結び付いていない
- CTAやフォームの設置ルールが記事ごとに異なる、または導線が少ない
- 主要イベント・CVの計測が正しく動作しているか確認できていない
- 検索、アクセス、フォームのデータを確認する担当者が決まっていない
公開本数が多くても、ターゲット流入や計測が整っていなければ、立ち上げ期の課題は残り得ます。テーマ設計、重要記事への内部リンク、CTA、主要イベントのテストを優先候補にします。
成長期・成熟/改善期の判定基準:流入の次にCV品質と営業成果を見られるか
成長期はCV数・CVRの改善に重点を置く段階、成熟/改善期はリードの商談化・受注寄与も踏まえて投資配分を見直す段階です。両者を分けるポイントは、営業成果まで追跡し、施策判断に使える状態かどうかです。
流入はあるのに主要CVが増えない、フォーム離脱が多い、有効リード率が低い場合は、成長期の課題として導線とコンテンツを見直します。
一方、リードからMQL、商談、受注までを追跡でき、記事・テーマ別に継続、改善、統合、停止を判断している場合は、成熟/改善期に近い運用といえます。
なお、商談化率が低い要因はコンテンツだけとは限りません。リード定義、対象企業、オファー、営業フォロー、CRMステータスも併せて確認してください。
フェーズ別KPIをKGIから逆算する4ステップ

KPIは思い付いた指標を並べるのではなく、KGIを定め、必要な要素を分解し、優先順位を付ける流れで設計します。まずは用語の役割を整理しておきましょう。
- KGI:最終的に達成したい事業目標
- KPI:KGI達成に向けて継続管理する重要指標
- 先行指標:最終成果より早く変化を捉えやすい指標
- 行動指標:記事公開数やリライト数など、実行量を示す指標
- 参考指標:状況把握には使うが、単独で達成判定しない数値
KPIとKGIの基本は、「KPI・KGIとは?目標を明確にするメリット・人材育成に役立つ運用法を解説」の記事で詳しく解説しています。
ステップ1:事業KGIとオウンドメディアの役割を1文で決める
KGIには、期限、対象、数値、判定方法を含めます。BtoBの例は「対象期間内に、オウンドメディア起点または接点ありの商談を○件創出する」です。
このとき、初回接点だけを起点とするのか、商談前の閲覧も接点として含めるのかを事前に定義します。
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事業上の目的 |
KGIの例 |
メディアが主に担う役割 |
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新規受注の拡大 |
半期でメディア接点あり商談を○件創出する |
認知、リード獲得、商談支援 |
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パイプライン創出 |
四半期で対象リードの商談見込み金額を○円創出する |
有効リードの獲得・育成 |
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採用強化 |
年間で採用記事経由の応募を○件獲得する |
候補者への情報提供、応募促進 |
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ブランド形成 |
対象カテゴリの指名検索や想起指標を改善する |
専門性の訴求、接点の拡大 |
検討期間が長い商材では、コンテンツ単独の売上への直接帰属が難しい場合があります。その場合は、商談数やパイプライン金額を中間KGIとして併用する選択肢があります。
ブランド形成で指標にする指名検索については、「指名検索とは何か?一般検索との違いやSEO対策方法を解説」の記事で詳しく解説しています。
ステップ2:KPIツリーで「売上・商談・リード・CV・流入」を因数分解する
KPIツリーは、KGI達成に必要な要素を階層的に分解するフレームワークです。BtoBのリード獲得モデルでは、受注から流入までを掛け算の関係で分解できます。
受注数 = 商談数 × 受注率
商談数 = MQL数 × 商談化率
MQL数 = CV数 × 有効リード率
CV数 = セッション数 × CVR
説明用に、月間2件の受注、受注率20%、商談化率25%、有効リード率50%、CVR1%と仮定すると、必要数は次のように計算できます。
必要商談数:2 ÷ 20% = 10件
必要MQL数:10 ÷ 25% = 40件
必要CV数:40 ÷ 50% = 80件
必要セッション数:80 ÷ 1% = 8,000セッション
上記は計算方法を示す仮例であり、業界共通の基準値ではありません。自社実績、対象期間、営業の対応可能件数で置き換えてください。
また、流入から商談・受注までには時間差があります。同一月の数値だけで因果関係を断定しないようにしましょう。
ステップ3・4:少数のKPIに絞り、目標値・責任者・見直し条件を決める
KPI候補は、KGIへの影響、担当チームの操作可能性、計測信頼性で優先順位を付けます。最重要KPIは3〜5個程度から始め、経営報告用と改善用を分けて運用すると管理負荷を抑えられます。
決めたKPIごとに、次の項目を定めておきます。
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管理項目 |
設定内容 |
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KPI名 |
主要CV数、自然検索セッション、商談化数など |
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定義・計算式 |
分子・分母、対象チャネル、集計方法 |
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現状値・目標値 |
基準月の実績と対象期間の目標 |
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データソース |
Search Console、GA4、MA、CRMなど |
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責任者 |
確認と改善を主導する担当者 |
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確認頻度 |
週次、月次、四半期 |
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閾値 |
調査や対策を始める変化幅・条件 |
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打ち手 |
未達時に確認する原因と対応策 |
記事本数やリライト本数は、検索流入やCV改善につながる仮説がある場合の行動指標です。公開自体を目的にせず、対象テーマ、想定読者、改善したいファネル段階を併記します。
<成果につながるコンテンツ設計を整理したい方へ>
フェーズ別KPI一覧:立ち上げ期・成長期・成熟/改善期の指標と打ち手
フェーズごとに最優先するKPIを変え、数値が悪いときに点検する箇所をあらかじめ決めておくことが重要です。ここでは各フェーズの指標と打ち手を整理します。
立ち上げ期のKPI:インデックス・検索表示・ターゲット流入を伸ばす
立ち上げ期では、ターゲット顧客に届く検索表示・クリックと自然検索セッションを優先KPIの候補にします。CVが少ない場合でも、CV計測の信頼性は早期に確認します。
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指標 |
確認する意味 |
悪い場合に点検すること |
主な打ち手 |
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インデックス状況 |
重要記事が検索対象になっているか |
クロール阻害、重複、noindex設定 |
サイト設定、内部リンク、ページ品質の確認 |
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検索表示回数 |
ターゲット検索で露出しているか |
テーマ不足、検索意図とのずれ |
顧客課題・検索テーマの見直し |
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クリック数 |
検索結果から選ばれているか |
タイトル、要約、検索意図との一致 |
タイトル・本文の改善 |
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ターゲットクエリの流入 |
見込み顧客に近い検索者が来ているか |
関連性の低い流入への偏り |
クエリ群ごとのテーマ調整 |
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自然検索セッション |
流入規模を把握する |
流入ページの偏り、計測不備 |
コンテンツ群の拡充、既存記事の更新 |
一般的には、Search Consoleでクエリ、ページ、表示回数、クリック数を確認し、GA4で自然検索チャネルのセッション、ランディングページ、主要イベントを確認します。
平均掲載順位は検索条件で変動し得ます。順位単独ではなく、事業関連性の高いクエリ群の表示・クリックと併せて見ます。
Search Consoleの設定や基本的な使い方は、「Googleサーチコンソールの使い方・設定を初心者に分かりやすく解説!」の記事で詳しく解説しています。
成長期のKPI:CV数・CVR・有効リード率で導線とコンテンツを改善する
成長期では、主要CV数、CVR、有効リード率を最重要KPIの候補にします。流入量だけでなく、記事からCTA、フォーム、主要CVへ進む過程を点検します。
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区分 |
CVの例 |
主な用途 |
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マイクロCV |
CTAクリック、メール登録、動画視聴、資料ページ到達 |
興味・導線の状態を把握する |
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主要CV |
問い合わせ、デモ予約、商談相談、セミナー申込、重要資料請求 |
リード獲得の成果を把握する |
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有効リード |
対象企業・役職・課題などの条件を満たす主要CV |
営業に渡す候補を把握する |
CVRは、たとえば「主要CV数 ÷ 対象セッション数」で定義できます。ただし、記事別、テーマ別、流入チャネル別に分けなければ、改善箇所を判断しにくいことがあります。
数値が伸びないときは、ファネルのどこで詰まっているかを次の順に確認します。
- 流入が少ない:テーマ需要、検索露出、内部リンクを確認する
- CTAクリック率が低い:記事の検索意図とオファーの整合を確認する
- フォーム到達率が低い:CTAの位置、訴求、導線を確認する
- フォーム完了率が低い:入力項目、エラー、画面設計を確認する
- 有効リード率が低い:対象読者、オファー、リード判定基準を確認する
成熟/改善期のKPI:MQL・商談化・受注寄与・CACで投資配分を決める
成熟/改善期では、商談化数とパイプライン・受注への寄与を優先KPIの候補にします。BtoBでは、リード獲得だけでなく商談・成約までの指標を置くことで、投資判断に使える数字になります。
確認対象には、MQL数、商談化数、商談化率、受注数、パイプライン金額、受注寄与、コンテンツ起点または接点ありのCACがあります。CACを算出する場合は、制作費、外注費、ツール費、広告費、運用工数のどこまでを含めるかを統一します。
アトリビューションは単一の正解を示すものではありません。初回接点、CV直前接点、商談化前の接触、アシスト接点のうち、採用する貢献定義を明記してください。
記事単位で厳密なCAC配賦が難しい場合は、テーマ群や四半期単位で参考値を管理する方法もあります。評価に応じて、テーマや記事を次のように扱います。
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事業寄与の評価 |
テーマ・記事の扱いの例 |
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高い |
継続投資し、関連テーマへの展開を検討する |
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中程度で改善余地がある |
CTA、検索意図、導線、営業連携を見直す |
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流入はあるが有効リード・商談につながらない |
検索語句、対象読者、オファーを再点検する |
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低く、重複や更新負荷が大きい |
統合、リダイレクト、停止を検討する |
既存記事の改善の進め方は、「リライトとは?意味・SEO効果を高める記事改善の方法を解説」の記事で詳しく解説しています。
計測設計:GA4・Search Console・MA/CRMでKPIを同じ定義で追う

KPIを事業成果につなげるには、ツール数を増やすことより、同じ定義でデータを扱うことが重要です。Search Console、GA4、フォームまたはMA、CRMの順に役割を整理すると、検索露出から受注までを見通しやすくなります。
KPI定義書を作る:分子・分母・対象期間・データソースを固定する
KPI定義書には、指標名だけでなく、計算式、対象期間、除外条件、データソースを記載します。定義が異なると、同じ「CVR」や「商談化率」という名称でも、部署ごとに別の数字を参照するおそれがあります。
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項目 |
CVRの記入例 |
商談化率の記入例 |
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指標名 |
オウンドメディア主要CVR |
MQL商談化率 |
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目的 |
記事・導線のCV効率を把握する |
リード品質と営業接続を把握する |
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計算式 |
主要CV数 ÷ 対象セッション数 |
商談化したMQL数 ÷ MQL数 |
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分子 |
問い合わせ・デモ予約などの主要CV数 |
CRMで商談化済みとなったMQL数 |
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分母 |
定義した対象セッション数 |
同一期間または同一コホートで判定したMQL数 |
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対象期間 |
月次。必要に応じて流入月別に補助集計 |
MQL発生月またはコホート単位 |
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除外条件 |
社内アクセス、テスト送信、重複イベント |
重複リード、対象外企業、再登録条件など |
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データソース |
GA4、フォームデータ |
MA、CRM |
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更新者・頻度 |
マーケティング担当者が月次更新 |
営業企画またはマーケティングが月次照合 |
GA4のセッションベースの数値と、CRMのリードベースの数値は母数が異なります。同じ母数であるかのように直接比較せず、正とするデータと集計単位を定義書で明確にします。
計測の最小構成:Search Console→GA4→MA/CRMの役割分担
一般的には、Search Consoleを検索露出、GA4をサイト内行動・CV、MAをリードの反応、CRMを商談・受注の確認に使い分けます。完全自動連携がなくても、共通の流入分類と月次照合から始める方法があります。
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ツール・データ |
主に見るKPIの例 |
主担当の例 |
よくある欠損 |
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Search Console |
表示回数、クリック数、クエリ、検索流入ページ |
SEO・編集担当 |
ブランド語と非ブランド語の分類不足 |
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GA4 |
セッション、イベント、CV、CTAクリック、フォーム到達 |
Web・マーケティング担当 |
イベント重複、同意設定による欠損 |
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フォーム/MA |
リード属性、資料取得、スコア、MQL |
マーケティング担当 |
流入元の表記ゆれ、重複リード |
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CRM |
商談化、受注、金額、失注理由 |
営業・営業企画 |
リードID未連携、ステータス更新遅れ |
少人数体制なら、フォームに流入元・キャンペーン分類を保持し、各ツールのCSVを月次で照合する運用から始められます。数値差が出る前提で、どのデータを正とするか、どの差異を調査対象とするかを決めておきます。
GA4の導入・設定方法は、「GA4(Googleアナリティクス4)とは?導入・設定方法と使い方を解説」の記事で詳しく解説しています。
KPIを形骸化させない運用:週次・月次・四半期のレビュー設計
KPIは設定だけで成果を保証するものではありません。確認頻度ごとに見る数字と決めることを分け、未達時には原因仮説と打ち手を更新します。
レビュー頻度別の見る指標:週次は異常、月次は改善、四半期はKPI自体を見直す
次の役割分担は運用設計の一例です。組織の意思決定速度、データ量、営業サイクルに合わせて調整してください。
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頻度 |
見る数字の例 |
問い |
決めること |
主な参加者 |
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週次 |
インデックス、急な流入変動、CV計測、制作進行 |
計測異常や公開上の問題はないか |
修正担当、公開・更新の優先順位 |
編集、SEO、Web担当 |
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月次 |
自然検索流入、主要CV、CVR、有効リード率、コンテンツ別CV |
どのファネルで詰まっているか |
テーマ、導線、CTA、リライト施策 |
マーケティング、営業連携担当 |
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四半期 |
KGI進捗、商談化、受注寄与、CAC、投資額 |
KPIと投資配分は事業目標に合うか |
フェーズ移行、KPI追加・削除、予算、低成果コンテンツの扱い |
責任者、営業、経営層 |
SEO流入は短期で変動し得るため、週次の上下だけで記事やテーマの成否を決めないようにします。週次は異常検知、月次はファネル改善、四半期は戦略更新という役割分担が一案です。
経営層・営業部門への報告:PVを事業成果へ翻訳する1枚の構成
経営層への報告では、PVの増減だけでなく、KGI進捗、リード・商談への寄与、投資、次に必要な意思決定を併記します。そうすることで、メディアと事業との接続を説明しやすくなります。
1枚の報告の構成例は次のとおりです。
- KGI進捗:目標商談数やパイプラインに対する実績と進捗率
- ファネルの変化:ターゲット流入、主要CV、MQL、商談見込みの変化
- 主要施策と結果:テーマ施策、導線改善、リライトの結果
- 原因仮説と次の意思決定:伸長・未達の要因、次月・次四半期に必要な予算や優先順位
「PVが増えた」だけでなく、「対象テーマの自然検索流入増→主要CV増→有効リード増→商談見込み」のように、検証すべき因果仮説を添えます。
未達の場合も「流入は増えたが有効リード率が低い。対象読者とオファーの整合を見直す」と同じ型で記載します。
オウンドメディアのフェーズ別KPIに関するよくある質問
Q. PVはKPIから外すべきですか?
PVを必ず外す必要はありませんが、最終KPIとして固定するより、ターゲット流入、CVR、リード、商談と組み合わせて評価する方法があります。
立ち上げ期では流入規模を把握する補助KPI、成長期以降ではCV・リード・商談への接続を確認する途中指標として扱えます。PVとセッションは集計単位が異なるため、どちらを使うかは定義書で固定してください。
Q. KPIは何個に絞るべきですか?
絶対的な正解はありませんが、最重要KPIは3〜5個程度から始めると運用しやすい場合があります。
補助指標は、最重要KPIが動いた理由を分析し、施策を決めるために必要な範囲に限定します。事業テーマの追加や営業プロセスの変更があればKPIを見直し、意思決定に使われない指標は定期的に整理します。
まとめ
オウンドメディアのKPIは、PVだけで評価するのではなく、事業目的と運営フェーズに合わせて設計します。
立ち上げ期は検索表示・ターゲット流入と計測基盤、成長期は主要CV・CVR・有効リード率、成熟/改善期は商談化・受注寄与・CACやパイプライン寄与を優先候補にします。
KGIから商談、MQL、CV、流入へ分解し、自社のCVR、商談化率、営業能力、投資額を前提に目標値を逆算してください。
自社のフェーズに合ったKPIの設定や、計測の仕組みづくりに迷う場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。
パンタグラフでは、コンテンツマーケティングの戦略設計から記事制作、効果測定・改善まで、企業さまの状況に合わせたサポートをさせていただいております。
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